Mark Rothko Blue, yellow, green on red,1954
もしも、広く大きな壁のある部屋があったなら、一枚でいいロスコの絵を飾りたい。
その前には、背もたれのないソファーただ一つ。
静かに、ロスコの絵と向き合う、そのためだけの部屋。
深く深く、ロスコの絵を愛する。
ポリアコフの絵も、ロスコと同じ空気を持つ。
果てのない大地と、それを覆う天蓋の空。
ロスコには、ポリアコフよりも悲しみを多く含んではいるが。
その絵の前にいると、大地と大空の間に挟まれて、それらを結ぶ触媒になった感覚に陥る。
地と空が放出するエネルギーをこの身に受けるのだ。
太古の、原始の、物質間を飛び交うエネルギーのダイナミズム。
わたしの心の中に、しっかりと占めるロスコの絵。
ロスコの絵が脳裏を過ぎるたびに、心はさわさわと微かに打ち震える。
そのあとには、見事なまでの静寂が心を支配するのだ。
マーク・ロスコは、帝政ロシア領ラトビアからアメリカに亡命したユダヤ人。
現代アメリカ抽象美術の巨匠。
彼の絵は、直接、絵に対峙する者の心にダイブする。
いや、観る者が、絵に吸い込まれていくのか。
そういう意味では、言語的思考をすっ飛ばした未来の絵といえるのかもしれない。
夢だが、一枚のロスコの絵と一つのソファーがある部屋を欲しい。
No1 Untitled /Royal Red and Blue 1954
Neon Cactus
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