依韻蘇軾《驪山三絕·· 其三》
京都嵐山三絶 其三 大沢池 [上平声十五刪韻]
水経瀑布下旋山,
水は、石組の瀑布を経て 山を旋(メグッ)て下り,
留池行行向海還。
池に留(トド)まり 行き行きて海に向かいて還(カエ)る。
帝把池摸洞庭水,
帝(テイ)は池を把(トッ)て洞庭水(ドウテイスイ)に摸(モ)す,
庭園奕奕是仙寰。
庭園は奕奕(エキエキ)として是(コ)れ仙寰(センカン)。
註] 〇瀑布:大沢池の上流に石組で作られた“勿来(ナコソ)の滝”; 〇池:大沢池;
〇行行:行き続ける; 〇帝:第52代嵯峨天皇; 〇洞庭水:中国長江中流にある
洞庭湖; 〇庭園:人工湖[庭湖」である大沢池を擁する大覚寺の庭;
〇奕奕:非常に美しいさま; 〇仙寰:別世界。
<現代語訳>
蘇軾《驪山三絕·· 其三》に依韻す
京都嵐山三絶 其三 大沢池
水は、石組の人工滝を経て 山を回って下り、大沢池に一時留まり 下流に流れて 遂には川を経て海に注ぐ。嵯峨天皇は、人工的に“大沢池”を造成し、中国の洞庭湖に模した、その庭園は素晴らしく、四季折々の明るく美しい景観は別世界であった。
<簡体字表記>
依韵苏轼《骊山三绝 其三》
京都岚山三绝 其三 大泽池
水经瀑布下旋山,留池行行向海还。
帝把池摸洞庭水,庭园奕奕是仙寰。
<記>
今に残る名勝・“大沢の池”は、第52代嵯峨天皇(在位809~823)が、中国の洞庭湖を模して築造した日本最古の人工湖である。詩で、造営当時の姿を再現するよう試みました。