「ナルト」が、15年をかけた全72巻が完結した。
戦を請け負うことを生業とする戦闘集団の忍者の苦悩、殺し合いが生む憎しみという負の連鎖、人としての存在意義と他者と係わり合うことの懊悩、孤独の恐怖と危険性など、普遍的テーマがナルトには描かれて、それも人をひきつける大きな要素だ。
主人公ナルトのライバルうちはサスケは、負の連鎖に囚われている世界の擬人化ともいえる存在。
平和の中にあったちょっとした愛の渇望が核となり、次々と襲い掛かる不幸によって猜疑と憎悪がまとわりついて大きく成長し、救いの言葉も差し伸べられる手も阻んで何者をも寄せ付けない冷たく冷え切った魂となった。
その魂を解きほぐすのは、絶望的なほどに困難を極める。
無上の愛の権化でもない限りまず無理だ。
しかしナルトは、ついにサスケを底なしの闇から救い出し、負の連鎖を断ち切ること成し遂げた。
いや、ナルトが最初から愛の化身であったわけではない。
自分を信じる気持ちと諦めない心、向けられた人のやさしさに気がつき心を開くことができたから、闇に足元をすくわれなかったのだ。
二人の始まりは似通っていても、その受け取るものと進む道は大きく違えてしまった。
光と闇は表裏一体、ナルトとサスケがそうであるならば、実際のところ闇を追い払うことはできなく、闇に呑まれないようにするしかない。
そして救う方は、救われる方の何倍も大きな忍耐と大きな愛を持たなければならないとは、なんと途方もないことか。
ナルトはとりあえずハッピーエンドではあったけれど、現実の世界はいっそう闇に引き寄せられつつあるようで、つい遠い目をしてしまった。
誰の心にも居るはずのナルトとサスケの葛藤は、いまやサスケが優勢のように思えてならない。
戦を請け負うことを生業とする戦闘集団の忍者の苦悩、殺し合いが生む憎しみという負の連鎖、人としての存在意義と他者と係わり合うことの懊悩、孤独の恐怖と危険性など、普遍的テーマがナルトには描かれて、それも人をひきつける大きな要素だ。
主人公ナルトのライバルうちはサスケは、負の連鎖に囚われている世界の擬人化ともいえる存在。
平和の中にあったちょっとした愛の渇望が核となり、次々と襲い掛かる不幸によって猜疑と憎悪がまとわりついて大きく成長し、救いの言葉も差し伸べられる手も阻んで何者をも寄せ付けない冷たく冷え切った魂となった。
その魂を解きほぐすのは、絶望的なほどに困難を極める。
無上の愛の権化でもない限りまず無理だ。
しかしナルトは、ついにサスケを底なしの闇から救い出し、負の連鎖を断ち切ること成し遂げた。
いや、ナルトが最初から愛の化身であったわけではない。
自分を信じる気持ちと諦めない心、向けられた人のやさしさに気がつき心を開くことができたから、闇に足元をすくわれなかったのだ。
二人の始まりは似通っていても、その受け取るものと進む道は大きく違えてしまった。
光と闇は表裏一体、ナルトとサスケがそうであるならば、実際のところ闇を追い払うことはできなく、闇に呑まれないようにするしかない。
そして救う方は、救われる方の何倍も大きな忍耐と大きな愛を持たなければならないとは、なんと途方もないことか。
ナルトはとりあえずハッピーエンドではあったけれど、現実の世界はいっそう闇に引き寄せられつつあるようで、つい遠い目をしてしまった。
誰の心にも居るはずのナルトとサスケの葛藤は、いまやサスケが優勢のように思えてならない。
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