棚の整理

          

 クラシック音楽のCDを並べている棚の整理を始めました。1年半前に自宅に戻ってきた際、自分の部屋に作った棚にCDを入れたのですが、かなり大雑把に分類したので目当てのディスクには一応何とか辿り着けるのですが、全体の把握が出来ません。そこで整理です。

 まずはディスクを引っ張り出して作曲家ごとに固めました。奇しくもモーツァルトとベートーヴェンの所持数がほとんど同じでした。高さで測ったのですが、ケースは約1cmなので概ね所持枚数に近いと思います。

 モーツァルト 240
 ベートーヴェン 240
 マーラー 150
 ブラームス 130
 バッハ 100
 ブルックナー 80
 シューベルト 50
 チャイコフスキー 45
 シューマン 30

 ワーグナー、ヴェルディ、R・シュトラウスなどのオペラは別の所に置いているので、それも含めるとクラシック音楽で1800枚くらい、ロック・ポップ・ジャズなどで1000枚くらい、計2800枚くらいでしょうか。

 ディスクを1枚、1枚見ていると、聴きたいディスクが次から次へと出てきてなかなか整理が進みません。アランのオルガン、ペトリのリコーダー、チョン・キョンファのヴァイオリン、アバドのロッシーニ序曲集などなど・・・懐かしいディスクに聴き入ってしまい手が止まります。つい2~3日前に購入を考えていたCDがあったりとやはり見易い分類が必要です。暫く時間がかかりそうです。


 来週末の土曜日は楽しみにしていた田部京子のミニ・コンサートがタワーレコード渋谷であります。田部京子は3月にモーツァルト、5月にベートーヴェンのコンサートもあります。
 そして日曜日は初めての宝塚です。有楽町の東京宝塚劇場で花組公演の「復活」と「カノン」、一体どういう世界なのか、今からワクワクです。


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小澤征爾/ウィーンフィル「バッハ G線上のアリア」

 昨年末にNHKで観た「クラシック・ハイライト2011」の最後の曲は大震災後に松本で追悼演奏された小澤征爾とサイトウ・キネン・オーケストラのG線上のアリアでした。

 思い出したのですが、私がこれまでの人生の中で聴いた最も美しい音楽・演奏は、入社後に赴任した新潟の独身寮で観た小澤征爾とウィーンフィルの演奏です。1989年からの3~4年のどこか、周りの微かな記憶では1991年前後じゃないかと思います。
 独身寮の食堂のテレビはWOWWOWに加入していて、珍しくクラシック音楽の演奏会を生放送していました。そこで意識してか、たまたまか観たものです。小澤征爾指揮のウィーンフィル、カラヤンの追悼演奏会で会場は教会のようなところでした。バッハのG線上のアリア、ジェシー・ノーマンが登場してのトリスタンの前奏曲と愛の死、そしてブルックナーの第9交響曲でした。確かそうだったと思うのですが、検索してもヒットしないので自信がありません。

 そこで冒頭に演奏されたG線上のアリアの絹のような柔らかさを忘れられません。ピチカートと旋律というよりレガートで抑制された音がボンボン響き合い溶け合うような演奏でした。痺れました。会場での生演奏の体験でなくて、テレビの前で観ているだけなのにこんなに美しさを感じられることに驚いたのを覚えています。

 YouTubeで検索すると、同じ小澤征爾、ウィーンフィル、カラヤンの追悼演奏会(広いホールなのでザルツブルク?)でのG線上のアリアを聴けます("Air" aus der Orchester-Suite D-Dur BWV 1068)。カラヤン全盛期のウィーンフィルの顔触れが懐かしく、これもよいのですが、記憶にある教会での演奏はもっとマイルドなものでした。昔のこととはいえ観て聴いた記憶があるので聴き違いではないと思うのですが・・・あの時の演奏会の映像をもう一度観られないかと希望しています。

 いずれにしても小澤征爾のG線上のアリアは、ウィーンフィルとのもの、サイトウ・キネンとのものと複数ありますが、どれも美しく感動的で素晴らしいです。


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ルカ「バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」

              

 タワーレコードのオリジナル企画で復刻させたセルジウ・ルカの無伴奏、1977年の録音です。横浜タワーレコードで強力プッシュされていたので手に取りました。古楽器による無伴奏の録音としては世界初だったそうです。

 ヴィブラートを抑えて飾りの少ない音楽を奏でていきます。古楽器ですが現代的な演奏様式も取り入れてあり中庸の美しさがあります。囁くようなバッハです。枯れた古楽器の響きも耳に心地いい。この曲の良さがしみじみと心に染み入ります。気に入りました。

 バッハの無伴奏といえば何といっても1967年のシェリングの絶対盤があります。改めて聴いてみると、きりりと引き締まって純粋で豊かな演奏です。地平線の先の先まで広がっていく透明感。やはり素晴らしい。
 2005年のクレーメル盤。個性的な歌い回しのスケールの大きい怪演の印象がありましたが、シェリングの後では少し違和感を感じてしまいました。ただ、バッハやベートーヴェンなどのヴァイオリンはその時の体調、精神状態で好みが変化するので今はという意味です。
 2011年の庄司紗矢香盤。若々しく新鮮な印象がありましたが、改めて聴いてみると楽想を掘り下げた深みのある練られた演奏です。しかも大きく呼吸していて美しい。若々しさもあり、これも素晴らしい演奏だと思いました。

 名曲の名演奏、音楽を聴く喜びです。


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クリフォード・ブラウン「Live at Music City 1955 & More」

             

 クリフォード・ブラウンといえば「ウィズ・ストリングス」が大好きでジャズのあらゆるディスクの中で最も愛聴しているディスクの一枚です。痺れるホーン、酔いしれる音楽です。

 しかし、しかし、その他の正統派のジャズアルバムがどうしてもノレない、酔えない。有名な「スタディ・イン・ブラウン」やドラムのマックス・ローチと組んだアルバムやライブがそこそこ残っているのですが、繰り返し聴きたいと思えるディスクがほとんどありませんでした。真面目すぎるのか、天才と称されますが実力がマイクに収まらない。

 もう諦めて長い年月が経過しますが、先日、タワーレコード横浜で推薦してあったレア・レコーディングのアルバムに何かピンときました。

 1955年5月31日のライブとおそらく1956年とされる2夜のライブテイクを編集したディスクです。これは興奮しました。ライブならではの勢いと熱があります。必ずしも録音はよくなくてクリフォード・ブラウンのトランペットが聴き取りにくい箇所もあるのですが、全般的にこれぞジャズという即興性があります(素人の私の感覚です)。

 1~3はまあ普通の録音、4~7がかなり悪い録音、8~10は劣悪といえる状態です。ケースの裏面にもRARE LIVE RECORDINGS - ONLY FOR COLLECTORSとあります。ファンでない方が聴く水準ではないかもしれません。それでも1~7はジャズファンにはOKの水準でしょう。

 このディスクで驚いたというか聴き入ったのは4の後半と7の始めから6分近いドラムのソロです。ジャズドラムを詳しく知らないのでこれが普通にあるドラムの叩き方なのか分かりませんが私は初めて聴きました。低音が強調され連打され忘我の域に達するようなドラミング。ドアーズや地獄の黙示録を思い出しました。
 こんなジャズがあるんだ。クリフォード・ブラウンがどうしてマックス・ローチというドラムと長らく共演したのかはじめて分かりました。

 漸くウィズ・ストリングス以外に愛聴盤になりそうなディスクを知れた喜びです。

1 Walkin’
2 A Night In Tunisia
3 Donna Lee
4 I’ll Remember April
5 More Than You Know
6 Embraceable You
7 Wee Dot
8 52nd Street Theme
9 I’ll See You In My Dreams
10 These Foolish Things
11 Brownie Interviewed By Leonard Feather


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宮崎克/吉本浩二 「ブラック・ジャック創作秘話」

              

 これまた「このマンガがすごい!2012」からオトコ編1位のマンガ、実話に基づいた作品です。

 作品名から想像するブラック・ジャックという稀有の主人公やこのマンガがどのようなきっかけで誕生したのかの話しではなく、手塚治虫がスランプに陥り、一旦、プロダクションが倒産した後、再生のきっかけとなった「ブラック・ジャック」の誕生とその後の手塚、スタッフ、担当編集者など関係者が時間に追われながらかなりの数の人気連載を綱渡りでなんとか創作していく奮闘記です。

 様々なエピソードが紹介される手塚治虫の天才、大らかで真面目なキャラクターにも魅かれますが、休みもなく睡眠時間も削って高水準の作品を作り上げていく凄まじいまでの渾身の努力、それに後の人気作家たちがまだ無名のスタッフとして必死に支えている姿にワクワクします。

 このマンガを読んで、自分ももっと努力しなければと発奮したとは何とも単純ですが、それが正直な感想です。
 学生の時、スコット・タローの「ハーヴァード・ロー・スクール~わが試練の1年~」という本を読んでぶったまげたことを思い出しました。クラスでそれなりの地位を占めるため、気の遠くなるような膨大な量の勉強に持てる時間の全てを注ぎ込む闘争心に圧倒されました。そこまで勉強するのか、そこまで努力するのであれば成功も当然だ、これは自分には出来ない・・・。オマケとして、約10年後、このタローがベストセラーとなった「推定無罪」の著者スコット・トゥローとして再び登場したときも本当に驚きました。

 将来の大物が無名のスタッフで働いている件では、リクルートの江副浩正の自伝的内容の新書でリクルート草創期に立花隆がアルバイトとして働いていたのを読み、凄いなと思ったのを覚えています。カリスマに触発されて、次世代のスターが成長していく風景は素敵です(リクルートの例はちょっと違いますが)。

 脱線しましたが、私のような自分で漫画本を買ったことはないけれども、散髪屋や食堂に置いてあった「ブラック・ジャック」を読んでいたファンでも大いに楽しめます。ナンバー1も納得の刺激的な良書です。「うどんの女」もそうでしたが、コンパクトに内容を凝縮した1冊完結のマンガもいいです。


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