大好きなクラシック音楽、本、美味しいお店、旅行などの記録です。
休日はソファの上でリラックス!
「ストラット」(レニー・クラヴィッツ)

ビジネスマンとしてはたまに話題についていけず不都合を感じることもあるのですが、日経新聞の購読を止めて暫くになります。ただ、金曜日の夕刊はキオスクで70円出して購入し目を通すようにしています。目的は、最終面にある映画評で、朝日新聞や読売新聞が企業グループとして映画の制作側にあって、公平まともな批評を期待できないのに対して、日経新聞は起用している映画評論家のものですが一つ星から五つ星まで結構手厳しい評価を付けます。
「★★★見応えあり」、「★★それなりに楽しめる」と言葉ではフォローしていても三ツ星以下の作品を観ることはありません。一方で、「★★★★★今年有数の傑作」は、映画らしい楽しさのある水準の高い作品であることが多く信頼できます。
話題は変わりますが、今更申し上げるまでもなく、アマゾンの当日配送は、すごいサービスです。注文品の保管場所にもよりますが、私が住んでいるエリアでは11時30分までに注文すれば当日に届くことがあります。昼前に注文したものがその日のうちに届くなんてそこまで進化しなくてもというレベルだと思います。
暇潰しで、今の日本に生きていて幸せに感じること、海外移住なんて考えられない日本の誇るべき特徴・進化したサービス・製品を考えることがあるのですが、和食、温泉宿、ラーメン・うどんなどの麺類、マンガ、ウォシュレット、アマゾン当日配送がすぐに浮かびます。少なくともこの10年間でのサービスの最大の進化はアマゾン当日配送ではないでしょうか(アイフォン系進化には個人的に関心がないので)。
前置きが長くなりましたが、一昨日買った金曜日の日経夕刊を土曜日の朝に眺めていると、映画欄の下、ディスクレビューにレニー・クラヴィッツの新譜が紹介されていました。私はレニー・クラヴィッツのファンという訳ではなく、一世を風靡したヒット曲などをベスト盤でたまに聴いている程度なのですが、『ガッツのある骨太な音もいい。ミックスを手がけたのは伝説的なエンジニア、ボブ・クリアマウンテンだ。』とありました。
80年代のロック、ポップス好きには、MIX BY BOB CLEARMOUNTAINのクレジットは絶対でした。ボーン・イン・ザ・USA、レッツ・ダンス、ブライアン・アダムス、インエクセス、シンプル・マインズなど、キレのあるギター、センスのいいシンセサイザー、重量感のあるはっきりしたドラム、ベース音が文字通りクリアに整理されたスケールの大きいカッコいい音楽でした。
これは買いだなと思ったのが7時50分すぎ、アマゾンで注文すると、「10/4土曜日にお届けするには、今から9分以内に注文を確定してください。」とあります。ぎりぎりセーフ、何か得した気分です。気分が盛り上がって、それを当日に手にできるのは本当に有難いです。
10作目にして初めて自らでなく外部にミックスを依頼した作品とありました。ある意味想像どおりの勢いがあってグルービー感のあるソウル・ロック・アルバムです。ここ15年近くの作品を聴いていないので比較はできないのですが、いいアルバムだと思います。
安心して聴けるというか、好みのど真ん中の音作りです。キーンと響くギター、ビンビン強いベース、前に出るドラムです。昔の印象に強いスコーンと抜けた音ではないような気もするのですが、全く変わらないことが良い訳ではなく現代に合ったサウンド、いずれにしてもワクワク楽しめるミックス、ボブ・クリアマウンテンの世界です。セクシーな音作りのインエクセスを思い出しました。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
「ザ・ハンター」(ジェニファー・ウォーンズ)

「クラブ・ステラ」のジャズ&ポップス欄からの1枚です。
こちらは、クラシック編と違い、推薦文を読んですぐに聴いてみたくなりました。グレゴリー・ポーターの「リキッド・スピリット」とジャニス・イアンの「ブレイキング・サイレンス」です。しかし、アマゾンで検索するとジャニス・イアンの方は到着が2~3週間後の予定とあり、それならと一旦止めておきました。その代わり、『私にとって本作「ブレイキング・サイレンス」は、ジェニファー・ウォーンズの「ザ・ハンター」や「フェイマス・ブルー・レインコート」と同じくらい、音楽的にもオーディオ的にも好きなアルバム。』と紹介されていたジェニファー・ウォーンズ盤を注文することにしました。
まず、グレゴリー・ポーターの「リキッド・スピリット」の素晴らしいこと。冒頭から録音の良さ、演奏の良さが分かります。安定した低音と艶のある高音の張りのある歌声、そして落ち着きがあり、雰囲気満点のアルバムです。オリジナル曲もいいですが、「ウェン・ラブ・ワズ・キング」、「アイ・フォール・イン・ラブ・トゥー・イーズリー」は痺れます。最近のジャズアルバムでここまで出来の良いものがあったか、すぐには思い出せません。本作でグラミー賞を受賞したというので既に有名なのでしょうが私は今回初めて知りました。
ところが、です。まさかこれを凌ぐアルバムを直後に聴くことになろうとはです。
「ザ・ハンター」は、名盤中の名盤で、オーディオ好きで知らない人はいないんだそうです。恥ずかしながら私は知らなかったので、オーディオ好きとはいえないです。調べると1992年の作品。私は1989年に社会人になったのですが、それから4~5年の音楽については特に疎くて、この間の音楽は大ヒットのものでも全く知らないことがあります。
クリアで弾むような立体的サウンド。耳の幸福です。そしてジェニファー・ウォーンズの包容力のあるやさしい歌声。リンダ・ロンシュタットを思わせるカントリー風ポップです。どの曲もミディアムテンポのメロディアスな音楽で魅力的。アルバム全体が完璧に仕上がっています。女性ボーカルものでは、スティーヴィー・ニックスの「ベラ・ドンナ」、バーブラ・ストライザントの「ギルティ」、ウィルソン・フィリップスのデビュー作、あと何だろう。個人的に大好きなアルバムに匹敵する完成度の高さ、親しみやすさがあります。
いくつかあるエディションのうち、評判のよさそうだった「24K GOLD SPECIAL EDITION」で聴いています。他と比べていないので何とも言えませんが、確かにこれは音がいいです。
ジェニファー・ウォーンズは、「愛と青春の旅立ち」をジョー・コッカーとデュエットしたシンガーなんだそうです。それなら思い出しましたが、このアルバムでの眼鏡をかけた知的な雰囲気の女性とは随分印象が異なります。
ジェニファー・ウォーンズを選びましたが、「ザ・ハンター」と「リキッド・スピリット」、どちらも録音の良さは驚異的です。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
「27の小品 ヒラリー・ハーン・アンコール」

使用しているアンプのゴールドムンドを販売しているステラという会社から定期的に案内が届きます。その中に9月下旬に東京国際フォーラムで開催されるオーディオフェアでのアナログレコード試聴会の招待状がありました。
イベントの目的は当然新商品の販促で、別にこれ以上のめり込むつもりも金銭的余裕もないので、この手の案内はこれまでパスしてきたのですが、こういったイベントをコーディネートするオーディオ評論家が一体どういう質の音を聴いているのか、おそらく最高レベルなんだろう音を一度体験したくなりました。中期的に音楽への関心が弱い状態が続いているので、何かいいきっかけにでもなるかもしれないという期待もありました。
「クラブ・ステラ」のディスクガイドを執筆している柳沢功力氏と三浦孝仁氏の日程があったのですが、ジャズよりはクラシックがいいだろうと柳沢氏が担当する9月25日(木)15時から2時間のイベントに参加することにしました(招待状なんか無くても誰でも参加できる出入り自由の商品陳列会場です)。
仕事を切り上げて東京国際フォーラム4階のステラの部屋に到着したのは15時30分。おそらく始めにどういうオーディオセットで鳴らすのか説明があったと思うのですがそれは聞けませんでした。
根本的に分かっていないのですが、ステラという会社はおそらくヨーロッパの高級オーディオメーカーの販売店で、当日いろいろと並べられていたカタログに、私が購入したゴールドムンドのものはなかったので、主力は別のメーカーのものなのだと思います。ただ、パラパラとみたカタログにあるパーツの値段は500万円とか600万円とかだったので、当日のオーディオの総額は2000万円とか3000万円なんじゃないかと想像します。30~40人くらいの人が着席して熱心に耳を傾けていました。
オール・クラシックかと想像していましたが、ジャズ、シャンソン、レイ・チャールズと続き、その後にヴェルディ・アリア、いろいろあって最後は美空ひばりとオールジャンルです。どれもリアルで素晴らしい音です。空間もあるので音が広がります。
時空を超えて現場にいたら聴こえたであろう音とここで再現されている音はどのくらい同じ、近いんだろうと想像を膨らませて聴くのですが、どちらの経験も少ない私にはよく分かりません。ただ、現場音よりは強めのくっきりとした音が再現されているんだろうことは感じました。音が前に出るタイプ。自然な音が空間に広がるタイプとは少し違うようです。
いろいろと聴き終えた印象は、ピアノ、声、ヴァイオリンなど主役がはっきりしている音の再現は高水準で艶っぽくて本当に酔えます。ただ、オーケストラの音の再現には限界があるのかも。当日は、ケルテス指揮、ロンドン交響楽団演奏のドボルザーク交響曲第8番の第1楽章が流されましたが、レベルは高いのですがオーディオの向こうにオケの存在を感じるほどではない印象でした。
実は、これは我が家のオーディオにもいえることで、ピアノ、ギター、声などはパワフルかつクリアなのですが、オーケストラの再現がどうしても万全でなくうるさく感じることがあります。プロが鳴らす、聴くオーディオでも同じ傾向があることを知り、何かほっとしました。ただ、たった1回きりの印象で本質を見極められることはないと思いますし、ディスクの録音状態、好みもあると思うので、一概にはいえないと思います。
それでもいい経験になりました。「最高のものだけが本物」(色川武大「うらおもて人生録」)。最高だろうものに触れることにより学ぶことは大きいです。満足できる音を手に入れるためには桁が違うことを知りました。謙虚に生きていきます。
今回送られてきた「クラブ・ステラ」で推奨されていたディスクから、ヒラリー・ハーン演奏の現代作曲家によるアンコール曲集です。ハーン自ら26人の作曲家に委嘱した曲とコンペティションでの優勝曲、合わせて27の作品です。大好きなヒラリー・ハーンなのですが当初はアンコールピース集に興味が湧かず、他の2枚も含めて今回はクラシック関係はパスだと思っていました。
それが、試聴会を体験したことでそれならという気になり購入することにしました。ヒラリー・ハーンはNHK交響楽団との共演をテレビで見て、天才だと確信したのですが、録音には満足できるものがありませんでした。今回、ようやく満足できるレベルのディスクがあらわれました。
現代作曲家のものなので、不協和音とか超絶技巧とか、要するに変な音楽なのかと偏見がありましたが、意外や聴き易く、複雑さと単純さを併せ持つ水準の高さ、また作品にどっぷり浸かれる心地よさを感じました。ヒラリー・ハーンの演奏、歌い回しの良さは当然ですが、こんなにも現代作曲家の音楽が良いことに驚きを感じました。最後は個人の好き嫌いでしょうが、こういう現代音楽であれば聴けます。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )