本書は、ウェルチ氏本人の著作ではないので、かえってサクサクと概念整理がされているように思います。
大分以前に「わが経営」は読んでいたので、ウェルチ氏時代のイニシアティブの解説よりも、むしろ、ポスト・ウェルチの後継候補者たちに係る記述の方に興味を持ちました。
まずは、ウェルチの後継者に指名されたイメルトについてです。
やはり、彼も企業行動の基本を「価値観の共有」に置いています。ここでイメルト流なのは、その共有すべき価値観を「シンプルな単語に凝縮」したことです。
(p182より引用) 価値観によって将来の行動を本当に左右しようというのであれば、その価値観は行動の基準になり得るものでなければならない。また、シンプルで、誰にでも適用でき、モチベーションを生み出すものでなければならない。
驚くべきことに、イメルトを中心とするチームは、GEに共通する価値観を四つの単語に凝縮した。
〈GEバリューズ〉
想像する(Imagine)
解決する(Solve)
築く(Build)
リードする(Lead)
1番目の「想像する(Imagine)」というのが特徴的だと思います。(英語ではまったく別の単語ですが、)「創造する(Create)」と言いたい気もしますが、
(p183より引用) 「想像する
大志を抱く自由、そして、夢を現実にする能力
想像するためには、人は情熱と好奇心を大切にするという価値観を持っていなくてはならない。」
と解説されると、なるほどと思ってしまいます。