カンチャン狂騒曲

日々の事をあれこれと、大山鳴動してネズミ1匹がコンセプト。趣味さまざまなどを際限なく・・。

性に合わない本もある

2015-03-17 10:26:55 | 本と雑誌
 借りてきた本が2冊あるのだが・・・まあ、性に合わない本も確かに世の中にはある。

 1冊はまあまあ、変わった旅行記みたいなもんで楽めた。

 

 「ランサローテ島」ミシェル・ウエルベック(著)野崎歓(訳)2014.5河出書房新社(刊)

 本文の部分は60数ページで展開も早いし読むのに苦労はいらない。

 ビックリするのは本の表紙の厚さで金属並みの硬度と大袈裟に言っていいくらい。

 それに、本文の前に綴じられている島の紹介写真が半端じゃないページ数で本文より多いかも。

 火山島なので溶岩以外何も無い風景がページをめくってもめくっても延々と続く。

 文章はユーモアに溢れ面白いし、島への好奇心も湧いてくるが、後半の人間関係に入ってくると宗教的なものを入り込ませて複雑化し、結局はキリスト教的ステレオタイプの話で好奇心も見事に萎んでしまう。

 次は性に合わないというか、読みづらかった1冊。

 

 「ばかものギンペルと10の物語」アイザック・B・シンガー(著)村川武彦(訳)2011.12彩流社(刊)

 作者は1904年にポーランドに生まれ、ラビの父の影響でワルシャワのラビ養成神学校に進んでいる。1935年に米国に移住してその後帰化し作家活動を続け、この「ばかものギンペル」が英訳された頃から名声が高まり1978年にノーベル文学賞を受賞している。

 「ばかものギンペル」は何となく読めた。イディシュ語という独特の言語とラビ養成神学校というものが作者の立つ位置を示していて、ユダヤ人としての生き方が作品世界を支配している。

 魯迅の「阿Q正伝」を思い浮かべると、似たような環境を描いても洋の東西で違うなと思う。

 西は死に様を美しく表現し、東は泥濘を描きながら真実を探るという書き方で、私的には魯迅の肩を持つ。

 「・・・・と10の物語」と言うくらいだから、全部で11篇の構成なのだが、3篇めの「妻殺し」の始まりの部分でギブアップしてしまった。

 どれを読んでも旧約聖書のエピソードの現代語訳に見えて・・・正直疲れた。

 で、疲労回復のため・・・4篇から先を投げ出した。

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コメント
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