昨秋から母と一緒に中のモノを少しずつ片付けていた、実家の古い物置。
今週の火曜日から、ついに解体がはじまった。
解体を依頼した業者さんが事前の打ち合わせの際に言ったことには、完全に解体して更地になるのは、今週末とのことだった。
今日の夕方、状況を確認しようと、仕事の帰りに実家に寄ってみた。
・・・もう、無かった。
この2日の作業で、屋根とかが無くなっている程度の進捗状況だろうと思っていたのだが、まさか基礎だけを残して全くの更地になっているだなんて予想だにしていなかった。
明日の天気予報が雨になっているので、おそらくそれを考慮して超特急で解体したのかも知れない。
それにしても、築70年の建物がたった2日で消えてしまうなんて・・・。
物置は長年風雨に晒され、最近では雨漏りが酷くて、本当にいつ倒れてもおかしくない状態だった。
だから、早々に解体してもらって安堵しているのは確かなのだが、その一方で、無くなったら無くなったで、幼い頃のワタシの遊び場であり、秘密基地のような存在だった場所が無くなってしまったことに対して、一抹の寂しさも胸に去来する。
しかし、母は少し違うようだった。
地面の古いコンクリートも全部剥がし、完全な更地になったら、ここは花畑にしたいそうだ。
この手前にも畑はあるのだが、そこは大根やピーマンやプチトマトといったいわゆる「食料」専門の畑だった。
新しく生まれる畑には、今まではスペースが取れず育てたくても育てられなかった、ありとあらゆる花を植えてみたいらしい。
「そうすれば、これからはお父さんのお墓参りの時に花を買わなくても済むけぇね」と、笑いながらそう言った。
勝手に感傷的になっている息子なんかよりも、母の方がよっぽど前を向いている(笑)
明日と明後日で解体後の片付けも完全終わる予定。
その頃には、この辺りも桜の開花宣言が出されているだろう。
春は、もうすぐそこまで来ている。