愉しむ漢詩

漢詩をあるテーマ、例えば、”お酒”で切って読んでいく。又は作るのに挑戦する。”愉しむ漢詩”を目指します。

閑話休題294  書籍-8 国内旅 6 嵐山三絶 其三

2022-11-16 10:55:02 | 漢詩を読む

  依韻蘇軾《驪山三絕·· 其三》

  京都嵐山三絶 其三 大沢池  [上平声十五刪韻]   

水経瀑布下旋山,

 水は、石組の瀑布を経て 山を旋(メグッ)て下り,  

留池行行向海還。

 池に留(トド)まり 行き行きて海に向かいて還(カエ)る。  

帝把池摸洞庭水,

 帝(テイ)は池を把(トッ)て洞庭水(ドウテイスイ)に摸(モ)す,  

庭園奕奕是仙寰。 

 庭園は奕奕(エキエキ)として是(コ)れ仙寰(センカン)。 

 註] 〇瀑布:大沢池の上流に石組で作られた“勿来(ナコソ)の滝”;  〇池:大沢池;

   〇行行:行き続ける; 〇帝:第52代嵯峨天皇; 〇洞庭水:中国長江中流にある

   洞庭湖; 〇庭園:人工湖[庭湖」である大沢池を擁する大覚寺の庭;

  〇奕奕:非常に美しいさま; 〇仙寰:別世界。

<現代語訳> 

  蘇軾《驪山三絕·· 其三》に依韻す

      京都嵐山三絶 其三 大沢池  

水は、石組の人工滝を経て 山を回って下り、大沢池に一時留まり 下流に流れて 遂には川を経て海に注ぐ。嵯峨天皇は、人工的に“大沢池”を造成し、中国の洞庭湖に模した、その庭園は素晴らしく、四季折々の明るく美しい景観は別世界であった。 

<簡体字表記> 

 依韵苏轼《骊山三绝 其三》

  京都岚山三绝 其三 大泽池    

水经瀑布下旋山,留池行行向海还。

帝把池摸洞庭水,庭园奕奕是仙寰。

 

<記> 

 今に残る名勝・“大沢の池”は、第52代嵯峨天皇(在位809~823)が、中国の洞庭湖を模して築造した日本最古の人工湖である。詩で、造営当時の姿を再現するよう試みました。

 

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