朝の寒さにお布団の中でぐずぐずしていると起きるのが遅くなり、あっという間に1日が終わってしまうように、
展覧会の会期も、どんどん終わりに近づいてきてしまいましたので、連休中に伺った展覧会を慌ててご紹介をさせていただきます。
19日日曜日までの三重県立美術館さんの関根正二展には、この「少年」を見に行きました。
大正6年、関根18歳の作品です。
この無骨な坊主頭と花を捧げ持つ指の繊細さと紅いほっぺ、赤い花びら。
この作品が、関根正二の全てを物語っているように思えます。
同じ夭折の画家、村山槐多の作品に暴力的なものを感じるとき、
関根には、恋する男の無垢の悲しみが常に付き纏う気が致します。
「夜空の星が怖い」と言っていた子供の頃と同じように、彼の優しく素直な心は
画家としての資質に溢れていたように感じるのです。
伊藤深水、安井曾太郎、出会い、影響を受けた画家たちの品位も汲みながら
関根の残した仕事はかなり大きなものだったのではないかと今回は特に思えました。
絵を描き始めた16、7歳の頃からすでに色々見えていて、
19歳、神と人間の間に深く埋もれ消えていった画家。
生誕120年・没後100年 関根正二展
はこのあと、2月より神奈川県立近代美術館 鎌倉別館さんに巡回いたします。
ご興味をお持ちくださいました方は是非お出かけくださいませ。
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