つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

2025年01月29日 | 福井良之助展
おかげさまで本日も店を開けさせていただいております。

昨夜はよく眠れたのですが、その分寝ている姿勢が長かったせいか、今日もふとした動作で腰が痛みます。

幸い、昨日も今日もお客様が順にお立ち寄りくださり、楽しくお話をさせていただけておりますので、腰のことはすっかり忘れることができ、大変助かっていますが、無理をせず過ごさせていただこうと思います。

そういえば、昨日は男性のお客様を捕まえて、額を移動していただいたり、箱から出していただいたり。。大変お世話をおかけしてしまいました。すごく気を遣っているようで、凄く図々しいのが私です。どうぞぎっくり腰に免じお許しください。




さて、昨日の記事のトップに選ばせていただいた画像のこちらの作品は「冬」というサムホールの作品です。

冬というタイトルでも、こちらは雪景色ではありませんが、ブルーが効いてとても素敵な小品だと思っています。私はやはり福井のブルーが好きなのだと思います。


「冬」 サムホール ☆



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お騒がせしました

2025年01月28日 | 福井良之助展
朝からお騒がせを致しました。

朝起きてみますと、昨日より案外体が動くのがわかりましたので、先ほどタクシーに乗って店に出て参りました。ぎっくり腰、大騒ぎをして申し訳ございませんでした。

19さん、コメント嬉しかったです。あれから動くようになった気がします。
淋しさとか、不安とか、痛さを倍増させますね。
本当にありがとうございました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

静物画

2025年01月26日 | 福井良之助展
思えばまだ静物画は慈姑の一点しかご紹介しておりませんので、こちらでご覧いただこうと思います。

雪景色以外の作品はほとんどを応接室に飾らせていただきました。静物画のバッグ、つまり福井の描く背景は応接室の土壁と同じような色が多くなり、絵が沈んでしまうのではないか?と最初は心配しましたが、どうやらその同系色の壁が良い効果を生んでいるようで「雪景色もとても良いけれど、応接室の作品に作家の魂をぐっと強く感じました」とおっしゃってくださったお客様もいらしてくださり驚きました。確かに皆様応接室にいらっしゃる時間が長くていらっしゃる気がいたします。







画家自身が述べているように、福井が静物画に託しているのは形が帰っていくところ、或いは形が生まれ出てくるところ。










特にこの「花菱草」という作品は、背景からぼぉーと「花菱草」(カルフォルニアポピー)の花ビラが浮き出てくるような印象を受けます。

福井は孔版画にもよく虞美人草(ヒナゲシ、ポピー)などケシ科の花をモチーフにしますが、それらのタイトルに「風」とつけたりしていますので、もしかしたらこの花に「風になびきながら生まれ出でる、風に吹かれながら土に帰る」そんなイメージを持っていたのかもしれません。

出来ましたら、少し光を当ててあげると作品がグッと引き立ち、いよいよ上品に感じられますので、そういった場所にお飾りいただけたらますますお楽しみいただける作品ではないかと考えています。










「柿」はご覧いただく通りの作品です。サムホールのサイズといい、この余白、背景の処理といい、いかにも福井良之助らしい作品だと思います。ご案内の葉書にも使わせていただきました。ご覧いただきますように柿の影に大変薄いブルー?水色?が使われているのが特徴的です。




明日はお休みを頂戴し、火曜日よりまた展覧会をご覧いただけるようにいたします。
変わらずインフルエンザやコロナの感染が広がっているようです。
私も十分に気をつけさせていただきますが、皆様もどうぞご自愛のほどお願い申し上げます。
また当店にお通いくださるお医者さまがたもお障りなく明日からの1週間をお過ごしくださいますようお祈りいたします。

今週もお付き合いいただきありがとうございました。




「花菱草」 8F   ☆
「柿」 SM  東美鑑 ☆
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日曜日

2025年01月26日 | 福井良之助展
展覧会中は月曜日のみお休みをいただいておりますので、今日も店に出てきております。

が、昨日に増して人通りの少ない日曜日。
こうなったら、のんびりブログを書かせていただこうと午前中からはりきったものの、完成し「公開!」ボタンをクリックしたつもりが~自分の携帯で確認したところ公開されておらず~慌ててパソコンを開くと1時間以上かけて書いた記事はどこにも見当たらず消えてしまっていました。

今年になってこういうことばかり何回続いているのでしょうか?
10年以上つづけていて、初めてブログのお引越しも考えましたが、それも大変な作業であるのはわかっているので「記事が消えてしまうのは、皆様にお読みいただけるような内容ではなかったから」と諦め諦め続けてきてしまっています。

仕方なく、少し手間はかかりますが息子に教えて貰ったように一度Wordに記事を書いてそれを添付させていただく方法に切り替えてみようと思います。

また記事がなくならないように早速作品のご紹介を続けさせていただきますね。


10Ⅿ 雪景 東美鑑


中央に大きな建物を置く構図は珍しく、また実際描くのも難しいのではないかと思いますが、細かいところにまで雪の白を描き込んで画面全体の静寂を保っている、そんな高度で不思議な作品です。


同じ雪景色ばかりが並んでいても、例えば描かれた空気の、温度も湿度はすべて違って感じられ、例えば静寂の、除夜の鐘の音色が時の経つのに従って違って聞こえるように、静けさのリズムがみな違っていて、その感じ分けで自分の好きな「生き方の深浅、明暗、」までもがわかるような気がしてまいります。

「人物も、静物も風景も、結局全部人間を描いてきたつもりだ」という福井の言葉そのものを今強く感じています。



6M 雪景  東美鑑


煙突のところどころの赤が、作品に可愛らしさの演出を加えていますが、決して甘くならずかえって品よく温かく感じさせるのは、描く家の数を少なく、そして家と家との距離をとって「雪に埋もれたくらし」を私達に想起させるからだろうと思います。画面一番下の描写は水面でしょうか?雪の屋根がぼんやりと映っています。

つづく



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初日

2025年01月25日 | 福井良之助展
どんな作家のどんな展覧会でも、初日を迎えるときの緊張感は特別です。

心のどこかで、お店の前に何人かのお客様が開店をお持ちくださっていたらどうしましょう?と人気ラーメン店への憧れ的なことを思いながら出社します^^;


喫茶店とか、ラーメン屋さんのようなお仕事は私の体力では務まらないと重々承知していますが、一日決まった数のご来客のあるお仕事にどこかで憧れをもってしまうのがこのお仕事の弱みだろうなぁと感じます。


さて、今日の名古屋は快晴で温かな一日になりそうです。
土曜日は人通りも少なく、いつもは来客0という事も多くありますが、今日は早速前をお通りの方が「とても素敵なショーウィンドウだったので思わず入ってきてしまいました」とお立ち寄りくださいました。

そんな嬉しいお言葉を頼りに、福井の作品を見ながら、画集を覗いたり、ブログを書かせていただきながら、今日、明日はのんびりと過ごさせていただこうと思っています。




ギャラリーの作品についてご紹介を始めさせていただきますね。


10M 雪の聚落 東美鑑 


雪をかぶった家並みの上にはおそらく雲でなく、雪に覆われた稜線が描かれていると思うのですが、その優しさと美しさにひときわ心を奪われるのは、この画面の半分以上を覆う一面の雪の描写の確かさの為であると思えます。

福井は雪景色を描きながら、果たして雪が描きたかったのか?家々の暮らしを描きたかったのか?空を描きたかったのか?

「わからない」

その「わからない」の画家こそが福井であるように思えて仕方ありません。何点かある雪景色のなかでも趣の深い作品です。額は少し重たいのですが、この絵にぴったりの重厚感があります。(京都大地堂製かなと教えていただきました)


10Ⅿ 風景

う~ん、この作品は残念ながら画像では作品の可愛らしさと品の良さをお伝えできません。色彩のとても温かな作品で、屋根の下には人でなく小さな動物たちが住んでいるのではないかしら?と思えてしまいます。額は弥栄さんがお付けになられました。軽く、またその色調も抜群に絵に合っているなぁと思っていましたら、なるほど~エンドウさん製だそうです。






キャンバスむき出しのまま、カウンターに飾らせていただきましたのは、「くわい」を描いた作品です。今のところぴったりの額がないのでとお聞きしましたが、絵が素敵すぎて額なしの方がいいかも?と思えました。

余談ですが、「くわい」って「慈姑」と書くのですね。
勿論中国から日本に既に8世紀くらいにに伝わっていたらしいのですが、面白いことに中国で食される慈姑の種類ではなく、日本では青慈姑という種類が好まれているそうです。確かに福井の描く慈姑も青いのです。

オモダカ科であるのにも驚き、どうやって実がなるのかしら?調べてみると




水中、或いは湿地でこのように収穫されるようです。
私達が食すのは塊茎(かいめい)という部分だそうです。



今回くわいを描いた作品は2点ありますが、こちらは6号サイズの作品で
キャンバス裏には「恭子ノ為ノ静物 1966年1月」と書かれています。

先日もご紹介しましたが、略歴によるとこれを描いた10年ほど前に福井はこの恭子さんと結婚をしています。またこの作品は福井の1973年までの初期画集にも掲載され、そちらでは「五つの実」とタイトルがついています。

先日ご来店のお客様が、すでに色々な作品をお持ちの方ですが「福井ってこんな作家だったのですねぇ」と感動してくださり、結局この作品にお約束をくださいました。

くわいを描いた作品がここに二点あるということの意味を短い時間にお感じいただけましたことが大変嬉しく感じられました。くわいはとても大人の絵だと思っています。

さて、午後からはブログを書かせていただくことが出来ないほど忙しくなるでしょうか?無理かな?

更新をどうぞ、お楽しみにお待ちください。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする