りきる徒然草。

のんびり。ゆっくり。
「なるようになるさ」で生きてる男の徒然日記。

ダブル・ディケイド。

2014-02-14 | Weblog
20年前の今日、ワタシは今の会社に転職した。

広島で勤めていた広告会社を辞め、逃げるように故郷に帰ってきて、しばらくはフラフラしていたのだが、
たまたまコンビニで買った求人誌に、今の会社の求人が載っていた。
履歴書を送り、一次面接~二次面接と受け、気がついたら採用が決定した。

初出勤の日は、奇しくもバレンタインデー。

当たり前だが、右も左も分からず、転校生さながらの借りてきた猫状態のワタシに、総務の女性が
“よろしく、ということで・・・”といきなりチョコレートをくれたことを、今でも鮮烈に憶えている。

今だから言うけど、当時のワタシは、たぶん2~3年でこの会社もまた辞めるだろうと思っていた。

別にやる気がなかったわけではない。
それには、自分なりに理由があった。
自分は“広告”の世界で働くのが目的なのであって、“この会社”に就職したいから広告業を選んだわけで
はない。

“広告”が目的で、“会社”は手段だ。
だから、この会社が手段になり得ないことが分かった時は、潔く辞める。
・・・まだ半人前以下の青二才のくせに、そんな考えを持っていたのだ。

それがいつの間にか、20年。
上述した青二才の考えが正しいのなら、この20年は目的と手段が見事に合致した年月だったのかも知れない。

だからといって、どんな会社でも、どんな仕事でもそうだろうが、別に楽しい出来事や嬉しい出来事ばかりでは
なかった。
むしろそんな出来事はほんの僅かばかりで、辛いことや悔しいことや虚しい出来事の方が圧倒的に多かった。
会社を辞めようと思ったことや、この仕事自体を辞めようと思ったことは、もう本当に数え切れない。

でも、人間とは都合よくできているもので、数少ない明るい出来事はすぐに思い出せても、ネガティブな出来事を
具体的に思い出そうとしても、ぼんやり曖昧な輪郭が浮かぶだけで、上手く思い出すことが出来ない。
おそらくそうでもしない限り、人間は年を重ねていくことが難しい生き物なのだろう。

とにかく、それでも腰掛け程度のつもりで入社した会社に20年も在籍できたのは、もちろん会社との相性もあるの
だろうけど、何はともあれ、手垢のついた表現だが、やはり周囲の人々の支えがあってこそだと、痛感している。
まだ20代半ばで、無知で自信も引き出しも何もない若造を、いったいどれだけの方々が叱咤指導してくださったことか・・・。

“広告”が目的。“会社”は手段。
・・・20年が過ぎても、青二才の頃のこの考えは、今でもまだワタシの中に生きている。

明日のことは誰にも分からないけど、この20年がそうであったように、これからも自分が納得できる仕事を、そして
何よりも、自分に嘘をつかない生き方をしていきたいと思う。

余談だが、昨日、我が家で一日早いバレンタインチョコを貰った。
入社初日に“よろしく、ということで・・・”と少し照れながらチョコレートをくれた女性が、20年後、ワタシの妻と
なってチョコレートをくれるようになるとは、あの頃は想像すらしていなかった。

やっぱり、明日のことは誰にも分からない(笑)

コメント
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