いつも利用している図書館で、この暑い日々の中、気楽に読めるサスペンスものはないかと探していて目に付いた本です。
内田康夫さんの小説は、かなり前に結構集中して読んだのですが、この作品は抜けていました。今回の舞台が私の大好きな街「札幌」ということで、躊躇なく借りてきました。
数年前、仕事の関係で、2年間にわたりほぼ毎週札幌出張をしていたので、札幌の街には特別の思い入れがあります。また、そういった経緯から、わずかですが土地勘もあるので、光彦が訪れる街並みや通りの姿をなんとなくイメージしながら楽しむことができました。
ネタバレになるとまずいので、内容には触れませんが、この作品は、内田さんの「浅見光彦シリーズ」の中では、比較的オーソドックスで“硬派”な印象です。登場人物にまつわる伏線をしっかりと回収していく丁寧さがいいですね。ラストは珍しく “ハードボイルド”タッチです。
時折、軟弱で読者に阿りを感じる作品や過度に作者の社会的関心を披見している作品がみられて、出来栄えに波のあるシリーズですが、この作品は私には合っていました。
また久しぶりに「浅見光彦」を辿り直してみましょうか。