心の風景

晴耕雨読を夢見る初老の雑記帳

美術工芸に学ぶ

2008-01-13 10:30:07 | Weblog
 初出の日を過ぎて、はや1週間。ことしも、こんな調子で時間が過ぎていくのだろうと、いやに神妙な日曜日の朝を迎えました。前日までの雨もあがり、部屋の奥まで冬の陽が差し込んでいます。
 ところで、きのうは午前中、職場に顔を出したあと、京都に向かいました。ことし初めての上洛です。同業他社の方々の集まりに出席するためでした。いつも同じような顔ぶれですが、今回は、何年かぶりに旧知の方々にもお目にかかりました。ずいぶんお世話になりながらここ数年お会いする機会のなかった方、何年か前に同業他社に転職された方。みな、それぞれにお元気そうで安心をいたしました。
 これとは別に、会合のあと、何年か前にリタイアされた方とお会いする約束をしておりました。夕食までには少し時間があったので、ご一緒に四条河原町の高島屋で開催されていた「NHK美の壺展」を見て回りました。こういうテレビ番組があったのは知らなかったのですが、せっかくだからと古伊万里やアールヌーヴォーのガラス、切子、友禅など、日本の美術・工芸品がずらり展示された会場を楽しく見て回りました。私は、関連する知識をまったく持ち合わせていなかったのですが、桃山時代にまで遡って、「色」「模様」「形」のそれぞれに、時代を超えた人間の知恵、技能、感性が隠されていることを実感しました。と同時に、今という時代に右往左往している自分自身の小ささを思ったものです。
 人には、さまざまな生き方があります。職場の政争の犠牲になって一度は表舞台からお引きなったけれども、時の経過とともに改めてデビューを果たされた方、転職して満足だったかどうかは別にして、しかし前向きに第二の職場で頑張っている方、同業他社を転々としながら確実に足跡を残していらっしゃる方、ゆったりとした時間のなかで時代を見つめていらっしゃる方、......。まさに、人それぞれの素晴らしい人生をお過ごしになっている姿に接して、こういう多様な生き方のなかで、人の「こころ」が時代に刷り込まれていくのだろうことを思いました。それはある種、民の知恵であり、息吹であり、それが形として継承されたものが美術工芸なのだろうと。新しい年の始めの貴重な知見として胸の奥にしまっておくことにいたします。 
コメント    この記事についてブログを書く
« 今年も『小吉』 | トップ | 非線形科学?? »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿