『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

柔らかな光で包み込んでくれる如月最後の日…

2014-02-28 15:34:32 | Weblog

                               

                 お茶                                

        あなた

 如月も終わりです。 再び廻りくる、この月に会えるのでしょうか…

 

 随分昔のような…いや~つい、このあいだの出来事のような…

 

 いや…受け入れる事出来ないって思っても、…あなたは、いないと言う現実…

 

 このように、お茶をいれ、美味しいお菓子を食べ…特に話しはなくても、何の不思議もなく…

 

 今を認めようと、必死に生きている。

 そんな自分が、やっぱり愛おしい…

 

 柔らかな光で包み込んでくれる、きょうのお陽さん…

 「もうすぐ春ですよ…元気だして」って、囁きかけて…

 

 愛おしい人を亡くして…哀しくって…淋しくって…それはわたしだけじゃない…

 

 あなたは、もう其方の世界の人、何時までも愚痴は言わないね…

 

 でも本当に辛い時…やっぱり援けて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                                                                                                                                                


夜の「無言(しじま)」のなかに身を潜め…

2014-02-27 15:52:29 | Weblog

 

                           
          カランコエとセントポーリヤ                                  八重咲カランコエ

    あなた

 カランコエ可愛いでしょう…

 八重咲のカランコエが可愛くて買ってきました。

 セントポーリヤは、あなたが手塩にかけて育てていましたが、わたしが入院してるうちに半分が駄目になって、しまい…

 この半分も、な~んだか元気なく、もしかしたら?…って心配…

 栄養剤もやっていましたが…花もちゃんと判っていて、わたしを甘くみているようです。

 

 今日も穏やかなお天気です。

 控えめな優しい輝きが庭の雪を少し融かして…

 でも春の音はまだ、届きません……

 

 夕ざれば野辺の秋草身にしみてうずら鳴くなる深草の里     藤 原 俊 成

 狩りにこし鶉の床の荒れはてて冬ふかくさの野辺ぞ淋しき    後 鳥 羽 院

 二首とも平安朝時代に詠まれた和歌です。

 

 そろそろ、お陽さんとも、「さよなら」して、夜の帳が降りて… 

 そして、昏い無言(しじま)のなかで、ひっそりと身を潜め、また、明日の目覚めを願って…

 

 

 

 


 眩しい陽の光が尾をひきながら、雲の中に沈んで…

2014-02-26 15:51:09 | Weblog

  

                          

     あなた

 此処しばらく春のような陽気が続いているせいか、見て!雪が一気にとけだし庭の木が少しずつ見えるようになったよ…

 石楠花の葉っぱも開き、マユミが顔を出して…

 でもマユミちょっと戸惑って恥ずかしげにうつむいて…可愛い~

 

 今年は例年にない大雪で気持ちも滅入って…

 家も、わたしも、すっぽり雪の中に埋まってしまったような…不安に苛まれて…

 

 でもお陽さんが、万遍なく照らしてくれたお蔭で、雪も少なくなり、気持ちも明るくなったよ…

 

 もう、いい加減一人の生活に慣れなければいけないのに…

 なり切れない自分に苛立ち、「駄目だな」って思うよ…

 

 心の奥の欠片は、相変わらず消化していないし…~

 

 柔らかい陽の光も、きょうは終わりよって…

 眩しい光の尾をひきながら…雲のなかに入って…だんだんと沈んで…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


信楽焼きの「タヌキ」「うずくまる」…好き…

2014-02-25 15:53:38 | Weblog

 

 

                               

   あなた

 我が家のタヌは深い雪のなかで、まだ寝ています。

 久しぶりに信楽焼きの本を引っぱりだして、眺め、いまは亡き友が信楽の茶碗をこよなく愛しんだのを思い出して

 います。

 「この、ボッテリした感覚が手に馴むのよね…」って言っていたのを思い出しすごく懐かしく…

 今すぐにでも、お茶を飲みに来るような…そんな錯覚。 

 「あなたも、逝くのが早すぎたね」って…

 淋しいよ…

 

 このタヌキの置物が愛されるのはやっぱり、愛嬌のある顔、ドングリ眼…などなど~~

 でもわたしは、花瓶「うずくまる」が好き…

 春になって、可愛い野の花に出会って、「うずくまる」に生けて…

 うずくまるには、野の花が一番似合う…

 

    タヌキ置物の縁起

 信楽狸八相縁起 石田豪澄和尚の理論によると
 、
 笠・思わざる悪事災難避けるため用心常に身を守る笠

 顔・世は広く互いに愛想よく暮らし誠をもって努めはげまん

 目・何事も前後左右に気を配り正しく見つむる事忘れめ

 通帖・世渡りはまず信用が第一ぞ活動常に四通八達

 徳利・恵まれて飲食のみに事足りて徳はひそかに我身につけん

 腹・物事は常に落ちつきさりながら決断力の大肚をもて

 金袋・金銭の宝は自由自在なる運用をなせ運用をなせ  
 

 尾・何事も終わりは大きくしっかりと身を立てるこそ真の幸福 

 と、書いてありました。                          

 

 そして、聖武天皇の夢の跡…

  天平9年(739)に大流行した天然痘や、3年後に九州で起こった藤原広嗣の乱などをきっかけに、

 平城京にいた聖武天皇は伊勢への行幸を決意します。

 そして、帰りに突然。恭仁京(京都府相楽郡加茂町)への遷都を宣言します。

 この恭仁京の離宮として造り始めたのが紫香楽宮ですが、聖武天皇は大変この地が気に入り、短期間に紫香楽宮に何度も行幸を

 繰り返します。

  が結局は住まうことがなかったようです。

 歴史の謎とも書いてありました。

 

 あなた

 随分日が長くなりました。取り留めのない、長い手紙になってゴメンネ…

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

      

 

 

 

     

 

 

 

 

 

 

 

          

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 ”あなた”今日も目覚めました……

2014-02-24 11:21:44 | Weblog

        

 

      

                           

   あなた

 今日も目覚めました。

 時は止まりません。わたしの旅は遅々としながらも、時の流れのように、進んでいるようです。

 

 あるときは、横道にそれ野草を愛でる…

 あるときは、雪の多さに戸惑いちょっと立ち止まる…

 あるときは、人の情けに喜び…

 あるときは、訳もない謗り(そしり)に耐え…

 あるときは、人の優しさに泪する…

 そんな自分をそっくり纏めて…愛しいと思える様になりました…

 

 庭の雪がお陽さんの暖かさに少しずつ、とけだし滴がキラッキラッって輝いている。

 

 わたしは、こんなに素晴らしい日に生きていられる…

 倖せとおもいます。

 

 でも一人ということは、淋しくて…哀しくて…

 

 昨夜も眠れなくて…「昨日と今日の」交差点が過ぎても、まだグズグズと、ただボンヤリと…

 頭が壊れかけてきたのだと?…

 腫れた瞼が重い。

 

 「あなた~援けて…」って言いたいけど…

 案外あなたは、冷たくて病院で熱を出したとき、手を出しても”クルリ”と背をむけ行ってしまった。

 

 色んな事はあるけれど、残りの日々を今日のお天気の様に穏やかに、過ごすことできたら…どんなに幸せでしょう…

 

   「なげけとて つきやはものを おもはする かこちがほなる わがなみだかな」   西行法師

 

 

                                               

           


何時もの様に写真の前でブツブツと「戯言」言ってます

2014-02-23 11:58:48 | Weblog

 

            

                  
               クロッカス                                         エゾエンゴサク

 

      あなた

 今日の様に穏やかで、暖かったら庭に雪があっても、クロッカスとエンゴサクは咲き出します。

 一番日当たりがよく、そこの僅かな場所だけ雪がとけて、ピョコンと、顔をだして……可愛い…

 とは言っても今年はまだ、ゆきがいっぱい残ってます。

 あと、ひと月は、(いやもう少しはやいかも…)でもそれまで今年の花は、見る事できないね…

 あなたも、早く庭の花にあいたいでしょう…。

 

 昨夜は殆んど眠れず、何回も何回も寝返りして、その都度「イタタタッイタタッ」って。

 身体中痛くて…

 寝不足で頭はボンヤリ…

 

 クロッカスの花言葉…「あなたを待っています・わたしを信じて下さい・信頼」などなど~~

 エンゴサクの花言葉…「人嫌い・あなたを信じます」などなど~~

 ボンヤリした頭で植物図鑑を広げています。

 

 雪の多い分春も遅く、福寿草より先に咲くクロッカス・エンゴサクなど、可憐で楚々として、ず~っと見いても

 飽きない…

  

 あれっ…またヒヨドリがたった一羽で来ました。

 やっぱり、一羽になってしまったんだ…

 優雅な姿で「同情はいらないよ」って、庭を舞っている…

 

 あなたにも、早く目覚めてほしい…。フフッフ「なに戯言、言ってるんだ」って…叱られるね。

 何時になるか判らないけど…わたしがいくね~

 お土産持って…


 

   

 

 

 

 

 

 


眩しいお陽さんに誘われて……

2014-02-22 15:02:38 | Weblog

 

        
                
                 和ローソク  (2月の花)                                     去年の福寿草

     あなた

 今日も柔らかい春のような陽ざし…2月の花ローソク綺麗です。

 雪がまだまだ、いっぱいなので福寿草にはお会いできません。

 でも、恋しい…

 

 春のような優しい陽気に誘われ、ゆったりと時が流れ…

 思い出したように、わたしは歩き出す…

 もともと、旅に出ていたはず…

 思わぬ出来事が次々と波のように押し寄せ、自分の意思とは裏腹に、ただ流されていたように思う。

 

 窓越しの光が眩しいけど… やっぱりこの眩しさが好き…

 この、うず高い雪の、どの辺りに大好きな花がそして、タヌはどの辺りか、あの花この花…

 想い出のなかに、あって、それがくっきりと浮かんできます。

 

 眩しさの中…色々な思いが頭の中を駆け巡ってます。

 あなたに、いっぱい・いっぱい此処の出来事話すから…待っててね。

 

  「いまはただ おもひたえなむ とばかりを ひとづてならで いふよしもがな」     左京大夫道雅

 

 今日の暖かさで、心の中の凍りの欠片が少し小さくなったよう…

 そう、どう足掻いても、なるようにしかならない…もね。

 

 あなた、後どの位歩いたらいいのでしょう…疲れたよ…

 

 



 

 

 

 

 

 

 

                   

    

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 身体が痛く悲鳴!上げてる…

2014-02-21 15:33:08 | Weblog

 

            

       あなた

 今日は陽が射しているのに!見て石楠花の葉っぱ…まだ針のように細い。

 胸の奥に刺さっている凍りの欠片がまだ解けない。

 針のように尖っている石楠花の葉っぱの悪さかな?

 眩しいお陽さんの光が庭一面に広がって…そこだけ見ていると春がきたみたい…

 

 時が苦しみを薄らいでくれると言う…が日増しに傷口が深くなって、痛みがつよくなる事だってあるんだよね。

 


 さむいって思ったら、お陽さんが雲に隠れて、重い雲があたり一面を覆い隠して… 

 

 
 「いやだな


 身体中がギシギシ~音をあげてる…

 

 あなた、わたしどうしちゃったのかな?

 

 

 

 


 

 

 

 

 


 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


哀しい時…童話の世界に…

2014-02-20 19:48:28 | Weblog

 

                       
                    ムーミンのお話    (お借りしました)

    あなた

 考えることがいっぱいあって…

 「生きる」 事の難しさ…哀しさ…いや、楽しい事も、いっぱいあるけど…

 でも、みんな投げ出してしまったら……

 

 今日はみんな忘れて、童話の世界を覗いてみました。


     ムーミン一家の物語

 長い冬から目覚めたムーミンたち。ある日、ムーミンとスニフ、スナフキンは山の岩陰でシルクハットを拾いました。

 この帽子はあらゆる物の姿を変えてしまう魔法の帽子でした。  第一話

 

 魔法の帽子は飛行オニが落とした物だったことがわかりました。

 ムーミンはミイと二人でその帽子を家の地下室に隠します。

 しかし、ミイがその帽子に毛糸を一本入れたことからムーミンの家がジャングルに・・・。  第二話

 

 ヘムレンさんから浜に船が打ち上げられているのことを教えてくれました。

 パパが中心となってその船を修理し、いよいよ進水式の日を迎えました。    第三話

 

 修理した船で旅に出かけたムーミンたちがやっとたどり着いたのはニョロニョロの島でした。

 しかし、急な嵐に見舞われてしまい、テントを張りそこで一晩過ごすことになりました。   第四話

 

 嵐が過ぎ去りテントを出てみると、発光した無数のニョロニョロたちに取り囲まれていました。

 スナフキンは彼らの目的は、ヘムレンさんから気圧計を取り戻すことなのだと言いました。    第五話

 

  ムーミンの長い旅がはじまります。

 童話の世界は楽しいけど、現実に戻ったときの虚しさ…何だか酷く惨め…

 

 午後リコが来て諸々の手続きを終えること出来ました。

 全てが終わるって、そう簡単な事ではない…て言う事…「いやっ」って言うほど、思い知らされました。

 

 人の心って本当に判らない…

 わたしの心の中に凍りの欠片が突き刺さり…どう足掻いても、そのまま…

 

 あなた、

 わたしは何も知らない・判らない…

 でも今日も暮れて…また一歩近づいたよ…

 悲しいね…

 

 

 

 

 

 

 

                    

          


”春”の足音はまだ聞こえないけど…

2014-02-19 15:39:11 | Weblog

 

                         

    あなた

 去年の福寿草。

 まだ、雪の下でひっそりと眠っている。少しは春の気配を感じてるのだろうか?…

 早く春にあいたい…待ってるのは、あなたも同じとは思うけど…

 

 目まぐるしく変わる天気…

 午後の陽ざしが窓越しにチカチカと眼に痛い…

 

       

          冬の日の記憶

 

         昼、寒い風の中で雀を手にとつて愛してゐた子供が、
        夜になつて、急に死んだ。

 

        次の朝は霜が降つた。
        その子の兄が電報打ちに行つた。

 

        夜になつても、母親は泣いた。
        父親は、遠洋航海してゐた。

 

        雀はどうなつたか、誰も知らなかつた。
        北風は往還を白くしてゐた。

 

        つるべの音が偶々(たまたま)した時、
        父親からの、返電が来た。

 

        毎日々々霜が降つた。
        遠洋航海からはまだ帰れまい。

 

        その後母親がどうしてゐるか……
        電報打つた兄は、今日学校で叱られた。      中原 中也  詩集より

 

 変わった形の雲が、空半分を覆っている。

 

 さきほど、友達がくぐもった声で、電話してきた。

 よく、聞き取れない…

 彼女は、夫も子供も亡くしている。

 失くした存在が口惜しくも、哀しくも!あるだろうけど…

 癒してやれる力は、わたしにはない…ごめんね…

 気持ちは判るけど~~

 

 あなた、寒い如月の月も半分が過ぎて終いました。

 もう少し、もう少し…ガンバル~。