Celestial Navigation of Birds
Elements 2
20世紀アメリカの芸術家で、アッサンブラージュ(寄せ集め)の先駆者ジョゼフ・コーネル。
彼の美意識によってこつこつと集められたさまざまなものを、箱という限られた空間の中に配置した作品は、祭壇のようでもあり、子供の宝箱、大切なものを独自の基準によって配置した秘密の抽斗とも思え、ノスタルジーを誘起させる装置のようだ。
彼の作品を見ていると、かつて自分が作ったものかのような錯覚を覚えたり、無声映画または映画の一場面を切り取ったフィルムの陳列に立ち会っている気がする。
モチーフの取り合わせや配置により作品の一つ一つに物語や詩が自ずと生まれ、堅苦しい決まりごとや象徴などの知識を持たなくともすんなりと入っていけそうなところがいい。
コーネルの作品は、美術館のような広い大きな空間で見るのではなく、一般的居住空間あたりのほうが親密さがましてよいような気がする。
とても個人的で内面的な彼の作品は、やさしく大切に扱ってあげなくてはいけないものだから。
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