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パンドラ ジャン・クーザン
ギリシャ神話において、神々が人類に送り込んだ人類初の禍の女パンドラ。
プロメーテウスが天界から火を盗んで人類に与えたことに腹を立てたゼウスが、人を惑わすためのありったけの魅力を備えさせた”女”にあるものを携えさせて送り込んだ。
その箱の中には、病気・悲しみ・貧困・諍い・犯罪など、負の要素がたくさん詰め込まれていた。
あるとき、パンドラが禁忌を犯して箱の蓋を開けると、中からぼわっと災厄の塊が飛び出て飛散してしまった。
慌てふためいて蓋を閉めたはいいものの、既に後の祭り、箱の中には内気な希望だけが隅に隠れていた。
なぜだかこの話は、さまざまに折に触れて思い起こされるエピソードである。
ギリシャ神話をモチーフにした絵画が、各時代の画家達によって繰り返し描かれてきた。
そのとき、画家の脳裏には、何が思い浮かび、どのような思い入れでパンドラを描いたのだろうか。
とくに、ジャン・クーザンの”パンドラ”は、禍の女としてのパンドラの禍々しい雰囲気がでている。
いかにも、神の刺客としての超人的美しさ、善悪の観念の欠如が見て取れる。
パンドラは、自分のしたことに驚きはしても、後悔はしない。
ギリシャ神話の時には既に、人間の本質が語られ、それから少しも変わっていない。
何度でも同じ轍を踏んで行くのだ。
ー善悪の別のない好奇心。
ー技術の諸刃の剣。
ー忠告とは無視されるもの。
ー驚きはあっても後悔はない。
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パンドラ ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス
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パンドラ ジュール・ジョセフ・ルフェーブル
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