愉しむ漢詩

漢詩をあるテーマ、例えば、”お酒”で切って読んでいく。又は作るのに挑戦する。”愉しむ漢詩”を目指します。

閑話休題291 書籍-6 国内旅 4 京都嵐山三絶句 其一

2022-11-09 10:27:21 | 漢詩を読む

 次韻 蘇軾《驪山三絶句 其一》  

  京都嵐山三絶句 其一       [下平声八庚韻]    

錦楓幽境秋氣盈、

 錦楓(キンプウ)幽境(ユウキョウ) 秋氣盈(ミ)つ、 

保津映容川面平。

 保津(川) 山の容(スガタ)を映(ウツ)して 川面 平なり。 

不負名人難靠近、

 名に負(ソム)かざれば 人 靠近(チカヅキ) 難かろうに、 

山中棋戦下音清。

 山中の棋戦(キセン)  石を下(ウ)つ音清(キヨ)し。 

註] 〇錦楓:紅葉した美しいカエデ; 〇幽境:世俗を離れた静かなところ;  

 〇保津:保津川; 〇靠近:近寄る; 〇棋戦:囲碁の対戦; 〇下:囲碁の石を

 打つこと。  

<現代語訳> 

 蘇軾《驪山三絶句 其一》に次韻す 

  京都嵐山三絶句 其一  

 楓はすっかり紅葉して山は静まり返り、秋の気配が満ちており、保津川の川面は波静かに、静かな佇まいの嵐山の姿を映している。嵐山という名の通りであるなら、この山には人は近づき難かろうに、この山中で囲碁を打つと、澄んだ石音が樹々の間をぬけて消えていく。 

<簡体字表記> 

 次韻《蘇軾驪山三絶句 其一》

  京都岚山三絶句  其一 

锦枫幽境秋气盈、保津映容川面平。

不负名人难靠近、山中棋战下音清。

 

<記> 

 “嵐山”は、字面から“風吹き荒れる山”のように思われるが、山中に入るなら、木漏れ日が射す非常に静寂な雰囲気に包まれる。囲碁の澄んだパシッと響く石音が、樹々の間を抜けていく静寂な空気感で、心が洗われる思いのする幽境と言える。

 

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