美しく老いていく
平均寿命が延び、高齢化社会の進む中で生きる私たちは、
安穏(あんのん)として、老後を送るわけにはいかないようです。
老いるための努力が必要かと思います。
美しく老いたい。
日々に衰える知力と体力、そして容姿。
このことを生きとし生けるものの宿命と納得してしまえばそれはそれで仕方のないことだ。
しかし、いつまでも若々しくありたい、というせつない希望も私たちは持っている。
健康を保ちつつ、美しく老いていきたい。
知力、体力、容姿が衰えようと、美しく老いたいと私たちは願う。
美しさとは、「心の美しさ」なのです。
老いていくことを嘆かない、悔やまない。
「老いること」の全てを受容してなお泰然と寿命がくるまで生きること、
これが心の美しさであり、美しく生きることに繋がるのだと思います。
健康が損なわれると心の在り方まで暗くなりがちです。
「辛い」「苦しい」「いつまで続くのか」と。
健康と引き換えにこんなものを抱えてしまうのは、あまりに残念だ。
健康でなくとも、もっと穏やかに老いの坂道をゆっくり登っていきたい。
そのとき、少しでいいから、ほんのちょっと誰かが手を差し伸べてくれたらこんな嬉しいことはない。
神の思し召しで、最後に巡って来た「試練」と思えば、
どんなことがあっても「美しく老いる」ことができるのではないかと思います。