OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

矛盾は創造の母 (野中郁次郎氏)

2005-10-20 23:08:29 | 本と雑誌

(「価値組」未来企業へのシナリオ(監修:島田 精一)p146より引用) 新たな価値は既成価値との矛盾から生まれる場合が多く、矛盾を組織として議論できる環境づくりが重要(富士ゼロックス代表取締役副社長 高橋秀明氏)

 この環境の中で、組織としての「問題解決力」が醸成されますし、個々のメンバの「変革への意識と意思(力)」が生まれてくるのです。

  しかしながら、そこに至るまでが実際は大変だと思っています。

 「矛盾を組織として議論できる環境づくり」とありますが、これを具体的に実現するためにはいくつかの条件があります。

 まず、「矛盾」が発生するか

 そもそも「矛盾」が発生しないとスタートしません。
 組織によっては、「矛盾」になりそうなものは表面化させないように自己抑制している場合もあり得ます。何も問題がないように、表面を塗糊されてしまうとアウトです。課題を隠蔽しない、課題を素直に顕在化できる環境構築がまず第一歩です。

 次に、「矛盾」を矛盾として感知できるか

 何んらかの「事象」が顕在化したとしても、それを「課題」「矛盾」と意識できるかが次のポイントです。
 同じ事象を前にして、ある人は「放っておくと大変だ」と思い、別の人は「いままでもあったし大丈夫」と思う・・・
 折角顕在化した問題事象も、それを「矛盾の兆し」と捉えられないと検討の俎上にも上がりません。

 ともかく、ここまで来てようやく「『矛盾』を前向きに議論でする」というスタートラインにたどり着くのです。

(野中郁次郎氏) 絶え間ない動きの相互作用の中で矛盾が解決されていったとき、本当のナレッジ、知が生まれ、しかも、非常に質の高いノウハウが形成されるんじゃないかと思います。

 ただ、もっとも大事なことは、「自由に議論できる」ということです。
 自由な議論を尊ぶ「価値観」が共有されているか、誰とでも自由に議論できる「場」があるか、自由に意見を交換するのが当然という「空気」があるか・・・これが肝です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする