OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

〔映画〕草原の椅子

2021-02-07 13:04:10 | 映画

 
 主演が佐藤浩市さんとのことだったのですが、想像していたのとちょっと違ったテイストの作品でした。
 
 原作は新聞連載小説なので、そのせいですね、細切れ的なエピソードが織り込まれていたのは。作品の出来はといえば、プロット・ストーリーともにかなり強引ですし、登場するキャラクタも演出ももう少しおとなしくてもいいのではと感じました。

 他方、キャスティングは良かったですね。吉瀬美智子さんも役柄にフィットして良かったのですが、やはり秀逸だったのは黒木華さんでした。佐藤浩市さんとのやりとりは見事です。

 

 

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〔映画〕007 慰めの報酬

2021-02-06 10:13:34 | 映画

 
 このところB級のアクション/サスペンス映画が続いていたので、ちょっと前、王道に戻ろうと「007 カジノ・ロワイヤル」を観て、見事に“返り討ち” にあった話はしたと思います。
 
 今回こそはということでトライしたのは「007 慰めの報酬」です。
 前作よりは、それらしいアクションシーンも多く幾分かはマシではありますが、まだしっくりきません。
 
 原因は、007のキャラクタ設定にあるかとも思ったのですが、問題は、“M” かもしれません。ヒロインの オルガ・キュリレンコの役柄も中途半端で残念でしたし。あとは、やはり “奇抜なボンドカー” が登場しないところですね。

 

 

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〔映画〕北のカナリアたち

2021-02-05 15:49:28 | 映画

 
 いわゆる「北の三部作」の2作目です。
 
 これも吉永小百合さんの映画です。なので?ベテランから中堅の男優陣は残念ながらちょっと影が薄くなってしまいましたね。
 
 今回の舞台は「礼文島」。向かいには利尻富士、この風景はとても懐かしいです。
 
 ストーリーについては好悪が分かれるでしょうね、私としては “作り込まれ感” が強く過ぎて今ひとつという印象を持ちましたが、それでも確信犯的なわざとらしさ満載ラストの分校のシーンは素直に良かったと思います。
 あと、中堅どころの俳優さんたちのキャスティングは秀逸、というかものすごく贅沢なラインナップでした。みなさん、素晴らしい。

 

 

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これからの時代を生き抜くための生物学入門 (五箇 公一)

2021-02-04 14:43:10 | 本と雑誌

 Webマガジンのお薦め記事で紹介されていたので、手に取ってみました。

 期待していたとおり、(ダニや昆虫関係のウェイトが高かったのですが)生物学・生態学に関わる“興味深いエピソード”が数多く記されていました。

 まずはタイトルにもある「生き抜く」というコンセプトに密接に関連した「進化」についての基本事項の抑えから。

(p22より引用) 「進化」という言葉は、「進む」という字が入っているから優れたものに変化すると思われる人も多いようですが、そうじゃないんです。
 生物がどのように進化するかは、すべては環境が決めることです。そのときの生息環境において不利な形質=遺伝子は排除される。その環境で生き抜く上で必要な形質であれば、より特殊化する。それまで有利だった形質が、環境の変化とともに消失する。あるべき形質・機能が姿を消す。ひとはそれを「退化」と呼びますが、それも進化です。

 “環境への適応”が進化の本質というわけです。「自然選択」で生き残った種も“絶対的に優秀”だったわけではありません。おかれた環境に“より適応”できたということで、別の環境だったら別の種が選択されただけです。

 したがって、生物種はよりバラエティに富んでいた方が、所与の環境にマッチする(=生き残る)可能性が高まるということになります。

(p49より引用) 生物は、たとえ今自分が持っている形質が「正解」だったとしても「いつまた環境が変化するかもしれない」という不確実性に備えて、常に「新しい変化」=「遺伝子の変異」を生み出し続けます。

 まさに「多様性」万歳!ですね、この“生物多様性”の本質を長谷川英祐北海道大学大学院准教授はこう指摘しています。

(p53より引用) 「生物の進化の背景には、短期的・瞬間的な適応力の最大化という自然選択だけでなく、持続性という長期的な適応力も重要な要素として存在する」

 「進化」は、最近流行りの“Sustainability(持続可能性)”の実現事象の典型例です。
 著者は、この進化の流れの中で生まれる“多様性”とそれを“受容”することが「人間という種の特性」であると語っています。

(p130より引用) 生物学者として私が思う人間らしさ=人間という種の特性は、ありとあらゆる個性を認めて、社会にその才能を反映させ、豊かな文化を作り上げることなんじゃないかと思います。この特性こそが、脆弱な裸の猿である人間が地球上で生き残って、今や生態系の最上位に君臨するまでに繁栄できた唯一の理由ではないかと私は考えます。

 とても大切な視点であり、指摘ですね。

 そして、ちょうど著者がこの本の最終校正のタイミングで発生した「新型コロナウィルス禍」。

(p194より引用) 私たちがまた元の利己的欲求に基づくグローバル経済社会、資源浪費型社会に戻ってしまえば、新たなるウイルスの災禍が繰り返されることになります。今回のウイルス禍からわれわれが学ぶべきことは、利他的ヒューマニティーへの回帰とともに、自然と共生する資源循環型社会を目指して生活を変容させることの必要性だと考えます。今の自分を最優先させる社会から、次世代を思いやり、ほかの生物種を思いやり、自然を思いやるという、利他的社会への進化…。新型コロナウィルスは期せずして本書で語ってきた人間社会の未来への可能性が試される時代をもたらした、といえます。

 現下の状況において、著者が鳴らす警鐘であり、著者が説く教訓です。

 

 

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〔映画〕ブルックリン

2021-02-03 22:02:17 | 映画

 
 アイルランド とアメリカ(ニューヨーク)を舞台にした映画です。
 
 1950年代初頭の風情が印象に残る時代感漂う作品ですね。小説の原作があるようですが、こういうテイストの作品に仕上げられると、表現形式としては映像の方が相応しいような気がします。(小説は読んでいないので無責任な言い様になりますが)
 
 ストーリー的には、主人公の心情の揺らぎに少々苛立ちを感じるところもありましたが、それが本作品の幹なのでしょう。ラスト近くの船上でのシーンもなかなか効果的だったと思います。

 

 

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〔映画〕007 カジノ・ロワイヤル

2021-02-02 07:51:18 | 映画

 
 このところアクション/サスペンス系の日本映画を立て続けに観て、どうにも欲求不満が溜まってしまったので、王道の作品で口直ししようと思いました。
 
 もう何度も観た「007 カジノ・ロワイヤル」です。
 
 で、結果ですが、ダメでしたね。こんな作品でしたっけ。
 あまりにもジェームズ・ボンドが軟弱過ぎです。007シリーズの売りのひとつである “奇抜なアクションシーン” もなく、“M”にも威厳が感じられません。特にラストの20分ほどはあまりにも雑なストーリー展開でしたね

 

 

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〔映画〕愛を積むひと

2021-02-01 11:12:44 | 映画

 
 北海道(旭川・美瑛)が舞台の映画ですから、それだけでぐっと親近感が増します。
 
 予想どおりのストーリーですが、これでいいのだと思います。
 しかし、以前観た「阿弥陀堂だより」でもそうでしたが、こういったテイストの作品での樋口可南子さんは本当に “はまり役” ですね、自然な演技が素晴らしいと思います。もう一人は、柄本明さん、登場した瞬間に作品の密度がいきなり濃くなります。こちらもお見事!
 
 原作はアメリカ小説とのことですが、上手に違和感なく北海道の風景に移植しましたね。いい作品に仕上がりました。

 

 

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