年末にお手紙を差し上げると、画家の卵さんが今日、薫の作品をご覧になりにいらっしゃいました。
柿をずーーーーっとご覧になっているので、佐橋が鳥もご覧に入れると、そちらもずーーーーーー
っとご覧になってくださいました。
しばらく経ってから、私が「如何ですか?」とお聞きすると、
「感動しました。近くでみると淡く、とても都会的で現代的なのに、遠くから見ると柿の一つ一つの存在感に圧倒される。見たものを描いているのではなくて、感じたことを全て感じた通りに描いている。何一つ、無駄がなく、何一つ妥協がない。凄い感性です。空間に境界線を入れるような縦の線は、普通怖くて引けないです。」
とおっしゃってくださいました。
「今の絵具はとてもよく出来ていて、滑らかで、繊細な色もあるけれど、当時の絵具は多分、今のように便利ではなくて、すべての色を自分で作っていくと思うんです。ずっと見ていても、どうやって作っているか僕にもわからない部分も多いですが、鈍い色を作ってここまで透明感を出せるのは凄いなぁと思います。」と教えてくださいました。
画商が店舗を持つ事が少なくなりました。
絵を売るという事を考えると店舗を持つことは無駄が多いと判断する時代なのかもしれません。
確かに常に店を開くというのは大変なことです。
きっとこの方は私が話しかけなければ、私たちが他の仕事をしている間もずーーと絵を見て、
何もおっしゃらずに帰っていかれただろうと思います。
絵を見るということはそういうものだと思い、今年も頑張って店を開き続けようと思いました。
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