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ローマ、永遠の都

2013-03-02 13:14:00 | 街たち
「にじいろジーン 地球まるごと見聞録」2700年の昔より栄えた都、イタリアのローマ。
街全体が古代の遺跡と芸術品で溢れ、時代とともに人々と歩んできた。
最近では、漫画やそれがもとになった映画の「テルマエ・ロマエ」で、古代ローマに馴染みがある方も多いのでは。
街を観光するのに馬車に揺られるのはどこでもある光景だが、近年ローマでは”アペ”という三輪バイクで巡るのが流行っている。
”アペ・カッシーノ”は、ローマの休日で印象的なスクーター”ベスパ”の会社が作っている。
後ろの座席には2人まで乗れるので、会話を楽しみながら芸術的な街並みと遺跡群を観光できるのだ。


イタリアというと、酒類ではワインが筆頭に上げられるのだが、最近では地ビールがもてはやされているのだという。
「イータリー・ローマ」という、駅舎であった建物を改装し、4階全てが食材を専門とする店でうめられた巨大マーケットがある。
もちろん、地ビール専門店があり、そこではローマの地ビール”ピッラ・ローマ”を扱っており、楽しめるそうだ。
もっとも、イタリアだけではなく、ワイン王国のフランスでさえも20年位前あたりからビール需要が高まり、特に若い世代はワインを飲まなくなっている。
いわゆる温暖化のために、猛暑になる割合が高まり、炭酸系のシュワシュワしたビールに手が伸びるのも頷ける。
あと、アメリカ系のファストフードの広まりと、手作りの家庭の味をじっくりと楽しむ生活習慣が薄くなってきたこともあるのではないだろうか。

ピッツァにもご当地色があるのは当たり前で、ローマのピッツァの生地は極薄のパリパリだ。
ちなみに、ナポリ風は、厚手の生地でボリュームたっぷり。
ローマ風ピッツァの”カプリチョーザ”(気まぐれ)は、麺棒で生地を薄く延ばし、トマトソースを塗ってチーズそして半分の面にキノコをのせて焼き、残りの半面へ仕上げに火を通さない生ハムやゆで卵などをのせて出来上がる。
最近流行っているピッツァは、”トラッピツィーニ”。
牛の胃袋を煮込んだローマ風トリッパを、袋状の生地を焼いたものに入れたもの。
食べやすさと手軽さが、人気の決め手。

スイーツにも、新しい流行もあれば長年愛されるものもあって、その混在が楽しい。
「ファータモルガーナ」は、400種類以上のジェラート・レシピを持つ人気の店。
『ジェラートは料理』という信念を持つオーナが、無添加でヘルシーな、意外性の組み合わせが作るハーモニーを楽しむジェラートを開発している。
”ゴルゴンゾーラ&洋ナシ”にみられる、チーズとフルーツなどを組み合わせたものが多く、ほかにも”黒米&バラのつぼみ”なんていうのもある。
ローマっ子は好奇心旺盛なため、当たり前のジェラートでは物足りないのだそうだ。
カフェ「チャンピーニ」は、”タルトゥーフ”というサクランボを中に入れた大きめのチョコレートジェラートの上にホイップクリームでデコレーションしたもの。
タルトゥーフはトリュフの意味で、食べていると中のサクランボが出てくる、トリュフ探しに似ているところから名づけたもの。

食も、職人のこだわりと創意工夫がなされて、ローマは活気に満ちている。

かたや物作りの職人はというと。
「セルモネータ・グローブス」は、300種類以上の皮の手袋専門店。
防寒だけではないおしゃれアイテムとしての手袋もあり、なんとスマートフォンを操作できるように人差し指先が出やすい工夫を施したものもある。
使う人の手のサイズにぴったりと合うように、店の人が丁寧に棒を使いながら皮を伸ばし、調整してくれるのだ。
皮の文化の厚さを感じる。
「ファブリアーノ」は、1264年から続く老舗の文具メーカー。
その昔、ダ・ヴィンチも愛用したファブリアーノ製の紙は、今も当時の製法で作られ、絵画を嗜む物には最高級紙のひとつとして知られている。
また、ユーロ紙幣は、このファブリアーノ製の紙が使われているのだ。

もともとローマは、幾つかの丘の上につくられた街が寄り集まったものだ。
そのローマ市内に、小高い丘があるのだが、それは壷の破片が積み重なってできている。
古代ローマでは、ワインや穀物の運搬に壷が使われていた。
その壷が壊れたものを処分した結果、小高い丘となったのである。
今では緑生い茂る小高い丘に、古代ローマ人の生活の痕跡を感じることができるなんて、歴史好きにはたまらないものがある。

トレビの泉、コロッセオ、スペイン広場など有名なスポットもいいのだが、路地や壷の破片でできた小高い丘巡りも楽しそうだ。
かつてちょっとだけ訪れたローマ、徹底的に歩き倒したい街のひとつである。