『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

 ”昨日と今日”の交差点…が過ぎても…

2013-11-30 11:48:09 | Weblog

 

                    

    あなた

 タヌくんスッポリと雪に埋もれてしまいました。

 まだ、眠くはない様子で、大きなお眼々をクリクリって…

 「鼻についてるゆきが冷たい」って訴えている

 

 寒い日ですが風がないようで、庭の木の葉まったく揺れていない。

 どんよりとした空。

 きっと雪が降りたいのでしょう…

 降ってもいいんだけど、気遣いして雪の袋を閉じてるのかな?…

 

 わたしは炬燵にもぐり込んで、何となく曇った空をみて、深い溜め息。

 チクチクって胸の奥に棘が刺さった感じ…

 

 昨夜も、昨日と今日の交差点あたりで目が覚め、どう足掻いても冴えきった目は閉じようとしない。

 そのまま朝を迎え「あなたお早う…」って、ただ、あなたは笑ってた…

 

 逃げ出せるものなら…逃げたいけど、それもできない意気地なし。

 あなた

 わたしは、きっと「業」が深いのだと思う。

 前世で何をしたのでしょう…

 

    みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ        中納言兼輔

    有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし            壬生忠岑 

 

 ただ、生きています。

 いいのかな?

 そう言いながら今日も生きてます…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 庭の雪が眩しい…

2013-11-29 15:05:48 | Weblog

 

                            

                               

     あなた

 庭の雪はもう消える事はないでしょう。

 囲った木の雪は下に落ちて…冬景色そのものです。

 あなた、見たい?いつでもいいから、見に来て…

 

 珍しく友達が顔を見せてくれ…すごく嬉しかった。

 

 色々考えると、どうしてよいか?判らなくなるけど…

 生きて居た証だけは、残るんだよね。深く考えると辛くなる…

  

    いまはただ おもひたえなむ とばかりを ひとづてならで いふよしもがな      左京大夫道雅

    
    君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな             藤原義孝

 

 あなた、私たちどこが間違っていたのでしょうか?…

 

 窓から射すお陽さん眩しい…庭の雪がチカチカって目に痛い…

 

 胸のおくは閉ざされて、大きなしこりが残ったまま。

 このままずっと抱え込まないと…駄目かな?

 あなたに言えたらどんなに、らくになれるのか…

 あなたは急ぎすぎ…恨めしいよ…

 

 

 

 

 

 

 

     

 

 

 

 

 

 


雪吊りは見事です…が心は淋しさに震えている。

2013-11-28 16:48:37 | Weblog

 

              

   あなた

 とうとう降りました。

 雪吊りした門被りが絵になります。

 庭は雪にスッポリと覆われて…

 でも大丈夫しっかり冬囲いされているから…タヌくん顔だけでてるよ。

 タヌも暫らくおやすみ…「来年の春に備えて、英気を養って…」

 

 さっきリコが心配して見にきたよ…。

 「いいね・いいね…」って、雪吊りを眺めて~雪かきをして帰った~

 慌ただしかったけfど!嬉しかった。

 

 日暮れが早く、夜は長い…その分、淋しさも一入… 

 

 こんな夜は妙に人恋しくて…心の中は淋しさに震えている…

 あなた逢いたい…

 

 屋根から雪が落ちたのか?わたしを呼んだような?そんな音がした……

                                              

                      

          


とうとう、きました…庭が白くなっていたよ…

2013-11-27 17:44:02 | Weblog

  

                         

    

    あなた

 もう、愚痴は言うまいと自分に誓った筈なのに…

 敢え無くお終い…

 

 朝起きたら庭が雪で真っ白く「あぁついに来たんだぁ…」

 その割に、日中は眩しいくらいお陽さまがキラキラって…

 

 少し、少しずつ、身辺整理…

 ”断捨離”って口では簡単に言うけどなかなか捨てられない…

 これでは駄目ってやっぱり捨てたよ…

 想い出に浸ってはいられない…

 

 想い出を捨てるって勇気がいるね…

 勝ち負けの問題ではないけど…先にいったほうが勝ちね…

 先だったらこんな思いをしなくて済むもね…

 

   あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいづるつきの かげのさやけさ        左京太夫顕輔

   なにしおはば あふさかやまの さねかづら ひとにしられで くるよしもがな         三条右大臣

 

 生きるって…哀しい事の連続…いや、楽しい事もいっぱいあるけど…。

 

 あなたと話しているうちに、だんだん落ち着いてきて…少し淋しいけど、元気になった。

 

 午後リコがきて二階を大掃除して電球変えてくれた…感謝~感謝…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


”あなた”どうしたらいいのかな?

2013-11-26 15:38:33 | Weblog

 

                                                                                                           

         

    あなた

 疲れた…

 わたし何かを間違えたのね…

 何処でボタンを掛け違ったのか?わからない。

 一生懸命だったことだけは…たしか…

 

 疲れながら病院へ行き…もっと深く疲れた身体を引きづりながら帰る。

 そんな自分が嫌い…

 リコのことも気になりながら…なんだか眠ってしまった。

 

 夢を見ていたような…はっきりしないわたし。

 もう嫌…あなたどうしたらいいのかな?

 お地蔵さんが優しく微笑みかけてくれる…つらい…

 

                         思い出

        胸うをしめつけられるような追憶の思い出に勝つ術はありません。

                ただじっとたえるだけ……

                 忘れようとするあなたに

           忘れてほしくないと ダダをこねているのですから。

                 抱きしめてやるしかありません。

                  思い出を抱きしめる……

           その方法は あなただけが 知っています。

                                         回り道の唄より…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

           


 ”晩秋”木の葉も散ってまた一人…

2013-11-24 13:54:06 | Weblog

 

                   

                   

 あなたが心を籠めて丹精した庭です。

 大きい木は殆んど切りましたが、残した僅かな木です。

 大事にするね…

 この写真は冬囲いの前に写しました。紅葉が見事でしょう…

 

 あなたに見せたくて……

 

 相も変わらずわたしの廻りからまた一人其方へいきました。

 それでなくても木の葉が散って淋しい晩秋なのに…

 そんなに、急がなくてもいいのにって…

 わたしだけ、此処にいていいのでしょうか?…

 何だか遣り切れない……

  

   かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける      中納言家持

   やまかわに かぜのかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみじなりけり     春道列樹

 

 重い雲が空一面覆って…

 雪が舞い落ちてくるのかな?

 

 あなた…淋しいよ…翼があったら飛んでいくのに…

 

 こんなに心重い日でも、午後から良く晴れて木漏れ日が眩しい…

 頭も身体も、壊れかかって…それでも「あなたの分まで頑張って生きなさい」って

 人は言います…

 

 いいのかな?…

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

   

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  ”馬蹄鉄”が好き…

2013-11-23 13:24:03 | Weblog

 

                                               

 

    あなた

 馬蹄鉄が好きって言ったら不思議な顔された。

 わたしも何故?って言われたらわからない。

 でも、これで胸の奥の扉をトントントとノックされたら……?

 やっぱり、好き… 

 特別何処がどう?と言うわけじゃないけど~…

 

 庭に目をやると、背丈のある木はみんな囲われているが、わたしの好きな

 ”ピラカンザ”?(名前は忘れたけど…たぶんそうと思うけど)は低木のせいでしょう…

 そのまま…

 でも寒さにめげず葉はおちても、未だに赤い実をつけて殺伐とした庭に彩りを添えてくれます。

 

 あなたの所からは見えないのかな?

 

 わたしは、剄くなりました。

 

 今日の雲は重くて昏い…空からの使者が白い手紙を届けに来るのかな?

 

 風はないけど、空気が寒い…

 こんな日が一番つらい…

 雲の切れ間から一寸だけ陽が射し恥ずかしげに、すぐ隠れてしまう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

     

      


 あ~した天気にな~れ…

2013-11-22 17:31:44 | Weblog

 

           

   あなた

 今年もまた喪中の葉書がまいこみます。

 淋しいね…

 そちらは、お仲間が増えるでしょうが…こちらは随分と淋しくなります。

 

 生命に終わりがあること…判ります。

 でも、淋しいものです。

 

 庭の花木のように再び春になったら逢えるといいのにね……

 

   なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや こひわたるべき     皇嘉門院別当

  音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ    裕子内親王家紀伊

 

 今日は何となく、はっきりしない天気で心が傷む…

 「あ~した天気にな~れ…」

 

 明日はきっと良い日でありますように……

   

 


 

   


”兼六園”の雪吊りみたいで素敵でしょう…

2013-11-21 15:22:04 | Weblog

      

                 

   あなた

 冬囲いが始まりました。

 よかった…今年は…

 11月14日この日からの作業です。

       

  11月14日

     

    11月15日

       

                    

  11月16日

 完成!!終わりました。 

 門被りの松が兼六園の庭みたいでしょう…

 雪つり…庭師のかたが言っていました。

 「これは見せるためのものです」って…

 

 ”さよなら”の手紙!届いたでしょうか?

 

 16日から18日までリコの所にいました。

 

 お陽さまが眩しいくらい良い天気…

 

 淋しいって言う気持ち判るでしょうか?

 

 いくら、年齢を重ねても、淋しい……

 

  契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり      藤原基俊

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「好きだよ…」と言う「さよなら…」の手紙

2013-11-13 15:31:53 | Weblog

 

                                    

     あなた

 降りました。庭木が震えています。

 家の中は暖かい、外の庭木ごめんね。

 明日にはきっと囲ってくれるからね…

 

 今日も懲りずに手紙をかいてます。あなた宛てに。

 返事がないのも判っています。

 「好きだよ」と言う「さよなら」の手紙を書いてます。

 

 お陽さまが恥ずかしそうにそ~っと顔をだしました。

 このまま晴れて雪がとけてくれる事ねがいます、だって明日は庭木の冬囲い…。

 

 

     心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花        凡河内躬恒

    かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもひを    藤原実方朝臣

 

  黄昏どきの空はすごくきれい…