昨夜は満月だった。
正確には月齢15.4、前夜が14.4だったからより満月に近いのは昨夜ということだろう。
相方と月を見ながらのウオーキングと洒落てみた。
ただし前線の接近で前日までの涼しさとはうって変わっての蒸し暑さは格別だった。
月は雲に隠れたり出たりを繰り返していたが、帰りの道では完全に雲は切れて綺麗な満月が輝いていた。
月は生活や物語の世界でも切っても切り離せない存在で、特に日本人は竹取物語などでお馴染みだ。
ただし日本の文芸の世界では、十三夜とか一日過ぎた十六夜などが好んで用いられる。
未完のものや、盛りを過ぎて陰っていく姿に己が人生を重ねたりする「もののあはれ」に心打たれる精神構造がどうやら日本人には染みついているようだ。
「月」に関しては、中学の何年生の頃かは忘れたが、「海辺にて」という詩を習ったことがあって、今でも暗誦している。
作者も訳者も忘れたが、七五調の訳でスルスルと頭に入りやすかったからだろう。
「高き空より 照る月は
手に持つ金の 絵扇を
うかと落としぬ わたつみの
青くたたえし 敷物に
拾いあげんと 俯きて
銀のかいなを 伸ばせども
白き手元を くぐり抜け
扇は流る 寄る波に
千尋の底に 身を投げて
扇返さん 照る月よ
汝れ大空を 降り来なば
われ大空に 昇り得ば」
さて、一句いきますか。
「満月に己の影の覚束な」
お粗末様。
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正確には月齢15.4、前夜が14.4だったからより満月に近いのは昨夜ということだろう。
相方と月を見ながらのウオーキングと洒落てみた。
ただし前線の接近で前日までの涼しさとはうって変わっての蒸し暑さは格別だった。
月は雲に隠れたり出たりを繰り返していたが、帰りの道では完全に雲は切れて綺麗な満月が輝いていた。
月は生活や物語の世界でも切っても切り離せない存在で、特に日本人は竹取物語などでお馴染みだ。
ただし日本の文芸の世界では、十三夜とか一日過ぎた十六夜などが好んで用いられる。
未完のものや、盛りを過ぎて陰っていく姿に己が人生を重ねたりする「もののあはれ」に心打たれる精神構造がどうやら日本人には染みついているようだ。
「月」に関しては、中学の何年生の頃かは忘れたが、「海辺にて」という詩を習ったことがあって、今でも暗誦している。
作者も訳者も忘れたが、七五調の訳でスルスルと頭に入りやすかったからだろう。
「高き空より 照る月は
手に持つ金の 絵扇を
うかと落としぬ わたつみの
青くたたえし 敷物に
拾いあげんと 俯きて
銀のかいなを 伸ばせども
白き手元を くぐり抜け
扇は流る 寄る波に
千尋の底に 身を投げて
扇返さん 照る月よ
汝れ大空を 降り来なば
われ大空に 昇り得ば」
さて、一句いきますか。
「満月に己の影の覚束な」
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