きょう、思わずシャッターを押したのは県立図書館の若竹。
新しい黄緑が鮮やかだ。背景にサーモンピンク、実によく似合う。
竹が好き。
しなやかに伸びて、うつくしい色も、葉擦れの音もみんなすき。
竹の春 陰暦8月の異称。 秋の季語
書楼出て樵歌またきく竹の春 蛇笏
樵歌(しょうか) 木こりのうたう歌
おのが葉に月おぼろなり竹の春 蕪村
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北原白秋も竹を、こよなく愛した
「 …竹林を透かして、弱々しい鬱金の西日が射しわたるのだ。日向の竹の葉も明るくて長閑なものだが、日蔭の色は愈愈(イヨイヨ)青く沈んで侘しい。竹と竹との幹にちらちらする光線より幽かな はかないものはない」 と、春を待つ。
また 「竹林の十月」 のなかでは
「 竹と竹に背をもたせて、まだ緑の細かなほづえを仰ぐ涼しさはなかった。孟宗はまことに豊かで美しいと思った。それよりも笹葉を透かして見る青空の奥深さは何と云っていいだろう。私たちは酒を温めては恍惚とした」 と竹林の日だまりに集う。
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父の郷には孟宗が 母の郷には真竹があった。土壌の相違が、個性のちがう竹を育てた。何かあると、孟宗林に逃げ込んだ。
何度空を仰いだことか。小学一年の切ない思い出。忘れてしまいたい。
それから、真竹の郷に移った。
そこで光こぼれる竹林にあそんだ。なつかしい時間が重なってくる…
白秋がますます好きになる 竹は様々を思い起こさせる。