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ちょっと気になった話 (イソップ寓話集)

2005-10-09 14:49:20 | 本と雑誌

 イソップ寓話のストーリの癖として、素直に善行(たとえば正直であることとか)を勧めているものは多くないようです。むしろ、正直過ぎることで騙されたり、思慮の浅さによって不幸な目に会ったり、という形で忠告してくれています。

 そういったものが多い中、何となくタイプが違う話として印象に残ったものを2つ。

85 子豚と羊

 仔豚が羊の群にまぎれこんで草を食んでいた。ある時、羊飼に捕まったので、泣き叫び逆らっていると、羊たちは仔豚が泣くのを咎めて、
「わたしたちもいつも捕まっているのに、泣きわめいたりしないでしょう」と言った。
それに対して仔豚の言うには、
「僕と君たちとでは、捕まる意味が違う。君たちが引ったてられるのは羊毛か乳のためだが、僕の場合は肉のためだ」

 身に迫る大変さの程度が全然違うのですが、そういう相手の気持ちは結構気づかないものです。

322 蟹と母親

 「斜に歩いちゃだめよ。濡れた岩場で横さらいはいけません」と母親が注意すれば、子蟹の言うには、
「お母さん、まず先生が真っすぐ歩いてよ。それを見てするから」

 こちらは、いつの時代でもいずこも同じという感じです。

コメント
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