ニュースの声(8) 5回目の停戦協議
ロシア、首都攻撃減らす方針 停戦協議 中立化巡り進展(朝日新聞朝刊3/30)
トルコのイスタンブールが協議の舞台だ。
仲介者はトルコのエルドアン大統領だ。
事前に双方の代表団と会談し、次のように述べた。
「長引く戦いは、だれの利益にもならない」
(ウクライナ・マリウポリ 装甲車に乗る新ロシア派 KYODO NEWS )
一方的に戦を仕掛けたロシアは引くに引けない苦戦を強いられている。
ウクライナもまた、受けて立った戦の犠牲の大きさに躊躇している。
ロシアは、停戦の条件捜しに時間を費やし、
少しでも有利な条件をウクライナに承諾させようと模索する。
情報戦の錯綜する中の5回目の停戦協議である。
ゼレンスキー大統領は、ウクライナの安全が保障されることが(停戦の)条件になるとして、
第三国が保証国ととなることを求めている。
第二次世界大戦と違い、大量破壊をする戦闘機やミサイルの規模が格段に進歩している。
一瞬にして大勢の命を奪い、都市を破壊してしまう。
人類が長い時間をかけて築いてきた文化やモラルが、
一瞬にして跡形もなく破壊してしまう。
後に残るのは大切な人を失った喪失感であり、悲しみである。
戦争が長引けば、相手への憎しみ、憎悪が増幅する。
(2) 「攻撃縮小」欧米は懐疑的
停戦協議後もロシア軍による被害 (朝日新聞朝刊3/31)
ロシアはキエフや北部チェリニヒウなどへの攻撃を「劇的に減らす」
と表明したが、こんな曖昧な表現では納得しがたい。
本当に停戦に向けての『協議』ならば、キエフを含む地域の攻撃を
全面的に停止する提案が必要であり、その上での『停戦協議』でなければ、
互に腹の探り合いになり、実のある「停戦協議」にはならない。
「我々の国を破壊しようと戦いを続けている国の代表の言葉を信じる理由はない」
ゼレンスキー大統領は29日夜の動画メッセージで、不信感をぶちまける。
停戦協議の終わった夜のメッセージとしては、
停戦協議をぶち壊しかねない強烈な発言だ。
また、ロシアに対する経済制裁についても、
「戦争が終わるまで、正義が戻るまで強化されるべきだ」
とこれまでの姿勢を貫き通している。
破壊と殺戮の続く戦争は勝者にとっても、敗者にとっても
激しく、無意味な消耗戦にすぎない。
『停戦』が戦争終結の話し合いの『場』を生み、
互いを理解する条件だと私は思う。
(ニュースの声№8) (2022.3.31記)