雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

哀歌 翔よ!! (8) 6月の風

2014-06-18 20:00:00 | つれづれ日記
哀歌 翔よ!! (8) 6月の風

6月の風は気まぐれである 

どこかに

初夏の若葉の匂いをかすかに残し

ときには

優しいあじさいの匂いと一緒に

雨を運んでくる

 

梅雨の切れ目には

はっとするような夏の匂いを漂わせて

えりあしをなぜて通り過ぎていく

 

水田のイネの葉先を揺らしながら

緑色に変身した風は

浮気な仔猫のように

田園の村々を通り抜けていく

 

もうすぐ夏が来るぞと

 

(2014.6.16記)

 えりあしをなぜて通り過ぎる風。

イネの葉先を揺らす緑の風。

そんな風景の中に立てば、

翔太郎はどうしているかと思う反面、あゝ、翔太郎はもう、この風を感じることができないのだ。

彼が育った安曇野の郷から望む雪をかぶった北アルプス。

そこに吹く風が、こころよく私たちを迎えてくれた。

翔太郎よ、もうお前と一緒にこの風を感じることはできないのだね。

あふれる思いが、今もこみあげてきて、お前の思い出を追いかける私たちです。

時は忘却を伴って過ぎていくというが、翔太郎が残してくれたさわやかな風を私たちは一生忘れない。

                                        (2014.6.17記)

 

 

 

 

                                                      

                                  

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