魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!
100『一寸の虫にもゴミの魂!』
「センター外れたからか?」
上杉は直球で聞いてきやがる。
「それもあります。やっぱアイドルだったら、センター狙いたいのは当然じゃないですか」
加奈子も直球で答える。お互い直球なんだけど、上杉は微妙に口がゆがんでやがる。
そういう顔されると、悪魔のアンテナ感度は高くなって、つむじの毛がアホ毛みてえに立っちまうぜぇ( Φ∀Φ) 。
「でも、吉良ルリ子のセンターは、かわりっこないぞ。加奈子だって分かってるだろう」
「でも、吉良ルリ子のセンターは、かわりっこないぞ。加奈子だって分かってるだろう」
「ええ、今のオモクロじゃね」
「……今のオモクロが気にいらんのか」
「これはこれでいいと思う。でも、わたしは、わたしたちのオモクロがやりたいんです。想色クロ-バーじゃなくて、おもしろクローバーが」
「それは、ただの嫉妬だ」
「違うわ。ルリちゃんたちは力もあるし、オモクロにも愛情もってくれてます。だから美紀ちゃんだって、体張って香奈ちゃん護ってくれたわ」
一瞬、上杉がこっちを見やがる。ガラス越しでもハッキリわかる、ゴミを見る目だぜ。
くそ、一寸の虫にもゴミの魂っての知らねえなあ!
グフ( ´艸`)
間違えたと思ったら噴いちまった!
「だったら、加奈子もがんばってセンター奪い返してみろ!!」
すっげえ剣幕にガラスがビリビリ震えて、加奈子もビクッとしやがる……でも、なにか白いものが加奈子の口に吸い込まれ……あ、いま噴き出しちまったゴミの魂だ(''◇'')。
「おもしろと想色じゃ、もんじゃ焼きとフランス料理。けして一緒にはならない。上杉さんだって、そこんとこ分かって、もんじゃ焼きにフランス料理の真似させてるんでしょ」
「フランス料理じゃ、いやか?」
「いや」
「はっきり言うなあ。お互い、ロケバスで寝泊まりしながら這い上がってきた者同士だから、はっきり言うけど、もう、うちはフランス料理に変わっちまったんだ。いまさら、もんじゃ焼きにはもどれん」
「いや」
「はっきり言うなあ。お互い、ロケバスで寝泊まりしながら這い上がってきた者同士だから、はっきり言うけど、もう、うちはフランス料理に変わっちまったんだ。いまさら、もんじゃ焼きにはもどれん」
「だから、別のユニットで出して。フランス料理の手伝いもちゃんとするから」
「うちの事務所に、別のユニット作る余裕はない。やっとAKRの背中が見えてきたところなんだぞ」
「ムグ」
あ、ゴミの魂が腹の中に入っちまったぞ!
「……じゃ、わたしオモクロ辞める」
「それはダメだ。まるで、新しいオモクロが、古いオモクロを追い出したみたいで、スキャンダルになる!」
「一寸の虫にもゴミの魂よ!!」
オフィスのドアが急に開いて、加奈子が飛び出してきやがる。その風圧で香奈(マユのアバター)は一瞬目をつぶるほどだったぜ。
『待って、カナちゃん!』
一瞬マユは、自分のことが呼ばれたのかと思ったけど、すぐに勘違いだって分かったぞ。
オフィスのドアが急に開いて、加奈子が飛び出してきやがる。その風圧で香奈(マユのアバター)は一瞬目をつぶるほどだったぜ。
『待って、カナちゃん!』
一瞬マユは、自分のことが呼ばれたのかと思ったけど、すぐに勘違いだって分かったぞ。
「別所君……!?」
「ああ、見間違えたかな?」
それは、ちょっと前まで上杉のアシスタントをやっていた別所だった。アシ時代のパーカーじゃなくてブレザー羽織ってやがる。
「やっと、プロデューサーのはしくれになった」
「おめでとう。苦労が実ったわね」
加奈子は、素直に喜んでやった。
「カナちゃんの苦労だって実らなくっちゃ」
「……え?」
「オレが、引き受ける。新しいユニット」
「別所くんが……失敗したら、この事務所にいられなくなるよ」
「思ってないだろ、失敗するなんて」
「だけど、別所君を巻き込めないよ」
「この仕事、リスクはつきものだ。オレ、カナちゃんの思い入れは本物だと思っている。一寸の虫にもゴミの魂なんだろ」
「……ありがとう、別所君!」
廊下の端で手を取り合う二人を、上杉が怖い顔で睨んでやがったぞ。
「勝手にしろ……」
そう呟いて、上杉は廊下の反対方向に行っちまいやがった。
やっぱり、オチコボレ天使がやるお節介は、どこかで歪みが出てくる。オモクロヒットで雅部利恵は大満足だろうが、こんなことには毛ほども気付いていねえだろ。
「ユニットの名前は『オモクロ・E残り組』にしよう!」
廊下の端で手を取り合う二人を、上杉が怖い顔で睨んでやがったぞ。
「勝手にしろ……」
そう呟いて、上杉は廊下の反対方向に行っちまいやがった。
やっぱり、オチコボレ天使がやるお節介は、どこかで歪みが出てくる。オモクロヒットで雅部利恵は大満足だろうが、こんなことには毛ほども気付いていねえだろ。
「ユニットの名前は『オモクロ・E残り組』にしよう!」
「居残り組?」
「ううん、アルファベットのEを付けて、E残り組!」
「いいね、それでいこうよ『オモクロ・E残り組』!」
「わたし、そこの研究生にしてください!」
香奈(マユ)はクチバシッテしまった……。
「わたし、そこの研究生にしてください!」
香奈(マユ)はクチバシッテしまった……。
☆彡 主な登場人物
- マユ 人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
- 里依紗 マユの同級生
- 沙耶 マユの同級生
- 知井子 マユの同級生
- 指原 るり子 マユの同級生 意地悪なタカビー
- 雅部 利恵 落ちこぼれ天使
- デーモン マユの先生
- ルシファー 魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
- レミ エルフの王女
- ミファ レミの次の依頼人 他に、ジョルジュ(友だち) ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
- アニマ 異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
- 白雪姫
- 赤ずきん
- ドロシー
- 西の魔女 ニッシー(ドロシーはニシさんと呼ぶ)
- その他のファンタジーキャラ 狼男 赤ずきん 弱虫ライオン トト かかし ブリキマン ミナカタ
- 黒羽 英二 HIKARIプロのプロデューサー 地親は黒羽英雄
- 由美子 英二の妹
- 真田 由美子の元カレ
- 美優 ローザンヌの娘 英二の妻
- 光 ミツル ヒカリプロのフィクサー
- 浅野 拓美 オーディションの受験生
- 大石 クララ オーディションの受験生
- 服部 八重 オーディションの受験生
- 矢藤 絵萌 オーディションの受験生
- 上杉 オモクロのプロディューサー
- 桃畑 加奈子 オモクロの創設メンバー