雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

風の行方 (21) 「仮の町構想」(5) 遠ざかる故郷

2013-01-11 22:11:44 | 風の行方・原発

   遠ざかる故郷  「帰村宣言」(福島県・川内村)

 戻れるから戻りましょう!

 村の復興に向けた福島県・川内村の「帰村宣言」です。

福島第一原子力発電所から30㎞にある川内村は、原発事故以来「全村避難」を余儀なくされていたが、

2012年1月31日、一部を除いて避難区域指定が解けて帰宅可能になった。

 

 故郷を離れ、家族や親しい人との離れ離れの避難生活からやっと解放され、

復興元年がスタートすることになったようです。

 

 「避難生活を余儀なくされている村民の皆様、

ふる里、川内村を離れ慣れない地で辛い新年を迎えられたことと思います。

2012年は復興元年と考えております。」

 

 「スタートしなければゴールもありません。

お世話になってきた多くの方々への感謝の気持ちを忘れることなく試練を乗り越えていく覚悟です。

共に凛として穏やかで安全な村を作って参りましょう。」

 

 「戻れるから戻りましょう!」

と川内村長・遠藤雄幸氏は避難先の村民に呼びかけました。

また、避難者それぞれの事情も考慮して、

「戻れる人は戻る。心配な人たちはもう少し様子を見てから戻る」と、

村民に対する眼差しはあくまでも優しく温かい。誠実である。

 生活移住区域や農地の除染、農作物の放射線量の測定、、保育園・小中学校の再開等

「戻れる」ための復興事業を進めてきた。

 

 「自分たちの村は自分たちで守る」という基本理念で復興を成し遂げたいと川内村長は村民に呼びかける。

 

「村が変わる。変わるためには誰かが変えてくれるのを待つのではなく、村民自身が立ち上がる。

村民自身が少しの勇気を持って一歩を踏み出すことではないでしょうか。

苦しんだ分だけ他人に優しく、辛い思いをした分だけ頑張れるような気がしてなりません。」

 

 村民に呼びかける村長の言葉が胸を打つ。

原発事故を恨むことも、国や県の対応を恨むでもなく、

同じ川内村で生きる村民としての想いが、

「ふる里」をかけがえのない大切なものと捉える息遣いが聞こえてくる。

 

 そして、「帰村宣言」から一年が経過した。

 村はどうなったか。

                      ( 次回は川内村の現在を述べたいと思います。)

           

 

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