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難解かもしれないウィリアム・ターナー

2013-09-26 12:00:04 | アート

Rain, Steam and Speed: the Great Western Railway


Rockets and Blue Lights

イギリスを代表する18世紀から19世紀にかけてのロマン派の画家、ウィリアム・ターナー。
印象派よりもだいぶ早くに大気と光に魅了された男。
茫漠としたその画面は、印象派よりも形を留めず、時には大きなうねりを伴い湧き立ち、観るものに安心感を与えない。

先日実母の元を訪れたときのこと。
購読している新聞社が、購読者サービスの一環として社主催の展覧会で取り上げる画家などの複製画を頒布している。今回は、ターナーとラファエロ前派の特集だ。
実母は、装飾的で何が描かれているかはっきりとわかるラファエロ前派の複製画を取り置いていたが、茫洋ととらえどころのないターナーの絵には一顧だにしないで捨てていた。
たしかに、大方は理解しやすく装飾的な絵を好む。
気の毒なターナーは、美術史的価値は高くても一般受けが悪いのだ。
まだこれから10枚近く配られるというので、我が家の部屋に貼るために、取り置いてくれるように頼んでおいた。
訪れる子供たちの目に触れることができれば、知らず知らずのうちに彼らの滋養になるものと期待を持っている。

だから、ターナーの大回顧展があるようだが、どの程度関心が集まるか心配している。
「エル・グレコ」や「フランシス・ベーコン」もなぜかかなりの集客があったようだから、何事にも寛容で何でもござれの日本人は、ターナーにも足を運んでくれるかもしれない。
非実用の代表格アートは、頭で考えるよりもハートで感じるべきものなので、ターナーの黄色のダイナミズムに触れてみるのもよいだろう。
ちなみにターナーの絵に緑の色はほぼ存在しない。
第一に黄色、第二に黄色、第三・四同帯に青色と褐色といった具合か。
それらを巡っていると、壮大なシンフォニーが聞こえてくるはずだ。
たぶん、エルガーやワーグナーが。








Stonehenge


The Lake of Zug, 1843

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