カンチャン狂騒曲

日々の事をあれこれと、大山鳴動してネズミ1匹がコンセプト。趣味さまざまなどを際限なく・・。

聖ペテロの雪を読む

2016-02-19 10:45:10 | 本と雑誌
 この頃似たような傾向の本が多いなと思ったら選ぶ側の自分に原因があることが分かった。

 外国のものが国別あるいは地域別に分類されて本棚に並んでいるのだが、最近ドイツのコーナーで選ぶことが多いのだ。

 そしてまたまた今回も・・・。

 
 「聖ペテロの雪」レオ・ペルッツ(著)垂野創一郎(訳)2015.10KK国書刊行会(刊)

 病院のベッドに横たわった状態で目覚めた主人公は、数週間前の出来事を思い描きながら再び眠る。

 二度目に自然に目覚めたとき、「入院から5週間目になる」看護師から聞かされる。

 それはあり得ない、長くてもせいぜい4~5日だという認識がある。

 「それじゃ計算が合わない。そんな筈はない」と看護婦をじっと見ると彼女はうろたえた。

 目覚めたときの意識と、彼が体験した途方もない事件との出会いが思い出されて来る。

 医師であり医学博士である主人公の思い出語りで物語は進行していく。

 宗教、神聖ローマ帝国、化学、そして「聖ペテロの雪」の意味が明かされていく。

 歴史も記憶も本物なのか・・・、信じたことにして後ろを振り返らず去っていく主人公。

 後ろからの強い視線を感じながら・・・。
 
 理想の統治体制を求める物語は、いつの時代設定でも普遍性があって受け入れ易いようだ。


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コメント
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