(p57より引用) 大企業の利点のひとつは、大きな可能性を持った大きな規模のプロジェクトに取り組めることだ。そのせっかくの利点を失うもっとも簡単な方法は、積極的に夢を描き、夢を追いかけたにもかかわらず失敗してしまった人に対する処分ばかり考えることだ。これではリスクに消極的な文化をますますのさばらせてしまう。
大企業のデメリットは、新しいことにチャレンジしてもその効果額がかなりのものにならないと実際上の貢献にならないことです。仮に1億円の収益貢献をしたとしても、会社全体の収益規模が1兆円だとその努力は全く見えなくなってしまいます。(少なくとも「金額」という尺度では)
ただ、他方、それは失敗の場合も言えるわけで1億円の損害が出たとしても、そのダメージは微々たるものということです。
このような環境の功罪についてはいろいろな考えがあろうと思いますが、少なくとも「個人」では到底経験できないチャレンジができるというのは、非常な魅力ですし大きなやりがいにつながります。
1円の大切さを知っている人なら、失敗を謙虚に反省し次のアクションの糧にできる人なら、どんどんチャレンジしてもらいたいと思います。
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ジャック・ウェルチ わが経営(下) (日経ビジネス人文庫) |
宮本 喜一 | |
日本経済新聞社 |