カンチャン狂騒曲

日々の事をあれこれと、大山鳴動してネズミ1匹がコンセプト。趣味さまざまなどを際限なく・・。

言葉と表現法

2018-05-23 17:14:26 | 本と雑誌
 自分の意思を伝える、伝えたいことを表現するということの難しさを痛感する昨今である。

 作者は忘れたが、気になった川柳に「四百字言いたい事は言わせない」という句があった。

 あなたのご意見を、400字詰め原稿用紙一枚に書いて下さいといったことに対する十七音字での意思表明だ。

 この頃は図書館に行けば、俳句・川柳・短歌・詩など所謂短詩型文芸の類本をつい手にとってしまう。

 

 俳句の本などを手にすると、作者との対談なども載っているものもある。

 評論活動などを活発にやっている年配の女性と、俳人の対談記事を読んだ。

 長いこと俳句をやっていたという女性は、十七音字での意思の表現に限界を感じて止めたと述べていた。

 俳句で意思を自由自在に表現しようというのがどだい無理な注文のなのだと思うが。

 具体的な社会批評など俳句には馴染まないし、川柳でも一部分を切り取る程度で限界がある。

 そんな中に、「俳句でつくる小説工房」という本を見つけた。

 一般の人が投句し、選者がテーマ毎に秀作を選んで披講を加えている。

 そのテーマ毎の秀作の中から更に1点を選んで、テーマ毎の小説を作り上げるという仕組みになっていた。

 短篇に仕立て上げるために俳句が題材にされたということなのだ。

 小説にも「ショートショート」という極めて短いものがあって、どうかすると「詩」より短かったりする。

 各々が最も自己の表現に適する方法を選び出して、創作していくのだ。

 400字では言い足りなかったり、十七音字表現に限界を感じたりという意見もあるが、わざわざ縛りを加えた中で表現してみようという、特異な言葉の文化は日本人が誇っていいものの一つだと思う。

 
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