愉しむ漢詩

漢詩をあるテーマ、例えば、”お酒”で切って読んでいく。又は作るのに挑戦する。”愉しむ漢詩”を目指します。

閑話休題298 書籍-11 海外旅-2 竜門石窟を訪ぬ

2022-11-26 17:19:42 | 漢詩を読む

 拜訪龍門石窟  (上平声 真韻)  

瞭望薰風楊柳新、 

 瞭望(リョウボウ) 薰風(クンプウ) 楊柳(ヨウリュウ)新(アラタ)にして、  

懸崖万洞各仏宸。

 懸崖(ケンガイ)の 万洞(マンドウ) 各(オノオノ)仏の宸(シン)。  

龍門大仏無言坐、

 龍門(リュウモン)の大仏は 無言に坐し、  

脚下慢河寧静人。

 脚下に 慢(ユルヤカ)なる伊河(イカワ)と寧静(ネイセイ)の人。 

 註] 〇瞭望:展望する、遠く見渡す; 〇寧静:安らかで

   静かなこと。

<現代語訳> 

 龍門石窟を訪ぬ  

見渡すと、快い春風が吹き渡り、麓の柳の緑が改まっており、断崖には無数の洞穴が穿たれ、それぞれが仏のお住まいとなっている。龍門石窟の弥陀の大仏は、ただ無言で鎮座して見守っており、足元には伊河が緩やかに流れ、行き交う人々は心安らかである。

<簡体字表記> 

 拜访龙门石窟   

瞭望薰风杨柳新、悬崖万洞各仏宸。

龙门大仏无言坐、脚下慢河宁静人。

 

<記> 

 龍門石窟は、洛陽の南約13 km、黄河の支流伊河のほとりにあり、洞窟数:1,352個;大窟:西山28/東山7;仏像:97,306体とされている。

 石窟の造営は、493(北魏)~中唐(玄宗)の間、300余年 を要しており、特に顔形にそれぞれの時代を表徴する特徴的な様式が見られる。

 圧巻は、廬舎那仏(次ページ写真参照)であり、その造営には、則天武后が自ら寄進し、自分をモデルにした像を彫らせたとの説があるが、その真偽は不明である。

竜門石窟 廬舎那仏像

 

 

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