大橋むつおのブログ

思いつくままに、日々の思いを。出来た作品のテスト配信などをやっています。

やくもあやかし物語2・079『見渡す限りの海だよ』

2024-11-05 16:25:56 | カントリーロード
くもやかし物語 2
079『見渡す限りの海だよ』 




 ……呆然としてしまったよ。

 だって海だよ……見渡す限りの海だよ。

 トバリとトバルをやっとの思いでやっつけて、もう腰を上げることもできないくらいヘバッテいたんだ。御息所もミチビキ鉛筆も力を使い果たして、呼んでも起きてくれないし。

 それでも、キーストーンを取り返しに来たんだ。学校のみんなも来てくれて、せいっぱい助けてくれたよ。

 ここからしばらくはヤクモ一人だ。

 うんこらしょ……って、なんとか立ち上がって、顎を出しながらえっちらおっちら、足を引きずりながらやってきたら、とーとつにソウゲンが途切れて海ですよ。

 背中から風が吹いてきて頬をなぶっていくよ。

 亜麻色の~長い髪を~風が優しく包む~♪

 お祖父ちゃんのオハコの歌がうかんでくる。

 乙女は胸に白い花束を♪……駆け下りたら、そのまま海にドボンだよ(;'∀')!

 ヤクモはプールの端から端まで、25メートルが限界だよ。それも体育の成績は、やっと3のヤクモだよ!

 どう見ても水平線は25メートル以上向こうだしぃ!

 ペッペッ

 髪の毛が口に入るしぃ。

 樺太じゃ飛べたけど、あれは少彦名のお蔭だったし、あそこは樺太だったし。

 戦いの時も飛べたけど、あれはミチビキ鉛筆とかががんばってくれたからで、そのミチビキ鉛筆もくたびれて寝ちゃってるしぃ。

 えい!

 胸を張って足を開いて、おっきく海に両手を広げる!

「神よ、いまこそ御業をお示しになって海を割りたまえ!」

 だめか……。

 アニメでモーゼがやってたのを思い出してやってみるけど効き目がない。

 あたりまえだよね、ヤクモはクリスチャンじゃないし……。

 目玉を左右に動かして、波打ち際を探ってみる。

 ゲームだったら、チラチラとかピカピカ光るものがあって、そこに行くと問題解決のアイテムがあるとか、イベントが起こるとか?

 そんなものはかけらも見当たらない。

 あ!

 ひょっとしたら、海に見えているのはフェイクで、本当はソウゲンとか道とかが続いているのかも!

 ジャボジャボジャボ!

 思い切りよく前進してみたけど、やっぱり海で、パンツまでびしょ濡れになっておしまいだった。

 くそお!  バッシャーン!

 ヤケになって、体を大の字にして倒れる。

 盛大に波しぶきが上がって、そのまま浮いてみる。

 
 ドップーーーン


 ちょっと離れたところで何かが海に落ちてきたような音がした。

 

☆彡主な登場人物 
  • やくも        ヤマセンブルグ王立民俗学校一年生 ミチビキ鉛筆、おもいやり等が武器
  • ネル         コーネリア・ナサニエル やくものルームメイト エルフ
  • ヨリコ王女      ヤマセンブルグ王立民俗学学校総裁
  • ソフィー       ソフィア・ヒギンズ 魔法学講師
  • メグ・キャリバーン  教頭先生
  • カーナボン卿     校長先生
  • 酒井 詩       コトハ 聴講生
  • 同級生たち      アーデルハイド  メイソン・ヒル  オリビア・トンプソン  ロージー・エドワーズ  ヒトビッチ・アルカード  ヒューゴ・プライス  ベラ・グリフィス  アイネ・シュタインベルグ  アンナ・ハーマスティン
  • 先生たち       マッコイ(言語学) ソミア(変換魔法) フローレンス(保健室)
  • あやかしたち     デラシネ 六条御息所 ティターニア オーベロン 三方 少彦名 朝飯前のラビリンス くわせもの  ブラウニー(家事妖精) プロセス(プロセスティック=義手・義足の妖) 額田王 織姫 間人皇女 マーフォーク(半魚人) トバル(魔王子)  トバリ(魔王女)
 
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魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!52『めんどくさくてややこしい奴ら!』

2024-11-05 08:50:37 | 不思議の国のアリス
魔法少女なんかじゃねえぞ  これでも悪魔だ  悪魔だけどな(≧▢≦)!
52『めんどくさくてややこしい奴ら!』 




 トトが喋った!?


 ブリキマンとかかしは驚いて顔を見交わし、そして眠っているトトに目を落としやがる……。

 授業中、先生の板書を写していて書き間違えたとする。めんどくさいんで、シャーペンでガシャガシャ消したら、横の女子が「さっき消しゴムが喋ってたわよ」って言われた男子みてえだ。

「そりゃ、たぶんマユが小悪魔だから、お話ができたんだ。ペコン」

「マユには特殊な力があるんだなあ」

 かかしと、ブリキマンは勝手に理解しやがった。

「いったい何時間ぐらい眠ってるんだろう……あんまり寝過ぎても、頭がボンヤリするっペコン」

「そうだね、タイマーを見てみよう」

 かかしは、ドロシーのバスケットから写真立てを出したぞ。

「あ、これ、ドロシーが家出したときに持って出たエムおばさんといっしょに写っているやつだな」

「これは、情報端末のタブレットなんだよ。写真は、ただのマチウケ。ドロシーが、ここへ来てからの記録や、予定が出てくるんだ……めったに使わないから、操作の仕方忘れちゃったなあ……」

「ブリキマンは、分からねえのか?」

「わたしは、ブリキで出来ているから触れないんだペコン。タブレットの画面を傷つけてしまうからポコン」

「あ……記録が出てきた」

「どのくらい寝てやがるんだ?」

「いや、べつの記録だよ……やっぱり、オズの魔法使いから『西の魔女』のホウキをとってくるように言われてるね」

「で、何時間寝てるんだペコン!?」

 ブリキマンがせっついた。

「せかせるなよ、こういうの、ボクは弱いんだから……あ、これは」

「「なに!?」」

 マユとブリキマンの声がそろったぜ。

「ドロシーが、ドロシーになるまえの情報みたいだ……ほらぁ」

 画面はバグりかけていたけど、いくつかのことが読み取れた。

「この子、もとは日本人だったんだ……ポコン」

「責任感が強くて……」

「……なにか、使命があったみたいだなペコン」

「ボランティア……読めねえなあ」

「ここに来る前に、大きな手術やってる……中味は……ああ、バグちゃった」

「あ出てきた。ドロシーダイアリー……たいへんだ、もう三日も眠ってるペコポコン!」

「起こさなくちゃ。食事も水も摂ってないよ」

「ドロシー……と、その前にペコン」

 かかしがマユを見やがった。

「なんだよ?」

「言っといたほうがいいよなブリキマン?」

「うん、マユが混乱するといけないからなペコン」

「なんだよ、いってぇ?」

「ドロシーが目覚めたら、マユと話していたことや、ボクたちが、何人ものドロシーの相手をしていたこと……」

「ボクたちには、もともとの姿があったことなんか忘れてしまうからねポコン」

「わたしたちは、このドロシーが起きているうちは、このドロシーのためだけのブリキマンとかかしなんだ。だから、スカタン言うかもしれないけどね」

「……分かった、早くドロシーを起こそうぜ」

「「ドロシー、ドロシー……」」「ドロシー……」「起きやがれ、ドロシー!」「もっとやさしくペコン」「ウ、ごめん」「「「ドロシー……」」」


 それから、五分ほどかけて、やっとドロシーは目を覚ましやがった。


「ああ、よく寝たわぁ……おはようみんな」

「「お、おはよう、ドロシー(^▽^)!」」

 かかしとブリキマンが声をそろえて言った。

 なるほど、二人ともさっきまでと違ってめちゃめちゃ明るい顔になってやがる。

「やだあ、ライオンさんもトトも寝てる……そうかぁ、わたしが眠れないものだから、いろいろ面倒かけたのよね……え、ええと……あなたは?」

 三人の視線がマユに集まった。ちょっとドキドキするぜ(^_^;)

「「キミだれ?」」

 かかしとブリキマンの声が、またそろった。ほんとうにマユのことは忘れたみてえだ(-_-;)。

「あぁ、ええとな……」

 めんどくせえやつらだ(-_-;)!

「ああ、あなた、白雪姫さんのところで見かけた人よね!」

「お、おお。小悪魔のマユっていうんだ。よろしくな!」

「よろしく!」

 グゥゥゥゥ

「あ、ごめん、ちょっと待ってね(^_^;)」

 ドロシーはバスケットから、ミルクやサンドイッチ、おにぎりなんかを取りだし、無心に食べ始めた。そんで、かかしとブリキマンは不思議な顔をしてやがる。こいつら、ほんとうに忘れやがったんだ( ゚Д゚)

「だあからあ……」

 マユは、最初から説明をしなおした。でもよ、途中でライオンのやつが目を覚ましてくれたんで、マユの説明は半分ですんだぜ。って言うか、ライオンは記憶をなくさねえんだ。

 ややこしいやつらだ。


 ドロシーが三日分の食事を終えたころ、声がした。


「じゃ、そろそろ行こうか!」

 声の主は、いつの間にか目を覚ませたトトだったぜ。


☆彡 主な登場人物
  • マユ       人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
  • 里依紗      マユの同級生
  • 沙耶       マユの同級生
  • 知井子      マユの同級生
  • 指原 るり子   マユの同級生 意地悪なタカビー
  • 雅部 利恵    落ちこぼれ天使 
  • デーモン     マユの先生
  • ルシファー    魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
  • レミ       エルフの王女
  • ミファ      レミの次の依頼人  他に、ジョルジュ(友だち)  ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
  • アニマ      異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
  • 白雪姫
  • 赤ずきん
  • その他のファンタジーキャラ   狼男 赤ずきん 弱虫ライオン トト かかし ブリキマン
  • 黒羽 英二    HIKARIプロのプロデューサー
  • 光 ミツル    ヒカリプロのフィクサー
  • 浅野 拓美    オーディションの受験生
  • 大石 クララ   オーディションの受験生
  • 服部 八重    オーディションの受験生
  • 矢藤 絵萌    オーディションの受験生
  • 片岡先生     マユたちの英語の先生  

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魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!51『かかしとブリキマン』

2024-11-04 08:55:25 | 不思議の国のアリス
魔法少女なんかじゃねえぞ  これでも悪魔だ  悪魔だけどな(≧▢≦)!
51『かかしとブリキマン』 




 最初にもどってきたのは、かかしだったぜ。

「やあ、ドロシー、やっと眠れたんだぁ。トトとライオンも……ところでキミは?」

「ええとなぁ……」

 めんどくせえけど、かいつまんで説明してやったぞ。

「そうだったのか……小悪魔ちゃんに助けてもらうのは久しぶりだなぁ」

 ん?

 この一言にマユは驚いた。こんな目に遭う小悪魔は自分だけだと思っていたからな。

「マユだけじゃねえのか?」

「ああ、久しぶりだけど、初めてじゃないよ……」

 ガシャガシャガシャ

 かかしが大事な話をしそうになったところで、ブリキマンが帰ってきた。

 ブリキマンも驚いてやがったけど、ドロシーとかかしが説明すると、同じように懐かしがりやがる。

「ところで、おめえらはドロシーを眠らせるものを見つけられたのかぁ?」

「アリスの眠りネズミを眠らせるジャムをもらってきたんだけど、人間に効くかどうかはね……」

 シャワシャワ音をさせて懐からジャムを出すかかし。

「わたしは、ゲンコツ山のタヌキさんから、おっぱいをもらってきたペコン。ただ、寝たあとは、ダッコしてオンブしてまた明日になるから、その先の保障は無いって言われたけど……ペコン」

 カチャ

 胸のハッチを開いて哺乳瓶を示すブリキマン。

 二人とも、自分の成果に自信はなさそうだったけど、すでにドロシーが眠ってしまったので安心したようだったぜ。

「さっき、マユのこと初めてじゃないって言ってたけど……どういうことだ?」

「あ……覚えていたんだね。心ないことを言ってしまったペコン」

 ブリキマンは、ボコボコと心の入っていない胸をたたいた。

「ボクは、脳みそがないから、考えも無しに余計なことを言ってしまった」

 シャワ

 かかしは、そう言って首を振る。その勢いで、頭のワラが少し飛び散った。

「心も考えも無しに言ってしまったことだけど、ここまで言ったんだ、マユには話を聞いてもらったほうがいいかもしれないなあ……」

 ワラをかき集めながら、かかしが言う。

「ハァァ……今度のドロシーは少し変わっているからなあ……ペコン」

 かかしの頭にワラを詰めるのを手伝いながらブリキマンが、ため息混じりに言う。

「今度のドロシー?……どういう意味だぁ?」

「ここに来る子は、みんなドロシーなんだ」

「そうなんだ。ある日竜巻に飛ばされて家ごと降ってきては、東の魔女を死なせて、オズのところへ行っては、西の魔女のホウキを取ってこいと言われ……ペコン」

「いったんは魔女に捕まって、ボクたちが助けて、最後はドロシーが魔女に水をかけてやっつける……」

「で、オズの魔法使いから、ご褒美をもらって……ペコン」

「ドロシーはオズの気球に乗り損ねるんだよな?」

「そう、北の魔女のブリンダが、こう言うんだペコン」

「靴のかかとを三回鳴らして、こう願いなさい」

「「「やっぱりお家がいちばん」」」

 この台詞は揃ってしまって笑ってしまったぞ(^▽^)。

「そういうドロシーが何人もいるわけなのか?」

「ああ、このドロシーで2012人目」

「わたしは、1953人目ペコン」

「……なんで、ブリキマンの方が少ないんだ?」

「そりゃあ、ボクのほうが先輩だからさ」

 かかしが自嘲的に言いやがる。

「ボクたちは、時期が来ると交代するんだ。ここで眠ってるライオンは今回が初めてだから、そのへんの事情はよく分からないだろうけどね」

「え……意味分からねえぞ」

「ここはね、世界中の女の子……って、みんながみんな、そういうわけじゃないけどね」

「せっぱつまった女の子が、自分探しにやってくるところなんだよペコン」

「で、ボクたち三人は、その手助けをするために、交代でここに飛ばされてくるんだ」

「わたしはブリキマン。彼はかかし。この寝てるのがライオンとしてね……ペコン」

「じゃ、おめえたち、元々は……?」

「「それは……ナイショ」」

 二人が声をそろえて言った。

「じゃ、トトは?」

「トトは、ただの犬さ」

「ただの犬?」

「ああ、ただの犬ペコン」

「……でも、さっき喋ったぞ」

「トトが喋った!?」

 ブリキマンとかかしは驚いて顔を見交わし、そして眠っているトトに目を落としやがった……。



☆彡 主な登場人物
  • マユ       人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
  • 里依紗      マユの同級生
  • 沙耶       マユの同級生
  • 知井子      マユの同級生
  • 指原 るり子   マユの同級生 意地悪なタカビー
  • 雅部 利恵    落ちこぼれ天使 
  • デーモン     マユの先生
  • ルシファー    魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
  • レミ       エルフの王女
  • ミファ      レミの次の依頼人  他に、ジョルジュ(友だち)  ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
  • アニマ      異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
  • 白雪姫
  • 赤ずきん
  • その他のファンタジーキャラ   狼男 赤ずきん 弱虫ライオン トト かかし ブリキマン
  • 黒羽 英二    HIKARIプロのプロデューサー
  • 光 ミツル    ヒカリプロのフィクサー
  • 浅野 拓美    オーディションの受験生
  • 大石 クララ   オーディションの受験生
  • 服部 八重    オーディションの受験生
  • 矢藤 絵萌    オーディションの受験生
  • 片岡先生     マユたちの英語の先生  

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巡(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記・138『一本早い電車に乗った』

2024-11-03 12:03:10 | 小説
(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記
138『一本早い電車に乗った』   




 寝付けなかったわりには早く目が覚めて、いつもより一本早い電車に乗った。

 6組の佐伯さんのことと、それを受けて屋上で開いた臨時MITAKAのせいだ。

 一つ手前の寿町が近づくと、ドアのそばで唸り声。

 う~~~ん

 大荷物抱えたお婆さんが下りるのに苦労している。モンペに地下足袋、頭に手拭い巻いて、電車で時どき出会う行商のお婆ちゃん。
 たいていは二三人のチームで、荷物持って乗り降りの時は助け合ってキビキビ動いてる。
 でも、今朝は何かの事情で一人で乗って、仲間の補助が無いから苦労してるんだ。

「だいじょうぶですか!?」

 声をかけた時は、もう荷物の端っこを持ち上げている。

「あ、どうもありがとうございます(^○^;)」

「いいえ」

 背負った大荷物を介助をしながらホームに出て……この時代、ホームにエレベーターなんか付いてないから、そのまま改札を出るところまで付き合ってしまう。

「ほんとうに、ありがとうねお嬢ちゃん。電車出ちまったけど、だいじょうぶ?」

「あ、はい、隣の宮之森だし、一本早いのに乗ってたし(^_^;)」

「そう、でもほんとうにありがとうございました」

「は、はい、じゃあ(^_^;)」

 とどめのありがとうが照れくさくって、そのまま宮之森目指して歩き始める。うまく道を拾っていけばいつもの時間に学校に着ける。

 
 ええと……こっちだったかなあ。


 滅多に通らない寿町の路地を進む。見覚えのあるお屋敷の角を曲がって……うん、あの祠を過ぎたら商店街に抜ける道!

 え?

 祠の向こう側、祠の壁に手をついてゼーゼー言ってるジャージ姿にビックリ。

「え、御神楽さん!?」

 バイトの結婚式場以外ではめったに見かけない御神楽さん(じつは須世理姫)が死にそうなくらいにくたびれている。

 文化祭のサポートに来てくれた時以外は外では見かけない御神楽さん。当然巫女服じゃないけど、下と上で紅白のジャージなので雰囲気は巫女さん。

「あ、ああ、地獄でグッチ。ちょっとエネルギーちょうだいね」

「え、あ、だいじょうぶ!?」

「おお、朝から人助けしたね、いつもよりエネルギーが多いよ……あ、ああ、なんとか一息だわぁ」

「あの、どうしたんですか?」

「佐伯さん、生き返らせてたのよ……」

「え……ええ!?」

「ちょっと待って……」

 御神楽さんが手を振ると床几が出てきて、とりあえず祠の横に並んで座る。

「あの子、そんなに切羽詰まっていたわけじゃないのよ」

「そ、そうなの!?」

「いや、理由はあるわよ。人間関係がヘタで、ちょっと孤立はしてたのよ。それが、金原さんが亡くなったのに地味に影響受けちゃっててね」

「あ、ああ……」

 それは、先生やあたしたちも心配していた。こういうのは伝染しやすいって。

「あの子の愛唱歌は『学生時代』なのよ」

「学生時代?」

「ああ、ほら、こんなの……」

 御神楽さんが指を回すと聞いたことのある曲が流れた。

――蔦の絡ま~るチャ~ペルで 祈りを捧げた日~♪――

「これの二番がね――讃美歌を歌いながら清い死を夢見たぁ♪――なのよ」

「えええ、そんなことでぇ!?」

「いや……それが、引き金になったのが文化祭の【ウェディングパラダイス】なのよ」

「え、なんで【ウェディングパラダイス】が原因で死のうと思うんですか!?」

「すてきすぎたのよ」

「え、ええ?」

「グッチたち、めちゃくちゃ楽しそうだったでしょ」

「あ、そりゃもちろん」

「17歳っていえば、人生でいちばん輝いてる歳でしょ。それが女の晴れ着、花嫁衣裳をクラスの女子全員が身に着けて、いっそうキラキラしちゃってさ。まあ、疎外感……人にも言えないで、金原さんのことも記憶に新しいし、飛躍したわけよ……【ウェディングパラダイス】は、わたしも調子に乗っちゃったからね……

「そ……あ……でも、助かったのなら」

「ほかの神さまの力も借りて、黄泉比良坂で待ち受けて、ついさっきこっちまで引き戻してきたとこ」

「そ、そうなんだ……」

「あ……もうちょっとエネルギーくれる?」

「あ、うん、もうちょっとなら」

「じゃあ……」

 しがみついてきたと思ったら、なんだか急速に力を吸いだされる感じ……あ、ちょっ、それ以上は……(;゚Д゚)

 目の前が暗くなってきて……気が付いたら、学校の正門前に倒れていた。



☆彡 主な登場人物
  • 時司 巡(ときつかさ めぐり)   高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
  • 時司 応(こたえ)         巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
  • 滝川                志忠屋のマスター
  • ペコさん              志忠屋のバイト
  • 猫又たち              アイ(MS銀行) マイ(つくも屋) ミー(寿書房)
  • 宮田 博子(ロコ)         2年3組 クラスメート
  • 辻本 たみ子            2年3組 副委員長
  • 高峰 秀夫             2年3組 委員長
  • 吉本 佳奈子            2年3組 保健委員 バレー部
  • 横田 真知子            2年3組 リベラル系女子
  • 加藤 高明(10円男)       留年してる同級生
  • 安倍晴天              陰陽師、安倍晴明の50代目
  • 藤田 勲              2年学年主任
  • 先生たち              花園先生:3組担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀  音楽:峰岸  世界史:吉村先生  教頭先生  倉田(生徒会顧問)  藤野先生(大浜高校)
  • 須之内直美             証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
  • 御神楽采女             結婚式場の巫女 正体は須世理姫 キタマの面倒を見ている
  • 早乙女のお婆ちゃん         三軒隣りのお婆ちゃん
  • 時司 徒 (いたる)         お祖母ちゃんの妹  
  • 妖・魔物              アキラ      
  • その他の生徒たち          滝沢(4組) 栗原(4組) 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長)
  • 灯台守の夫婦            平賀勲 平賀恵  二人とも直美の友人  
  
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魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!50『ポピー畑のドロシー』

2024-11-03 09:14:04 | 不思議の国のアリス
魔法少女なんかじゃねえぞ  これでも悪魔だ  悪魔だけどな(≧▢≦)!
50『ポピー畑のドロシー』 




 
「はやくはやく、こっちだお!」


 着陸するとポピー畑に隠れて見えなくなっちまったけど、ライオンは分かっているみてえで、どんどん走ってマユたちを手招きしやがる。

 そいつは、白地に水色のギンガムチェックにフンワリ半袖のワンピースのツィンテールで、ポピー畑の中で眠ってやがった。

「ドロシー、やっと眠ることができたんだねぇ」

 ライオンは、優しく、そいつの髪をなでやがる。

「こいつ、会ったことがあるぞ」

「ええ!」

 ピョン! ドシン!

 気弱なライオンは、1メートルほど飛び上がって驚きやがる。その振動で、半径2メートルほどのポピーがなぎ倒されたぞ。

「マユシー、ドロシーのこと知ってるの( ゚Д゚)!?」

「白雪姫の庭で会った……そう言えば『ライオンさんを探してる』って言ってたぞ」

「それ、ボクのことだお  。゚(゚´Д`゚)゚。 」

「……でもなあ、この子が探してたのは、勇気を誇りにしているライオンさんだって言ってたぞ」

「ボクは、ドロシーの前では勇気あるライオンで通しているんだお……そうか、ドローシーはボクのことを探してくれていたんだお! 感激だお! ガオーー!」

 泣きながら吼えるライオンて始めて見たぞ(;'∀')。

「あの……」

「な、なんだいマユシー……?」

「こいつのことドロシーって呼んでるけど……こいつ、やっぱり『オズの魔法使い』のドロシーなのか?」

「そ、そうだよ。カンザスからオズの国に家ごと飛ばされて……竜巻でね、そいで、家が東の魔女の真上に落ちて、魔女を殺しちゃったんだお。むろん事故だお。でもでも妹の西の魔女が恨んじゃって……あ、ドロシーが、東の魔女の靴を履いちゃったせいもあるんだけどね。それは、魔女をやっつけたものが受け継いで自動的に履くことになっていたから、ドロシーのせいじゃないんだお」

「知ってるよ。ドロシーはカンザスに帰りたかっただけなんだよな」

「そうだお、そしてオズの魔法使いに頼みに行ったんだお。ほら、あのエメラルドの都まで」

 ポピー畑の向こうに、キラキラ輝くエメラルドの都が見えたぞ。

「……ということは、これからオズの魔法使いに会いにいくところなんだな?」

「もう、オズの魔法使いには会ったお。そしてオズの魔法使いに『西の魔女のホウキを取ってきたら、望みを叶えてやる』って言われてきたところなんだお」

「待てよ……ドロシーがポピー畑で眠っちまうのは、エメラルドの都に行く前に西の魔女の魔法にかけられたからのはずだぞ。それに、かかしとブリキマンがいっしょのはず。それと、犬のトトもいるんじゃねえのか?」

「ドロシーは眠れないんだお……( ノД`)シクシク…」

 ライオンは、またひとしきり泣きやがる。

「えぇと、話が見えてこねえんだけどよ」

「確かに、このポピー畑には、西の魔女の魔法がかかっていて、ボクやトトは眠ってしまったけど、ドロシーは眠らなかったお。かかしとブリキマンは脳みそと心がないから眠りようもないんだけどね。でも、ドロシーは眠らないんだ。一見元気そうに見えるけど、このオズの国に来てから一睡もしていないお。エメラルドの都を出てから心配になってきたんだ。この眠らない元気さは異常だって」

 思い出した、白雪姫のところで会ったドロシー……あの元気さは変だ。

「そう言えば、ちょっと元気すぎる感じがしたなあ」

「エメラルドの都でドクターに診てもらったら重度の不眠症だって……で、睡眠薬や催眠術を試してもらったんだけどね、ちっとも効き目がなくて。ドロシーは『構わないから、先に行こう!』って言うし。それでボクたちは、ドロシーを寝かせるために三人で手分けして、ドロシーを眠らせる方法を探しに行ったんだお。まだ、かかしとブリキマンは戻ってきていないみたいだけど……そうか、そうなんだ! ボクたちの帰りが遅いもんで、ドロシーの方から、ボクたちを探しに行って……そして、探し疲れて、ここで……やっと眠ったんだお」

「それは……ちょっと違う……」

 ポピー畑から、ひどく疲れた声がした。

 振り返ると……誰もいねえ。

「ここだよ……ここ……」

 弱々しく声が続いた。

「だれだ……?」

「足もとを見ろよ……」

「足もとぉ?」

 足もとを見ると、ドロシーの飼い犬のトトが、うなじを垂れてお座り……というより気絶寸前だったぜ!

「トト、口がきけるのかお!?」

 ライオンが驚いた。

「ライオンが喋るんだ、犬だってしゃべるよ……」

「こいつは?」

「小悪魔のマユだ、覚えとけ」
 
「あ……悪魔!?」

「おお」

「ギャーーーーーーーーーーーー!!」

 ライオンは、一気に50メートルほど逃げてしまいやがった。

「あ……」

 マユはあっけにとられた。

「あのバカ……(-_-;)」

 トトは、いっそううなだれた。

 三十分ほど説明して、ようやく小悪魔がこわいものでないことを理解させたけど。マユは少し後悔したぞ。落第の話をしたところでライオンのやつゲラゲラ笑いやがる。

「アハハハハ(˃᷄〇˂᷅ ) マユシー落第したのかお! アハハハハ(˃᷄ꇴ˂᷅ ) マユシー面白いお! アハハハハ(˃᷄▢˂᷅ )」

「ああ、もう、おまえら助けるの止めよぉかなあ……」

「いやあ、メンゴメンゴ」

「だって、時間もなあ……」

 わざとらしく時計を見る。リアル時間で5時間、まだいいか。

「で、話はもどるけど、トト、おまえはなんでそんなにくたびれてやがるんだ?」

 トトは、あぐらをかいて腕組みをした。ひどくオヤジに見えたけど失礼だと思って、笑うのをこらえてやったぞ。

「おまえたちが帰ってくるのが遅いから、ボクが見かねてやったんだよ」

「どうやって?」

「羊を数えてごらんて、ドロシーに言ったんだ」

「そんなことで、ドロシーは眠れたのかぁ?」

「ボクだったら、羊が怖くて、できないけどな」

「ドロシーはやったよ。でも100匹ぐらい数えると、いろいろ考えることが頭に浮かんで、ダメになる……そこで、仕方なくボクがやったんだ」

「おまえが羊を数えたのか?」

「羊になったんだ。ドロシーの周りをグルグル回って、目の前に来たときに数えさせたんだ……で、9999匹目でやっと……おかげで、もうクタクタ。左回りに回ったもんだから、左脚が少し短くなったかも」

「そうか……そこまで、ドロシーのために……」

 ライオンが、また泣きやがる。

「もう泣くなぁ、でかいナリして」

 そうして、ライオンは泣き疲れて、トトはもともと疲れてやがったんで、ドロシーといっしょに眠っちまいやがった。

「しかたねえなあ……」

 マユは、三人が目覚めるのを一人で待つことにした。


 ま、そのうちかかしもブリキマンも戻ってきやがるだろうしな……。


☆彡 主な登場人物
  • マユ       人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
  • 里依紗      マユの同級生
  • 沙耶       マユの同級生
  • 知井子      マユの同級生
  • 指原 るり子   マユの同級生 意地悪なタカビー
  • 雅部 利恵    落ちこぼれ天使 
  • デーモン     マユの先生
  • ルシファー    魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
  • レミ       エルフの王女
  • ミファ      レミの次の依頼人  他に、ジョルジュ(友だち)  ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
  • アニマ      異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
  • 白雪姫
  • 赤ずきん
  • その他のファンタジーキャラ   狼男 赤ずきん 弱虫ライオン トト
  • 黒羽 英二    HIKARIプロのプロデューサー
  • 光 ミツル    ヒカリプロのフィクサー
  • 浅野 拓美    オーディションの受験生
  • 大石 クララ   オーディションの受験生
  • 服部 八重    オーディションの受験生
  • 矢藤 絵萌    オーディションの受験生
  • 片岡先生     マユたちの英語の先生  


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巡(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記・137『屋上の臨時MITAKA』

2024-11-02 11:44:22 | 小説
(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記
137『屋上の臨時MITAKA』   




 予想通り、あくる日は臨時の全校集会。

「昨日未明、二年生の〇〇さんが亡くなられました。一分間の黙とうを捧げます」

「黙祷!」

 サワサワ……

 校長先生の簡単すぎる説明と、若杉先生の発声で静かに黙祷。

 静かに黙祷しても千人以上の生徒がいっせいに黙祷すると音がする。全体としては――サワサワ――なんだけど、姿勢を正したりうな垂れたり、重心を少し移すだけで、けっこうな音になる。

 今朝の集会は体育館。

 たぶん、集会の様子が外に知られないため。

 半年で二回目の自殺。マスコミも学校の近所でも噂になっている。だから、外には漏れないように締め切った体育館でやるんだ。

 6組の列から嗚咽、最初は数人だったけど、黙祷が終わるころにはクラス全体に広がった。

 先生はクラスまでは言ってないけど、6組の〇〇さんなんだと知れてしまう。

「新聞や報道の人たちから話を聞かれるかもしれませんが『質問は学校にしてください』と答えてください。けして、個人では答えないように」

 そう念を押されて全校集会は終わった。


「ねえ、聞こえてるぅ!?」


 真知子がメガホンで聞くと、後ろの方の五六人が手を挙げる。

 よし、なんとかいける。

 緊急のMITAKA(みんなで楽しく語る会)を屋上でやっている。

 二年生を中心に百人近くが集まった。

 ほんとうは学校の施設を使いたかったんだけど許可が下りなかった。中庭でやろうとしたら、これも許可が出ない。「それじゃ、屋上はどうですか?」というロコの提案で屋上になったんだ。

「やっぱりな、学校は生徒を施設利用者としてしか見てないんだ。学校は教育施設で、それに見合った知識と受験技術を教えれば事足りるという抜きがたい姿勢があって、生徒一人一人の心や悩みに沿った教育ができてない。やろうという意思も無いんだ。僕らは、単なる教育施設の利用者じゃない、僕ら生徒は学校の主人公なんだ。その基本を踏まえて、学校の諸々の矛盾や問題を変えていこうという意思と姿勢を明らかにしなければならないと思う!」

「賛成! けっきょくは、二年前に提起された諸矛盾を『流行の学園紛争』と歪曲して封じ込めたことに問題がある」

「もう一度、原点に返って半年で二度目になる自損事件に向き合わなくちゃならない!」

「「「異議なし!」」」

 ああ、三年生が勝手に盛り上がってる(-_-;)。

「すみません、二年生で起ったことですので、まず、二年生から話させてもらえませんか」

 真知子が穏やかに、でも、しっかりした声で発言。

「でも、金原さんは三年だったぞ」

「ですが、まず今回のことから話を始めたいと思います。いいですか?」

 賛成の声があがり、それでも不満そうな三年生は10円男が、ムカついている二年男子は高峰君がなだめに行ってくれる。

「わたしたち、その……佐伯さんが悩んでることにも気が付かなくって……」

 6組の女子がオズオズと、でも、はっきり〇〇さんのことを佐伯さんと呼んで悲しそうに語り始める。

「なんか、文化祭やら進路希望調査のことで、クラスや友だちのことに目がいかなくて……」

「あのぅ、一年なんですけど、いいですか」

「あ、うん、でも、メガホンで話してくれる?」

「あ、はい、すみません、声小さくて(#'∀'#)」

 たみ子がズイっと差し出したメガホンで、オズオズ語る一年生。

 ちょっとかわいい。

「宮之森に来て、ちょっとビックリしたんですけど、うちって朝礼も終礼もないんですよね。朝のチャイムが鳴ったら、なんとなく一時間目が始まって、六時間目のチャイムが鳴ったら、そのまま部活に行ったり帰ったりするじゃないですか。なんか、恥ずかしい話ですけど、クラスの中には、まだ名前と顔の一致しない人が居たりして……」

「ああ、あるある!」「あたしも」「あるよなあ」

「今年の卒業式、自分のクラスの生徒の名前まちがって読んでた教師がいたぞ」

「ああ、岸田と石破!」

「ええ、二人も?」

「うちの教師は薄情だからなあ!」

 ワハハハハ

 三年生が調子に乗って一年生をビビらせる。

「ええ、いまの一年生の話しは大事だと思うんです。人間関係が希薄なところがうちにはあると思うんですが、どうでしょう?」

 真知子が論点を整理し、方向付けをしようとする。

 MITAKAのメンバーや常連さんは、こういう話の流れ方には慣れているので、三年生から横やりが入りつつも、具体的な話がいろいろ出て来た。

「部活に入ろうと顧問のとこ行ったら『担任のハンコ貰ってこい』って言われたんだけど、顧問は担任で、忘れられてたあ」

「〇X先生、テスト返す時出席番号でしか呼ばない」

「友だちに『クラスの〇△に渡しといてくれ』って頼まれて渡しにいったら違う子だった」

「遠足の帰りにおいてけぼりにされた」

「間違えて怒られた」

「加藤、おまえもあるだろ!」

 三年生に言われて10円男が立ち上がる。

「ああ……留年して最初の化学の時間、先生が俺の顔見てギョッとしてた」

「ええ、なんでぇ?」

「俺が留年したの知らなかったんだろうなあ」

「え、加藤は学年で一人だけの落第だっただろーが」

「そうよ、進級判定会議で名前出てるはずよぉ」

「アハハ、忘れられてたんだろーなあ(^_^;)」

 ワハハハハ

 こういう話し合いって、学校やら人を糾弾する傾向があるけど、なんだか和気あいあいとなってしまって、最後は、せっかくだから全員クラスと名前を言って、もう一度佐伯さんに黙祷してお開きにした。

 あ、ひとつ具体的なことが決まった。

 朝礼と終礼をやることを先生たちに申し入れることになった。



☆彡 主な登場人物
  • 時司 巡(ときつかさ めぐり)   高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
  • 時司 応(こたえ)         巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
  • 滝川                志忠屋のマスター
  • ペコさん              志忠屋のバイト
  • 猫又たち              アイ(MS銀行) マイ(つくも屋) ミー(寿書房)
  • 宮田 博子(ロコ)         2年3組 クラスメート
  • 辻本 たみ子            2年3組 副委員長
  • 高峰 秀夫             2年3組 委員長
  • 吉本 佳奈子            2年3組 保健委員 バレー部
  • 横田 真知子            2年3組 リベラル系女子
  • 加藤 高明(10円男)       留年してる同級生
  • 安倍晴天              陰陽師、安倍晴明の50代目
  • 藤田 勲              2年学年主任
  • 先生たち              花園先生:3組担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀  音楽:峰岸  世界史:吉村先生  教頭先生  倉田(生徒会顧問)  藤野先生(大浜高校)
  • 須之内直美             証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
  • 御神楽采女             結婚式場の巫女 正体は須世理姫 キタマの面倒を見ている
  • 早乙女のお婆ちゃん         三軒隣りのお婆ちゃん
  • 時司 徒 (いたる)         お祖母ちゃんの妹  
  • 妖・魔物              アキラ      
  • その他の生徒たち          滝沢(4組) 栗原(4組) 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長)
  • 灯台守の夫婦            平賀勲 平賀恵  二人とも直美の友人  
 
 
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魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!49『そいつは弱虫ライオン』

2024-11-02 08:22:46 | 不思議の国のアリス
魔法少女なんかじゃねえぞ  これでも悪魔だ  悪魔だけどな(≧▢≦)!
49『そいつは弱虫ライオン』 




 ライオンが口をきいた……( ゚Д゚)!?


「キャー、ライオン( >◇<)!」「ウワアアアアアア( >▢<)!」

 ミファが驚くとライオンも驚いて「く」の字の奥の方へ逃げていってしまいやがった!

「大丈夫だってぇ! この子たちは、おまえを助けに来てくれたんだよー」

「ほ、ほんと……( ºωº ; ) ?」

「ほんと」

「ほんとに、ほんと……( º▭º ; ) ?」

「ほんとに、ほんと……だってば!!」

「ウワー(>▢<)……怒鳴らないでお」

 ライオンは、おそるおそる「く」の字の角から顔を出しやがった。

「「「ああ~~( ̄Д ̄;) 」」」

 そろってため息が出ちまった。

 大谷翔平が着ぐるみ着たみてえにガタイはいいんだけど、目も耳もヘタレてるし、短けえ脚は内股だし、右手の親指を口に咥えてやがって。『情けねえ』をテーマにしたコスプレなら一等賞間違いなしって姿だぜぇ。

 もうほっといて帰るしかねえ。こんなのに関わったら、こっちまで情けねえ病に罹っちまう。

 そう思ったら、ミファのやつが一歩前に出やがった!

「わたし、このジョルジュの友だちのミファ……」

 し、仕方ねえ(-_-;)

「マユ……二人の友だちのマユだ」

「ど……どうも、ボク、ライオン。ごめんね、悪いね、情けないライオンで」

「でも、なんで、そんなに元気が無いのよ?」

 ミファは偉ぇよ(^_^;)。

「ど、どうも……ボク頭はいいんだけど、勇気が無くてぇ」

「入り口に、あんな仕掛けしたの、おまえか?」

 ジョルジュが、あきれたように聞いた。

「ああ、うん、えと、奥の方に別の出口があってね、入り口を塞いで、侵入者が驚いているうちに逃げだそうと思って」

「そうとうの怖がりんぼね」

「サンチャゴのライオンとは、かなり違うなあ」

「え、ボクの他にライオンがいるの( ゚Д゚)?」

「あ、おじいちゃんの夢の中にね」

「うらやましいねぇ、夢がみられるほど眠れて……」

「眠れないの、ライオンさん?」

「う、うん、いろいろ心配やら、怖いことが、頭に浮かんできて……」

「羊の数でも数えればいいんじゃね」

「だめだよ!」

「なんでだ!?」

「だって羊が怖いんだもん」

 ああ~~(-△-;)

「ジョルジュ、おめえ、なんでこんなライオンに関わったんだあ(¬_¬) 」

「だって、最初に会ったときは、こんなじゃなかったんだもん」

「あのときは、ハングライダーで降りてきたばかりで、テンションが高かったんだお」

「ハングライダーでやって来たの?」

「うん、たたんで奥の方に隠してあるお」

「で、いってぇ、どういうわけでここに来たんだあ?」
 
 肝心なことを聞いた。

「レミが、ここへ来るように教えてくれたんだお」

「レミがぁ……?」

 悪い予感がしたぞ。そもそもレミは、このファンタジーの世界のゴタゴタにマユを巻き込んだ張本人だからな。

「レミが、ここに来れば、助けてくれる魔法使いがいるって言ったお」

「魔法使いって……」

「北の魔女のブリンダより優しくって、オズの魔法使い……ほど強くはないけど、力になってくれる女の魔法使いがいるって」

 ジョルジュとミファが、ゆっくりとマユの顔を見た。

「それって、ひょっとしてマユのことじゃないのか……?」

「ちょ、指すんじゃねえよ!」

「ちょ、ジョルジュ」

「おお、きみが力になってくれる魔法使い!?」

「ち、違ぇよ!」

「そうだ、レミからプロフ送ってもらってたんだお!」

 腹のポケットからスマホを出しやがる。

「おまえ、ライオンだろ! なんで腹にポケットがあるんだ!」

「母方のお祖母ちゃんがカンガルーだった(^_^;)」

「ふざけんな!」

「ふざけてないよ、ほら、ほらほら、この写真マユだよマユシーだお」

「「あ、ほんとだ!」」

 ミファとジョルジュが正直すぎる反応をしやがって、今度は、ストローハットを飛行機にして空を飛ぶことになっちまった!



「ありがとう、マユシー! やっぱり、レミが言った通り、いい魔法使いだ」

「魔法使いじゃねえし」

「じゃ、魔法少女! 魔法少女マユシー! かっこいい、きまりだお!」

「魔法少女なんかじゃねえ!」

「やさぐれ魔法少女マユシー!」

「やさぐれてねえ!」

「二つ名はカッコいいお」

「いらねえ!」 

 いらんことばっかり言って、なんの用事かは、ライオンは言ってくれなかった。

「来てくれれば分かるお」

 その一言で行く……ほど、マユは、お人好しではない。

「いいかげんに……」という言葉が口をついて、「しやがれ!」という、残り半分の言葉が頭に浮かんだとたん、久々にカチューシャに頭を締めつけられちまった。

 やがて、ストローハットの飛行機は黄色い道を見つけ、その道に沿って、低く飛んだ。

 そして、ポピー畑の真ん中で眠っている女の子を見つけたぞ。

「どこかで、見たような……」

 そう思いながら、マユは、飛行機を、ポピー畑の側の黄色い道に着陸させた。

 


☆彡 主な登場人物
  • マユ       人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
  • 里依紗      マユの同級生
  • 沙耶       マユの同級生
  • 知井子      マユの同級生
  • 指原 るり子   マユの同級生 意地悪なタカビー
  • 雅部 利恵    落ちこぼれ天使 
  • デーモン     マユの先生
  • ルシファー    魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
  • レミ       エルフの王女
  • ミファ      レミの次の依頼人  他に、ジョルジュ(友だち)  ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
  • アニマ      異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
  • 白雪姫
  • 赤ずきん
  • 狼男
  • 黒羽 英二    HIKARIプロのプロデューサー
  • 光 ミツル    ヒカリプロのフィクサー
  • 浅野 拓美    オーディションの受験生
  • 大石 クララ   オーディションの受験生
  • 服部 八重    オーディションの受験生
  • 矢藤 絵萌    オーディションの受験生
  • 片岡先生     マユたちの英語の先生  
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巡(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記・136『緊急にHRが中止になった!』

2024-11-01 12:50:05 | 小説
(めぐり)・型落ち魔法少女の通学日記
136『緊急にHRが中止になった!』   




 連絡します連絡します、本日6限のホームルームは中止、本日6限のホームルームは中止、部活等も中止、生徒諸君は5限終了後ただちに下校するように。5限終了後ただちに下校するように。


 お財布を掴んで学食に行こうと階段を下りかけたところで生指部長の若杉先生の放送が入った。

 いつもなら放送部の『宮之森アフタヌーン♪』がのんびり始まる時間なので、みんな――なにかあったな――という気持ちになりながらも、良くも悪くも羊の群れみたく穏やかにランチタイムに移って行った。

 学食でもランチの列に間に合おうという熱気はあったけど、ことさら若杉先生の放送について話題にする声は聞こえなかった。

「ねえねえ、新聞社の車が正門の前に並んでますよ!」

 ロコが目を輝かせてランチのトレーを置く。いつものことだけど『情報屋ロコ』は早耳頭巾だ。

「なにぃ穏やかじゃないわね」

 メンチカツにソースをかけながらのたみ子も、みんなのお茶を淹れている真知子も、やっと席に着いたわたしも、動きは停めないけども聞く態勢になっている。

「それがですねぇ……」

 ロコの話の中身に、四人は動きが停まってしまう。

「ええ、またぁ!?」

 たみ子が声を上げるけど、真知子が――あとでね――という目配せをして、とりあえずAランチやBランチをかっこむ。

 
 南館とグラウンドの間、文化祭で【ウェディングパラダイス】をやった雛壇に腰掛ける。教室では憚られるし、中庭も人が多いからね。

「二年の女子だそうです」

 ここに来るまでに、また自殺した子が出たというところまでは分かった。

 なんせ、学食の窓からでも見えるところにA新聞の車が停まっているのが分かる。学食の噂話からもA新聞の他にもMやYやS新聞がズラッと並んでいて、教頭先生と若杉先生が――生徒が動揺するから学校の周囲に停めないでくれ――と苦情を言いに行ってるのが見えた。

 さすがに新聞社の車は校内からは見えないところに移動したみたいだけど、やっぱり――たいへんなことが起こったんだ――という空気は隠せない。

 入学以来、生徒が亡くなるのは三件目だ。

 一年の時の栗原さん、この六月には三年の金原さん、そして今度の二年生の女子。去年の栗原さんは病気だったけど、今年は自殺が続いている。

「いえ、実はもう一件」

「「「ええ!?」」」

「実は、夏休み中に一年の男子が……これは未遂だったらしいですけど」

「はあぁ、そりゃあ新聞社も来るはずだぁ」

「「「…………」」」

 真知子がため息ついて四人は言葉が無くなってしまう。


 タタタタタ


 グラウンドへのスロープを佳奈子が部室に駆けていく。

 放課後の部活ができなくなったので、調整とかがあるんだ。部室棟の前には見覚えのある運動部の部長たちが集まり始めていた。

 
 けっきょく、この日はマスコミや教育委員会、PTAなんかの対応と職員会議で先生たちは大変みたいだった。

 おそらく、明日は臨時の全校集会で黙祷。

 多少の事情説明はあるかもだけど、あたしたちもMITAKAとかで話し合ってみようということになった。



☆彡 主な登場人物
  • 時司 巡(ときつかさ めぐり)   高校2年生 友だちにはグッチと呼ばれる
  • 時司 応(こたえ)         巡の祖母 定年退職後の再任用も終わった魔法少女 時々姉の選(すぐり)になる
  • 滝川                志忠屋のマスター
  • ペコさん              志忠屋のバイト
  • 猫又たち              アイ(MS銀行) マイ(つくも屋) ミー(寿書房)
  • 宮田 博子(ロコ)         2年3組 クラスメート
  • 辻本 たみ子            2年3組 副委員長
  • 高峰 秀夫             2年3組 委員長
  • 吉本 佳奈子            2年3組 保健委員 バレー部
  • 横田 真知子            2年3組 リベラル系女子
  • 加藤 高明(10円男)       留年してる同級生
  • 安倍晴天              陰陽師、安倍晴明の50代目
  • 藤田 勲              2年学年主任
  • 先生たち              花園先生:3組担任 グラマー:妹尾 現国:杉野 若杉:生指部長 体育:伊藤 水泳:宇賀  音楽:峰岸  世界史:吉村先生  教頭先生  倉田(生徒会顧問)  藤野先生(大浜高校)
  • 須之内直美             証明写真を撮ってもらった写真館のおねえさん。
  • 御神楽采女             結婚式場の巫女 正体は須世理姫 キタマの面倒を見ている
  • 早乙女のお婆ちゃん         三軒隣りのお婆ちゃん
  • 時司 徒 (いたる)         お祖母ちゃんの妹  
  • 妖・魔物              アキラ      
  • その他の生徒たち          滝沢(4組) 栗原(4組) 牧内千秋(演劇部 8組) 明智玉子(生徒会長)
  • 灯台守の夫婦            平賀勲 平賀恵  二人とも直美の友人  
 
 
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魔法少女なんかじゃねえぞ これでも悪魔だ 小悪魔だけどな(≧▢≦)!48『もうひとつ別のライオン』

2024-11-01 06:45:41 | 不思議の国のアリス
魔法少女なんかじゃねえぞ  これでも悪魔だ  悪魔だけどな(≧▢≦)!
48『もうひとつ別のライオン』 





 ノドチンコむき出しで叫んでやがったのは新聞配達のジョルジュだ。

「どうしたの、ジョルジュ!?」

「大変なものに出くわしてしまった……あ、こっちこっち!」

 ハタハタと手を振ってジョルジュはミファとマユを道路脇の大きな岩陰に連れて行きやがった。

「いったいなによ、なにがあったのよ!?」

「いいか、いいか、驚くなよ……」

「シッ……!」

 息を整えながら話を続けようとしたジョルジュをマユは制止した。

 岩の向こうの道を町長が歩いてくるのが見えたんでな。

 道は、岩のところで曲がっていて後ろから来た町長は気づいちゃいねえ。いつもの町長なら、目の前を歩いていた二人の姿が見えなくなれば「おかしい」ぐらいは思うだろうけど、この時は気づきもしなかった。それほどサンチャゴとライオンのショックが大きかったんだ。


 町長の気配が完全に無くなるまで息をひそめ、さらに三つ数えてからジョルジュは話し出した。


「さっき、ライオンに遭ってしまった……(-_-;)」

「「え!?」」

「新聞を配達し終えて、家に……帰ろうとしたんだ、そして北……の、町はずれのイガイガ林の……ところまで来た……ら……オレの上……上を、大きな影がよぎったんだ……」

「あの(……)のとこは、人目を気にしてるんだろうけど、分かりにくいから」

「とりあえず、イガイガ林まで行って話してくれる。ただでもお喋りなあたしたちが、人前で黙り込んじゃ、かえって怪しまれるわよ」

「それもそうだ」

 ということで、イガイガ林に着くまで、三人はバカ話ばかりした。おかげで、マユのこともジョルジュは自然に理解した。年頃の少年や少女は改まった話は苦手だ、バカ話の中で話したほうが、お互いに通じやすい。

「ところでよ、マユは悪魔なんだ(^▭^;)」

 話の途中で正体をバラす。いっしゅんビックリだったけどミファが「小悪魔なんだけどね」と付け加えると「そ、そうか小悪魔なんだ(^△^;)」と、半分ビビッて半分親しみのこもった笑顔になりやがる。まあ、正直でいいけどな。

 薮を三つ、小川を一つ越えるとイガイガ林の前に出て来た。

「で、ライオンはどうした? どこにいやがるんだ?」

「林の、あるところに閉じこめてある……」

「ジョルジュが、閉じこめたの!?」

「あ、ああ、町に出られちゃ大騒ぎだからさ。オレだってやるときゃやるよ!」

「で、どこに閉じ込めたんだ?」

「こ……ここ(''◇'')」

 ジョルジュはカチコチになって目の前の薮を指差しやがった。

 そこは一見薮に見えたけど、それは木の枝を切り積み重ねたカモフラージュだ。三人でカモフラージュの薮をどけると岩肌が現われて、そこには人一人ががやっと通れるくれえの割れ目が開いていたぞ。

 割れ目の奥から気配がした……たぶんライオンの気配……でも、サンチャゴじいちゃんのライオンの気配とは違っていたぞ。

 ちょっと暗い……マユは魔法で明るくしてみた。

 割れ目の中は意外と広く、奥の方で「く」の字に曲がっているようで、気配は曲がった「く」の字の奥の方からしてきやがる。

 マユを先頭に、ゆっくりと奥に進んでいくと、後ろの方で、ガラガラガラと大きな音がした。

 ウワーーー( >Д<)!!

 崩れてきた岩で入り口がふさがれてしまった。

 ミファとジョルジュは思わず抱き合ってしまってやがる。

「おめえたち、友だち以上の仲なのかあ」

「あ……思わずよ、思わず。手近にいたから!」

「そ、そうだよ(^O^;)!」

「ま、どうでもいいけど……先に進もうか」

「「あ、うん((''◇''))!」」

 マユは、今のが(二人が抱き合ったことじゃなく、岩が崩れたこと)ライオンの仕業であることに気づいていたぞ。

 気配はいきなり「く」の字の角を曲がって現れた。

 それは身の丈二メートルは超えるライオンだった!

 ん……身の丈?

 そう、ライオンは二本の足で立っていやがった!


「やあ、わざわざすまないね」


 そのライオンが口をきいた……!?



☆彡 主な登場人物
  • マユ       人間界で補習中の小悪魔 聖城学院
  • 里依紗      マユの同級生
  • 沙耶       マユの同級生
  • 知井子      マユの同級生
  • 指原 るり子   マユの同級生 意地悪なタカビー
  • 雅部 利恵    落ちこぼれ天使 
  • デーモン     マユの先生
  • ルシファー    魔王、悪魔学校の校長 サタンと呼ばれることもある
  • レミ       エルフの王女
  • ミファ      レミの次の依頼人  他に、ジョルジュ(友だち)  ベア(飲み屋の女主人) サンチャゴ(老人の漁師)
  • アニマ      異世界の王子(アニマ・モラトミアム・フォン・ゲッチンゲン)
  • 白雪姫
  • 赤ずきん
  • 狼男
  • 黒羽 英二    HIKARIプロのプロデューサー
  • 光 ミツル    ヒカリプロのフィクサー
  • 浅野 拓美    オーディションの受験生
  • 大石 クララ   オーディションの受験生
  • 服部 八重    オーディションの受験生
  • 矢藤 絵萌    オーディションの受験生
  • 片岡先生     マユたちの英語の先生  





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