五味康祐の世界~作家の遺品が語るもの~展
練馬区立石神井公園ふるさと文化館で開催中の展覧会が残すところあと1日となった。
reinはプチぶんか村の前号に
この展覧会の功労者で学芸員の山城さんより一文をいただき掲載した。
山城さんから「五味文学は読めば読むほど深い」といわれていたので
いつかはと思いながらまだ1篇も手にしていない。
体調の悪さと忙しさとで会期が始まってすぐには駆けつけられなかったが
この日を逃すとあとはないというがけっぷち状況の中
意を決して7日に出かけた。
山城さんから会期中はほとんど会場に詰めいている旨の連絡をいただいていたので
受付で名乗るとすぐに出てきてくださった。
「勝手に拝見します、質問があればあとで伺いますので」と
失礼を承知で案内を断った。
なぜなら話していると絶対集中力を欠くのがわかっていたから。
五味康祐の旧邸は拙宅にほど近い。
生活圏内なので引っ越してきた当初から「五味通り」のことは知っていた。
それなのに作品を読むでもなく、
地域情報紙の編集者としては誠に恥ずかしいことであった。
時代小説とか剣豪小説は得意なジャンルではなかったからだ。
この展覧会や図録を見てこれは作品を読まなくてはならないなと
改めて思った。
見学後また山城さんに会って印象に残った展示箇所を告げると
彼女も同様の感慨を持っていたことがわかった。
練馬区に寄贈された遺品を整理するにはさぞご苦労があったことだろう。
オーディオマニアだった五味氏のステレオ機材を使ってのコンサート、
文学講演会、そしてこのたびの展覧会へと着々と準備し実現させていった山城さんの力に
絶大な拍手を送りたい。
展覧会は明日まで。
エリアの人はもちろん、ちょっと遠くの人でも足を運んでいただきたい。
できたらパネルをじっくり読むことをお勧めする。
大きめの文字で大変読みやすく、
抜粋された文章や紹介文に主催者のまなざしを感じ取ることができるから。
(写真は図録より)