雪が降ってます。
とうとう、大晦日(おおつごもり)です。
毎日毎日が慌ただしく過ぎていきました。
痛い足も、幾らか楽になりました。
後、何時間か後(のち)には、新しい年になります。
どうか、良い年でありますよう・・・
18歳のお峰が山村家の奉公人となってしばらくした後、お暇がもらえたため、初音町にある伯父の家へ帰宅する。そこで病気の伯父から、高利貸しから借りた10円の期限が迫っているでおどり(期間延長のための金銭)を払うことを頼まれ、山村家から借りる約束をする。
総領である石之助が帰ってくるが、石之助とご新造は仲が悪いため、機嫌が悪くなり、お峰はお金を借りる事ができなかった。そのため、大晦日に仕方なく引き出しから1円札2枚を盗んでしまう。
その後、大勘定(大晦日の有り金を全て封印すること)のために、お峰が2円を盗んだことが露見しそうになる。お峰は伯父に罪をかぶせないがために、もし伯父の罪にとなったら自殺をする決心をした。ところが、残った札束ごと石之助が盗っていたのであった
樋口一葉の短編小説 「大晦日(おおつごもり)」から抜粋しました。
明治時代の悲しい話です。
現代でも似たような話があるようです。どうか少しでも、倖になってほしい・・・