以前、白川静氏の「漢字―生い立ちとその背景」を読んだりして、「漢字」には少々興味をもっていました。
そういった流れで読んでみた本です。
内容は「四字熟語」の意味や由来の紹介が中心ですが、著者の説明は単なる薀蓄に止まらず、ウィットの効いたコラムのようなノリで、なかなか楽しい本です。
1ページにひとつの「四字熟語」が紹介されていますから、およそ160~170ほどの「四字熟語」が並んでいることになります。
これだけあると、ひとつやふたつは気に入ったものが出てくるでしょう。
強いてその中でひとつ選ぶとすると、私は「一刻千金」を挙げたいと思います。
「時は金なり」とは違います。むしろ精神的には逆のニュアンスかもしれません。
(p6より引用) 世の中には大金を払ってでも時間を買いたいという人がいるかも知れない。しかし、この「一刻千金」、ただ時間が貴重だというのとは違う。もとは北宋の詩人蘇軾(蘇東坡)の「春夜詩」の一句、「春宵一刻値千金」である。花のかおりがただよい、月はおぼろに霞んでいる、そんな春の宵のひとときは千金の価値がある、というのである。
心のゆとりの描写です。
ゆったりとした自然の中で過ごすたおやかな時間の流れには憧れます。
「音」は似ていますが「一攫千金」とは大違いの精神です。
その他、この本を読んでの「いまさら」という(情けない)気づきをいくつか恥ずかしながらご紹介します。
まずは、「拱手傍観」の項での気づきです。
「てをこまねく」と入力して「変換」しても「手を拱く」を表示してくれます。ただ、本当の読みは「手を拱く(こまぬく)」だと知っていますか?
恥ずかしながら、私は本書を読んで知りました。
もうひとつ、「因循姑息」の項です。
「姑息」とは、「ずるいこと・卑怯なこと」の意だと思っていませんか?
本来は「その場しのぎの間に合わせ」という意味だそうです。
「四字熟語」に係る薀蓄以外に、漢字・熟語の知識の欠如も思い知らされました。
情けない限りです。
![]() |
四字熟語ひとくち話 価格:¥ 714(税込) 発売日:2007-04 |