rock_et_nothing

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ビリー・ホリデー”奇妙な果実”は止むことはない人の業

2013-03-08 16:11:12 | 音楽たちーいろいろ
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Billie Holiday - Strange Fruit

この曲を真剣に聴いたのは、10代の終わり。
ジャズに傾倒している知り合いから借りたLP盤を回して聴いたのだ。
アルバムのタイトルは「奇妙な果実」、その一曲目にこの曲”奇妙な果実”が入っていた。
たしか、解説にビリー・ホリデーの生い立ちとこの曲の背景が書いてあり、アメリカの暗い部分、人の愚かさを痛感し、やりきれなくなった。
人種差別について、まったく知らないわけではなかった。
アメリカでの黒人差別、白人至上主義の結社など、テレビや書物で見聞きしていた。
何も人種差別は、アメリカの専売特許であるはずはなく、ヨーロッパでのユダヤ人やジプシー差別、わが国でも朝鮮人やアイヌ民族、中南米での先住民族、中国での少数民族、時と場所を問わず人種差別は行われ、場合によっては差別が逆転し、これからもなくなることはないだろう。
今もどこかで奇妙な果実はつくられている。

ビリー・ホリデーは、この歌を終生歌い続けたそうだが、ただの告発のためではないだろう。
人の業への深い悲しみが、彼女にそう決心させたと思えてならない。
暗い過去に囚われすぎもどうかと思うが、目を背けてはならない。
できるだけ愚かなことを繰り返さないための自戒の標として、傍らに置くことを勧める。
理性を失っては、獣以下に陥る人間ならばこそ。