今週も、USBオーディオの話題から。古いノートパソコンに少し手を加えました。メモリーの増強です。2008年発売のPCなので、さすがに純正のメモリーは販売終了です。ネットであれこれ探してマニアの方のサイトにたどり着き、そこで紹介されていたアイ・オー・データのメモリーを、先日、アマゾンから取り寄せました。こんな他愛なことでも音が良くなるんですね。不思議で興味深い世界です。
今日は、1週間前の朝日新聞に紹介された海上自衛隊東京音楽隊の3等海曹・三宅由佳莉さんのCD「a prayer」を聴きながらのブログ更新です。 といっても、今は土曜日の真夜中、あと少しで日曜日になる時間です。きょうは、街のふれあい祭があって、来春小学1年生になる年長組の孫長男君たちが歌と合奏を披露するというので、でかけてきました。校庭では屋台があったり、フリーマーケットがあったり、玉入れ遊びがあったりと、催し物も盛りだくさんでした。孫次男君も、小さいのに校庭をぺたぺたと歩いている姿に自然と笑みがこぼれます。
そんなわけで、今夜は孫長男君が一人で我が家にお泊りになりました。代休で月曜日もお休みのようで、2泊3日の計画のようです。なので、いつものブログ更新がこの時間帯になってしまいました。明日は、秋の京都に連れていく予定です。
ところで、先週は、久しぶりに広島に長居をしました。週末帰阪して、愛犬ゴンタと夜のお散歩に出かけたら、石垣の片隅で何やら私を見つめる獣がいました。狸さんです。3メートルほど近づいても逃げようともせず、じっと私を見つめていました。ポケットからスマホを取り出しカメラに収めました。暗がりだったせいか、うまく映っていませんが、寒い季節を前に、我が街の狸さんも、元気に暮らしています。 そうそう、週の初め、新大阪駅の本屋さんで雑誌「中央公論」12月号に目が止まりました。特集記事は「壊死する地方都市」です。「2040年、地方消滅。極点社会が到来する」という中央公論らしいショッキングな見出しが踊ります。日本の人口動態を、識者の切り口から改めて眺めると、やはりその深刻さを思います。なるほどと思ったのは、「出生率が上がっても子どもの数は増えない」という現実です。「出産適齢期の女性人口×出生率」という算式を持ち出すまでもなく、出生率が1.41から2.0に伸びたところで、20代、30代の女性人口の減少を考えば、決して手放しで喜べるものではないというわけです。だから深刻なわけです。
短絡的な政策立案以前の、文化の在り様にまで切り込まなければならないのではないか。都会と地方。それは上下関係でも主従関係でもありません。それぞれの良さを理解しながら時代に流されない知恵の発揮が求められているんでしょう。私がかつて訪ねた鹿児島市や甲府市では、その土地その土地の文化度の高さを思ったものでした。どんなに小さな田舎町でも同じです。ところが、文化そのものが人為的に破壊されている現実もあります。市町村合併です。かつて明治の時代に問題になった神社合祀令をエコロジーの問題として取り上げた南方熊楠のことは、このブログでも何度か触れたことがありますが、それと同じようなことが現在も起こっています。鎮守の森が潰されるように、その土地の歴史と文化が、効率的な行政単位の中に組み入れられることによって、逆に埋没してしまった。結果的には、地方の文化を破壊してしまった。私は、そんな気がします。 その上に、人口問題が被さってしまうと、小さな町が消滅するのは時間の問題です。東京一極集中で地方の中核都市が危ぶまれるとなると、いったいこの国はどうなるのか。都会は、確かに便利です。たくさん情報が集まってきます。人が集まってきます。みんなが楽しそうにしています。美術館だってコンサートホールだって、ひとつやふたつではない。でも、どうなんでしょう。何か大切なものを置き忘れてはいないでしょうか。日本人の立ち位置、アイデンティティーそのものが問われているような気がします。それなのに、グローバル人材なんていう言葉がもてはやされている。どうなんでしょうね。.....何をそんなに焦っているの。もっとゆっくりと歩こうよ。もっとゆったりと話そうよ。もっとおおらかに生きようよ.....。
孫君の寝顔を覗きながら、まだまだ残された道はあるようにも思います。そのために、私に何ができるか。「解は現場にあり」。理屈や高尚な理論で済む話ではありません。もっと泥臭い、草の匂いのする、人間臭さ。地べたに張り付きながら考えていくべきなんでしょう。きっと。歩いて初めて気づくことも多々あります。自分の足で、その村や街を体感してみる.....。
おっと、思い出しました。若い頃に読んだ金井壽宏先生の「踊る大捜査線に学ぶ組織論入門」。「事件は会議室で起きているんじゃない。現場で起きているんだ」。昔読んだ本ですが、考えてみれば、私の仕事人生を支えていた本だったような気がします。