篆刻サークル「石門印会」の先生から
3月の月例競刻の講評が届きました。
3月の課題は「奇心清尚」
(こころをせいしょうにす=心をきれいに
して高尚な境地に寄せること)
印の大きさ八分印(約2、5cm)
以下↓先生の講評です。
大変工夫のある作である。一見朱文印に見せて
「寄」字は白文である。中央縦の一字界線も
見事である「清」字は他字に比して、やや巾が不足か。
サンズイの形を「三」にするのも一手かと思う。
小篆の風趣をよく表現し柔和さが心地よい。
ただ刀線を伸展させすぎたり、不安定の所も
見られる。字書の字形を正確に写し取ることが大事。
辺縁は上品にて細太変化もありよいが、左辺は一考の
余地あり。
金文の古色の風趣が自在で中々の巧みさである。
文字をあえて不整形にすることで動きを演出して
いる点で上部二字にもあれば統一感が出たと
思うがいかが。辺縁に欠けを作らぬのは古典の
風趣からと思う。
おだやかな刀味で優しさを感じる。「心」を
縦長に配して印象的である。丸みを帯びた印形が
優しい。あえて打刻しないのもスッキリして
いいものである。始筆、収筆に刀の鋭さを
加えてみたらどうか。
字画を考えての回文とみる。印篆をしっかりと
刻しており技の高さが伺え好印たり。
「清」のサンズイの工夫がいい。余裕が
出て文字の広がり感がある。刀味の鋭さが
今後の課題。
丁寧に刻し切って明快の作となった。
「尚」字やや傾きあり「冖」部分の手直しで
修正されよ「青」やや固さありて柔和さ欲す。
辺縁は堂々と力感十分で安定せり。
ここ近作で辺縁の力強さが出ており印の表情に
安定感がある。文字は正確にて好感たるも
少々平板か。点画線に変化をつける様に
細かに刻してみたらよい。辺縁に欠けを大胆に。
四等分の配置なるも、文字点画に刀意変化が
あることで、大小差異が感じられる。
「寄」の「宀」を取ったため少し落ち着かない
感あり。窮屈感もある「清」字の如く打刻して
変化さすのも一手なり。辺縁これでよい。
印面四分割に印篆を配した定道の作なり。
文字として正しく非の打ち所がないが、
生硬で印趣を欠く。刀線を打して変化を
加味したらいかが。そうすれば堅い印篆が
軽くなろう。
回文で文字大小の差をつけた対角の承応を
なしている。文字の小篆は実に正確で美しい。
実に見事である。分間布白が文句なしなのが
その成因であろう。辺縁は文字にあわせて
スマートである。
この所格段の上達がみられる氏であるが、
この作もすばらしい出来である。四等分に配し、
上下で点画の差があっても全く違和感なく
みせる技は大したもの。文字に伸展があり、
大きくみえるのはそれ故なり。
回文にして対角に文字の大小変化をつけている。
更に右の辺縁は借辺である。「心」字やや、
左右に伸展不足の感ありて左辺縁に接縁する位に
巾を広げたらいかがか。辺縁は十分の重みありて
変化も佳なり。
3月の月例競刻の講評が届きました。
3月の課題は「奇心清尚」
(こころをせいしょうにす=心をきれいに
して高尚な境地に寄せること)
印の大きさ八分印(約2、5cm)
以下↓先生の講評です。
大変工夫のある作である。一見朱文印に見せて
「寄」字は白文である。中央縦の一字界線も
見事である「清」字は他字に比して、やや巾が不足か。
サンズイの形を「三」にするのも一手かと思う。
小篆の風趣をよく表現し柔和さが心地よい。
ただ刀線を伸展させすぎたり、不安定の所も
見られる。字書の字形を正確に写し取ることが大事。
辺縁は上品にて細太変化もありよいが、左辺は一考の
余地あり。
金文の古色の風趣が自在で中々の巧みさである。
文字をあえて不整形にすることで動きを演出して
いる点で上部二字にもあれば統一感が出たと
思うがいかが。辺縁に欠けを作らぬのは古典の
風趣からと思う。
おだやかな刀味で優しさを感じる。「心」を
縦長に配して印象的である。丸みを帯びた印形が
優しい。あえて打刻しないのもスッキリして
いいものである。始筆、収筆に刀の鋭さを
加えてみたらどうか。
字画を考えての回文とみる。印篆をしっかりと
刻しており技の高さが伺え好印たり。
「清」のサンズイの工夫がいい。余裕が
出て文字の広がり感がある。刀味の鋭さが
今後の課題。
丁寧に刻し切って明快の作となった。
「尚」字やや傾きあり「冖」部分の手直しで
修正されよ「青」やや固さありて柔和さ欲す。
辺縁は堂々と力感十分で安定せり。
ここ近作で辺縁の力強さが出ており印の表情に
安定感がある。文字は正確にて好感たるも
少々平板か。点画線に変化をつける様に
細かに刻してみたらよい。辺縁に欠けを大胆に。
四等分の配置なるも、文字点画に刀意変化が
あることで、大小差異が感じられる。
「寄」の「宀」を取ったため少し落ち着かない
感あり。窮屈感もある「清」字の如く打刻して
変化さすのも一手なり。辺縁これでよい。
印面四分割に印篆を配した定道の作なり。
文字として正しく非の打ち所がないが、
生硬で印趣を欠く。刀線を打して変化を
加味したらいかが。そうすれば堅い印篆が
軽くなろう。
回文で文字大小の差をつけた対角の承応を
なしている。文字の小篆は実に正確で美しい。
実に見事である。分間布白が文句なしなのが
その成因であろう。辺縁は文字にあわせて
スマートである。
この所格段の上達がみられる氏であるが、
この作もすばらしい出来である。四等分に配し、
上下で点画の差があっても全く違和感なく
みせる技は大したもの。文字に伸展があり、
大きくみえるのはそれ故なり。
回文にして対角に文字の大小変化をつけている。
更に右の辺縁は借辺である。「心」字やや、
左右に伸展不足の感ありて左辺縁に接縁する位に
巾を広げたらいかがか。辺縁は十分の重みありて
変化も佳なり。