あるきメデス

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別府・黒川温泉と錦秋の九州紅葉美の旅③ 菊池渓谷、九年庵を観光後、福岡空港から帰途へ(熊本・佐賀)

2019-02-18 16:43:23 | 国内旅行
 第3日 2018年11月22日(水) 
 == 菊池渓谷、九年庵を観光後 福岡空港から羽田空港へ ==

 熊本県南小国町の黒川温泉の宿、深山山荘にて6時30分に起床した。昨夜は夕食後雨
になったが朝までには上がり、周囲は濃い霧に包まれている。


 7時30分から別棟「山みず木」で懐石料理をいただく。窓からは間近に紅葉の木々が
望まれた。


 バスは9時ちょうどに深山山荘を出発して、今日最初の観光地・菊池渓谷に向かう。途
中雨が少しパラつくが間もなく止んだ。

 昨日のコースを逆行、国道422号線西進して小国町の中心部に入り、国道212号線
を南下して大観峰近くまで進む。


 県道45号・菊池阿蘇スカイラインを西進して、9時55分に菊池渓谷の第1駐車場に
着いた。気温は7℃を示し寒い。

 菊池渓谷は熊本県菊池市の市街地の東約17㎞にあり、阿蘇外輪山北西部の標高500
m~800mに位置し、1,193haの広大な“憩いの森”のよう。

 菊池川の源をなす菊池渓谷は、うっそうとした天然性紅葉樹で覆われ、その間を縫う流
れは大小様々な瀬と渕と滝をつくり、変化に富む渓流と美しい森林がおりなす景観は、
「日本森林浴百選」「日本名水百選」「日本の滝百選」「水源の森百選」「くまもと緑の
百選」「熊本の自然百選」「新くまもと百景」に選ばれているという。


 200mほど左岸沿いを歩いて入口のゲートを入り、最初の吊り橋のところまで行く。

 あとはフリータイムとなり、11時までに駐車場に戻ることになった。だが、ほとんど
の人はガイドの石神さんに従って橋を渡り、右岸沿いの遊歩道を上流へと進む。



 苔(こけ)むす岩の間の複雑な流れや轟音を立てて激しく落ちる滝などを眺めながら、
うっそうと覆われた広葉樹林下の緩やかなアップダウンの続く道を行く。少し先には、江
戸時代の文政6(1823)年頃植えられたという杉が増えてきた。



 

 ゴロゴロとした石ころの多い流れを見ながら遊歩道をさらに進み、次の橋際に出た。そ
の先まで行くと時間がなくなりそうなので橋を渡り、左岸沿いの遊歩道を折り返すことに
する。
          
 橋の上から、上流の小さい滝や下流の静かな流れを眺めた。
     


 左岸に回ると『「名水百選」認定書』が岩に埋め込まれていた。左岸の遊歩道は、少し
高みから流れを見下ろし緩やかに下っている。




          
 幾つかの滝や激しい流れを見ながら進み、周辺のうっそうとした広葉樹林も眺める。
          


 往路で渡った朱塗りの橋の横まで戻り、そばの展望所からもう一度流れを見下ろす。傍
らの売店にも入ってから第1駐車場に戻った。




 皆さん早めに戻ったので、バスは10時57分に菊池渓谷を後にした。


 西進して国道387号線に入り、菊池市の中心街を抜けて南西に進んで九州自動車道へ。


 折り返すように北北西に向かい、菊水ICで九州自動車道を出て、近くの熊本県和水町
(なごみまち)にある道の駅「きくすいの里」に11時48分に着いた。



 ここが今日の昼食地で、広い食堂で「あか牛とあそび豚付せいろ御膳」というメニュー
の昼食をした。食事を済ませて道の駅の中の植え込みなど眺める。




     
 ちなみに和水町は、2019年のNHK大河ドラマ「いだてん」の主人公のひとり金栗
四三(かなくりしそう)の出身地。売店には「いだてん」のポスターが掲示されていた。
          

 道の駅「きくすいの里」を12時48分に出発した。菊水ICから九州自動車道に戻っ
て北へ、佐賀県に入りさらに北上する。一昨日に通過した鳥栖JCで大分自動車道とは反
対に左折して長崎自動車道を西へ、13.6㎞先の東背振(ひがしせふり)ICで長崎自
動車道から出た。

 東脊振ICは吉野ヶ里(よしのがり)遺跡で知られる吉野ヶ里町にある。添乗員の馬場
崎さんは隣の神埼市の出身で、幼少の頃、まだ遺跡と確認される前の吉野ヶ里の原野で遊
び、土器のかけらなど見つけたことがあるとか。

 祖父は吉野ヶ里に山林を持っていたが、国史跡指定前の道路造りの際に二束三文の値で
手放してしまい、祖母はこれから行く九年庵近くに現在もお住まいという。

 今回最後の観光地である九年庵(くねんあん)は、吉野ヶ里町の西の神埼市(かんざき
し)にある。

 東脊振ICを出て北西へ、13時48分に近くの仁比山公園のバス駐車場に到着した。

 そばの城原川の橋を渡って左岸に回ると、広場にテントが幾つも張られ観光案内や土産
店などが並ぶ。


 その横を、上流になる北への細道を進んで仁比山(にいやま)神社の石鳥居と山門の横
を通過する。



 沿道には飲食店のテントが並び、たくさんの観光客で賑わう。右手に佐賀県史跡「伊藤
玄朴旧宅」があるが、帰路に寄ることにして過ぎる。

 さらに緩やかな上り道を進んで国名勝「九年庵」入口に着いた。

 九年庵は、佐賀の大実業家、伊丹弥太郎が明治25(1892)年に造った別荘と、明
治33(1900)年から9年の歳月をかけて築いた6,800㎡の庭園からなる。

 別荘は入母屋(いりもや)の屋根に土壁、竹格子の連小窓や濡縁など、野趣に富む外観
を持ち、茶室と書院の様式を折衷した近世和風の数奇屋建築とのこと。

 広い庭園にはたくさんのツツジやモミジ類などが植えられ、四季折々に美しい景色を描
き出しているという。

 毎年春の新緑の時期と秋の紅葉の時期に一般公開していて、この秋は11月15日(木)
~11月23日(金・祝)の9日間で、今回のツアーもこの期間中に限られている。


 門を入ると、回遊式庭園のそちこちに見頃のモミジが彩りを競う。
     






 少しずつ石段を上がり、かやぶき屋根の別荘前まで行き、趣ある内部も拝観する。




 庭園に敷き詰められたこけには、モミジの落ち葉がたくさん積もっていた。
    


 数知れぬモミジの饗宴を眺めながら進んで、別荘の裏手から九年庵を出た。


     
 その先の斜面もモミジが続き、仁比山神社境内へ。
     
 神埼市天然記念物の「仁比神社のクスノキ」の横を進んで東に回り、石段上に拝殿が祭
られている。 
     
 仁比山神社は、天平7(729)年に京都の松尾大社の分霊を祭った松尾明神を創始と
し、承和11(844)年に慈覚大師が唐から帰朝の際、土中から額を発見して朝廷に献
上し、時の仁明天皇が朝廷の祈願所とし、仁明天皇の仁と比叡山の比山とで仁比山とした
といわれる古社。

 古くから農業の神、山の神として崇敬され、山王さんの名で親しまれているという。

     
 この境内もモミジの紅葉が見頃で、境内には出店もあり多くの人が訪れていた。
          

   

 すぐ下には、九州西国観音霊場第20番札所という仁比山地蔵院があり、千手観音堂が
11月15日から24日まで特別御開扉されていたので、立ち寄り参拝する。




 そろそろバス駐車場に戻ることにした。近在の福岡の八女茶(やめちゃ)を並べた店の
前を過ぎ、少し下るとしょうが湯や甘酒などの店↓があったので入り、少し冷えてきたの
で温かい甘酒をいただき小休止する。


 有田焼の湯吞みや茶碗を並べて店もあり、さらに下って往路は通過した佐賀県史跡でモ
ミジも多い伊藤玄朴(いとうげんぼく)旧宅に立ち寄る。

 伊藤玄朴は寛政12(1800)年の生まれ。幼少から医学を学んで開業後、佐賀城下
の蘭方医、島本良順に入門し、さらに良順の勧めで長崎で蘭学を学んだ後、ドイツ医師シ
ーボルトの塾で学んでいるとか。
         
 26歳で江戸に出て、当時流行したジフテリアの治療で名声を高め、天保4(1833)
年には蘭学塾「象先堂」を開設して人材育成に努め、幕末から明治期に活躍する人材を多
数輩出したようだ。

 安政5(1858)年、将軍の奥医師となり徳川家定の脚気を治し、文久3(1863)
年には家茂の妻・和宮や家定の妻だった篤姫など多くの人を治療したとか。

 さらに、当時流行した天然痘予防のために種痘の必要性を感じ、外国から牛痘苗を取り
入れ、これを機に全国に種痘が広まったとされているよう。

 玄朴が他の蘭方医などと設立したお玉が池種痘所は、のちに東大医学部の前身となった
という。

 
 邸内の紅葉を眺めたり、旧宅内部を拝観したりして伊藤玄朴旧宅を出た。さらに下って、
先ほどより賑わう仁比山神社山門前を通過する。


 橋の上から周辺の紅葉や流れを眺めたりして、仁比山公園に戻った。

 バスは15時16分に出発して福岡市内へと向かう。東背振ICから鳥栖JCまで長崎
自動車道を東へと戻り、九州自動車道に入って北進し、初日の観光地太宰府市を通過する。

 最後の立ち寄り先、福岡市博多区月隈の「博多はねや総本家」に15時59分に着いた。
「福岡観光会館はかた」が3年前にリニューアル移転したところとか。

 30分間の買い物タイムとなり、福岡県内の土産物を各々が求めた。


 16時30分に出発し、博多駅の東側2㎞ほどにある福岡空港に10分ほどで着いた。
3日間お世話になった祐徳バスのドライバー松尾さん、巡った観光地だけでなく通過する
市や町などの詳細な情報もたくさん紹介してくれたガイドの石神さんにお礼を申し上げて
分かれる。


 添乗員の佐々木さんから搭乗券を受け取り、荷物検査を済ませて6番搭乗口に向かう。
搭乗まで時間があるので博多ラーメンの店に入って夕食をする。
     

 18時35分発羽田空港行きANA266便は、少し遅れて19時13分に福岡空港を
離陸した。

 機種は往路同様の大型機、B777-300型機(514人乗り)だが、搭乗者が座席
数を超えたようで、搭乗開始前、後便で帰る人には1万円提供するとかで募集のアナウン
スがあった。

 羽田空港には到着予定の20時15分より5分遅れの20時20分に到着した。第2タ
ーミナル21時05分発所沢駅東口行き空港バスに乗り、帰路につく。

                         (天気 晴、歩数 15,100)





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