第七候 啓蟄 初候 「蟄虫啓戸 (ちっちゅうこをひらく)」。冬ごもりしていた虫たちが動き始めるの意....。小雨まじりの朝、いつもどおりお散歩に出かけると、なんとなく春を感じる、そんな空気感に包まれました。我が家の庭では、クリスマスローズの花が咲き乱れ、カリンやブルーベリーの枝先には若芽が伸びています。 そんな贅沢な朝、煎れたてのコーヒーを味わいながら、まずは先日お連れした舘野泉さんのLPレコード「愛の歌」に針を落とします。ジャケットには最新録音盤とありますが、裏面をみると若き日の舘野さんの写真に添えて「1977年7月7日から9日、荒川区民会館ホール」とあります。私が社会人になって4年目の頃の録音です。
スークの「愛の歌」、コダーイの「巷に雨の降るごとく」、ラフマニノフの「エレジー作品3の1」「前奏曲嬰ハ短調作品3の2」「メロディー作品3の3」.....。長椅子に座って、ほっとひと息です。
ラフマニノフといえば、そろそろライラックの花芽が膨らむ季節です。我が家のライラックは真っ白い花ですが、2年前の4月に中欧旅行に出かけたときは至る所で紫、藤、紅、白さまざまライラックの花を見かけました。 さて、今週の「心」のメインイベントは、山本能楽堂の公演「花と芸能」でした。この日は、舞台周りの白州の至る所に桜と桃と黄梅を配した生け花が飾られ普段と違った空気感が漂います。まずはチェロリスト住野泰士さんの演奏でバッハの「無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調」を聴きました。次いで、満開の桜に華やぐ京都・嵐山を舞台とする能「嵐山」を堪能しました。能舞台に輝くシテとツレの色鮮やかな装束に見とれてしまいました。
お能が終わると、もうひとつのテーマである「花」。能舞台に、国内外でご活躍の一葉式いけ花第四代家元・粕谷尚弘さんがご登場。いろいろお話を伺ったあと、舞台裏に連なる和室に活けられた作品を見て回ります。粕谷さんから展示された作品について直接ご説明をいただきました。また、押し花クラフト作家・土井三恵子さんの作品も展示され、心穏やかな一日を過ごすことができました。
能楽堂の余韻冷めやらぬなか、ジュンク堂書店で「マンガでわかる『能・狂言』」(成文堂新広社)を手にして帰りました。明後日も講座「能活」に出かける予定ですが、4月には山本能楽堂定期能「たにまち能」も予約済。お能「羽衣」と「西行桜」、狂言「土筆」を楽しみます。....なんだか最近、やみつきになりそうな気配です(笑)。
余談:火の用心!!
きょう最後の話題は「火事」です。数日前、夜の10時過ぎにパソコンに向かっていたら、遠くから消防車のサイレンが聞こえました。だんだん近づいてきたかと思うと、我が家から3軒先のおうちの前に止まりました。
慌てて窓を開けると、その数3台。パトカーまでやってくるではありませんか。家の前の道路をホースをもった消防士さんが忙しく行ったり来たり。これはただ事ではないと玄関先に飛び出しました。しかし、煙も火の手も見えません。結局は小さなボヤで済んだようでした。よかった、よかった。
だんだんと高齢者が多くなっていく街ですから、ちょっとした不注意で大変なことになってしまいます。ご用心、ご用心。