いつも聞いているPeter Barakanさんのpodcastに著者の竹中功さんが登場して、本書の内容のさわりを紹介していました。それでちょっと興味を持ったので手に取ってみました。
竹中さんは私と同い年なんですね。私も子どものころはよくテレビで「吉本新喜劇」を観ていましたし、吉本の芸人さんについてもたぶん記憶の共通項がありますね。
竹中さんは、30年にわたる吉本生活で様々な企画に関わってきましたし、その中でクレーム対応も担当していたとのことですから、紹介されているエピソードはどれをとってもそれはそれは“濃い”内容です。
それらの中から、特に私の印象に残ったくだりをひとつ書き留めておきます。
それは吉本の「商品開発」について。
吉本にとっての商品(売り物)は「芸人さん」です。したがって、吉本における「商品開発」は“芸人さんの発掘・育成”ということになります。そして、その手段として思いついたのが芸人養成学校の設立でした。
(p171より引用) 「竹中、商品 (芸人)が足りへんから学校つくれや!」
竹中さんが、そう指示されたのは、入社したその年の10月のことでした。その責任者の決め方もなんとも痛快で爽快です。
(p172より引用) 「大丈夫や。この会社で芸人をつくった社員なんか誰もおれへんのやから、誰がやってもいっしょや。せやから、お前、やっとけ」
どちらも後の社長となる当時の宣伝広報担当役員の中邨秀雄さんの言葉とのことです。
サントリーの創業者である鳥井信治郎の“やってみなはれ”も有名ですが、こちらも吉本らしさ満開ですね。