Frank Auerbach Sumally
今年もあと1時間、フランク・アウアーバッハに最後を飾ってもらおう。
彼は、1931年ドイツに生を受けてイギリスに帰化した現代画家。
しっかりとしたボリュームを保ちながら、形は溶解し空間と同化するかのようだ。
人間の個の存在の危うさ、肉体も魂も崩壊し塵となる脆さに抗いきれるのだろうかという問いかけを繰り返しているかのようだ。
このところ、人物を描いた絵が苦痛に感じるのだけれど、彼の絵は私を追い詰めない。
ミラン・クンデラの文学にも通じる諧調が、アウアーバッハにもあると、私には思えてならない。