屋久島・縄文杉を訪ねる。3,000年超もの風雪に耐え、神々しく立つ姿は圧巻である。その麓に着いた瞬間、人々は自然と胸元に両手を合わせて頭を垂れ、また仰ぎ見た。
< 原文 と 読み下し文>
訪繩文杉 繩文杉を訪ねる [上平声十五刪韻]
昔聞屋久岳、昔聞く 屋久の岳、
崎嶇覚難攀。崎嶇(キク)たりて 攀(ヨ)じ難きを覚ゆ。
嶄嶄神霊木、嶄嶄(サンサン)たり神霊(シンレイ)の木、
峩峩古代杉。峩峩(ガガ)たり古代の杉。
洋海東南坼、洋海 東南に坼(サ)け、
風雪天地艱。風雪(フウセツ) 天地ともに艱(カン)ならん。
黙祷向尊樹,尊樹(ソンジュ)に向かいて黙祷(モクトウ)するに,
杳如心自閑。杳(ヨウ)として 心(ココロ)自(オノズ)から閑(カン)なるが如し。
註] ○崎嶇:山道がでこぼこであるさま; 〇嶄嶄:高く、威儀が立派なさま; 〇峩峩:高
く聳え立つさま; 〇洋海:太平洋と東シナ海; 〇坼:裂ける; 〇艱:困難、難しい。
<現代語訳>
屋久島の縄文杉を尋ねる
昔から聞いていた屋久島の峰、
デコボコの山道で、登るのが難儀なことを実感した。
威厳に満ちた神霊の木、
高く聳える古代の縄文杉。
太平洋と東シナ海を東南に分けて、
幾千年の風雪 天地ともに厳しい中に耐えてきたのだ。
その縄文杉に向かって暫し黙祷を捧げると、
自然と心が洗われて敬虔の念を感じずにはおられない。
<簡体字>
访绳文杉
昔聞屋久岳、崎岖覚難攀。
崭崭神灵木、峩峩古代杉。
洋海东南坼,风雪天地艰。
默祷向尊树, 杳如心自闲。
縄文杉
<記>
2017/5/28~5/30屋久島、縄文杉を訪ねる。幹周囲16.4m、樹高30m、ドッシリと、しかもシャンとした樹姿体、木肌の様相は印象的である。
行程は、荒川登山口からトロッコ道を徒歩で約9 km行くと大株歩道入口に至り、さらに約2.5kmの難路・大株歩道の登山道を行く。
この登山道は、山の斜面で大小の岩石や地上に露わになった木の根っこなど凸凹道、時に馬の背を思わせる急な上り・下りの箇所に出くわす。
要した時間は、荒川登山口~大株歩道入口(トロッコ道):約9kmを130分、大株歩道入口~縄文杉(大株歩道):約2.5kmを115分であった。
当日の行動記録は、往復約23 kmを、途中昼食及び休憩時間を含めて、約11時間かけて踏破した。同行者の歩数計の記録では37,000歩であった由。