あなた
今日も如月のキリッとした天気
そのキラキラした陽気に誘われるように
古の本を引っぱりだし繙いてみる
平家物語
祇王祇女という姉妹の物語
清盛は祇王を寵愛しました。妹の祇女は世にもてはやされます。
清盛は姉妹の母のとぢのために屋敷を造り与えました。
祇王の隆盛を見て、うらやむ者もあり、ねたむ者もありました。
うらやむ者は「あなめでたの祇王御前の幸いや、同じ遊女とならば、誰も皆あの様でこそ
ありたけれ」と言い、ある者は祇一と名前をつけ、ある者は祇二、祇副、祇徳と名のりました。
「栄華は前世からの宿命でしかない」と、名前には目もくれない者も多かったようです。
長いお話
しかしこの栄華も長くはつづかい
そう
『 祇園精舎の鐘の聲、諸行無常の響あり。
娑羅（しやら）雙樹の花の色、盛者（じやうしや）必衰のことはりをあらはす。
おごれる人も久しからず、只春の夜（よ）の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。』
これが世の常。
長い本を読み疲れました。
良いこと悪いこと一括りにして
目の前のこと頑張ろう。
あなた
如月の朝キリリッとした寒さ
身が引き締まる
次の手術に備えての退院
元気を装っている
心だけは元気のようです～～
痛々しい…
わたしも愚痴は言わない
こんな事ってあるんですね…
『行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、
かつ消えかつ結びて久しくとゞまることなし。』
方丈記より
悪い事ばかり続くことはない
川の流れの様にとどまらず流れていく
今度はきっと良い事がくることを
信じて…
辛いです
あなたの前での繰り言
そ～っと小さな声で囁いています
病院の帰り寄って行ったあの娘
”負けないと…笑っていた…”
わたしも
病気になんて決して負けないから～～…
あなた
リコ護って…
あなた
如月のある日
ぼんやりと雲の中から
霞んだような陽の光
はっきりしないのは
わたしの心の中と同じ
如月の月のわりには暖かい
リコが元気になったよ…
良かった本当によかった
次の手術が待っています
あなた
どうか護ってやってね……
綿のようなフワッとした粉雪
遊びながら
落ちて来る
こんなにちいちゃな雪でも
積もってしまう～～
陽の光がボンヤリと…
ひと筋の光になって…
なんだか
淋しいなぁ…
わたしも愚痴を言わないで
がんばる～～ね
あなた
今朝はすごくしばれたけれど
午後陽射しが眩しい
良い天気
リコの術後の経過がよく
元気になってました
これで
一つは安心
友達が心配して電話くれたよ
すごく嬉しかった
随分落ち込んでいたけど
お喋りしているうちに
落ち着いてきました
辛い事が押し寄せて来ます
”負けないから～～…”
わたしより
あの娘の方が
ず～っと辛い筈
あなた
護ってやって……ね
あなた
如月になりました
大変な月になりそうです
一日あの娘が緊急手術しました
これで終わりではなく
月末また手術です
どうしちゃったのでしょう…
どう足搔いても
どうしようもない
受け入れるしかない
少々疲れました
何の手伝いも出来ない
心の中で「ゴメンネ…」って…
痛む姿を見るのが
辛い…
今日は少し楽になってるかな？…
何も手伝いはできないけど…
ただ
傍にいるだけだけど…
あの娘も安心してるみたい…
今日も又行って来ます
