5月のラボ便り
皆様、こんにちは。
今回は、「抗精子抗体」についてお話します。
私たちの体には、
体の外から入ってきた異物(抗原)に対し、
これを体内から排除する為に、抗体を作り異物を攻撃する働き(免疫反応)が備わっています。
免疫反応とは、
体に害を与えるもの(ウイルスなどの病原体や癌細胞など)を排除するために、
なくてはならない働きです。
しかし、働くべきでない場面でも免疫反応が起こってしまうことがあります。
抗精子抗体がその一つです。
抗精子抗体とは、体が精子を異物(抗原)と見なし、
精子に対して作られた抗体のことを言います。
この抗体は、男女共に存在し得るものです。
男性に抗精子抗体が存在する場合、
精子の動きが著しく悪くなる(精子無力症)、
動きには問題はなくても受精能力が低くなってしまう(受精障害)
を引き起こすことがあります。
女性において抗体が作られてしまうと、
女性の体内では、精子を排除しようと、精子の動きを止めてしまったり、
受精しにくくなってしまうことがあります。
即ち、タイミング治療や人工授精では妊娠しにくい状態になってしまいます。
自覚症状はなく、検査を受けない限り、自分では気付くことができません。
抗精子抗体の有無は、血液検査で調べます。
抗体の強さにも寄りますが、もし抗体があった場合、体外受精が必要となります。
不妊女性のおよそ3%が抗精子抗体を持っているとされています。
抗精子抗体を持った方がタイミング治療や人工授精を長々と続けてしまうことのないよう、
お早めに検査を受けて頂きます。
様々な検査の結果から、お一人お一人に応じた適切な治療方針を決めていきます。
何かご不明な点などがございましたら、お気軽にスタッフにお声掛け下さい。
とくおかLCラボスタッフより
「子宝メッセージ AIH編」「子宝メッセージ タイミング療法編」はアメブロに投稿されています。
そちらも是非ご覧になられて下さい。 クリックすると飛びます
スタッフが綴るアメブロもご覧になって下さい
とくおかレディースクリニックHPはこちら