カンチャン狂騒曲

日々の事をあれこれと、大山鳴動してネズミ1匹がコンセプト。趣味さまざまなどを際限なく・・。

蛍の光

2018-05-24 10:31:28 | 日常あれこれ
 彼方の町で花が咲いたと聞けば出かけ、こちらの村の棚田の彼岸花が美しいと聞けば出かけたものだった。

 今の時期なら、田植えの後が美しい阿蘇外輪山の外側の棚田だろうか。

 そういえば今年は「山田の藤」も、「小岱山麓のマンサク」も、「日輪寺のつつじ」も行かずじまいだった。

 相方が突然ホタルを見に行こうと言い出した。

 去年は地震の後も痛々しい町民グランド脇の水路に飛び交うホタルをウオーキングがてらに見た。

 その話を相方が覚えていて見に行こうというのだが、町内は水道・下水・道路工事と日替わりで現場が変わり通行止めになるし風が強すぎるので、取り敢えず確実にホタルがでる故郷の村に行こうと夕方から車で家を出た。

 
 
 
 
 小川沿いには沢山のホタルが乱舞していたが、カメラに写すと何とも情けないささやかさ。

 ここの川沿いはゲンジボタルで光は大きい方なのだが・・。

 もう少し上流の杉林の中には、少し小型のヒメホタルが棲息する。

 光は小さいが飛んでいる数が圧倒的に多いのが特徴だ。

 今回はゲンジボタルだけを見るにとどめる。

 若い二人連れや小さな子供連れの両親など、訪れる人はいろいろ。

 川原に向かう橋の上にくるとホタルが見え始め、あちらこちらから少し抑えながらの「あら~飛んでる~」などという声が聞こえてくる。

 そうした声の中に、「ほら見てご覧、あの光って飛んでいるのがホタルだよ」という声も混じっている。

 初めてホタルが光りながら飛ぶのを見る子供が多いということだろう。

 私が子供の頃は庭先まで沢山飛んで来て、丁度収穫が終わった菜種の穂先で捕まえては麦藁で作ったホタル篭に入れていた。

 映像や本で見ても伝わらない独特の雰囲気というか空間美のようなものがあるが、ホタルもそのうちの一つだろう。

 種の保存のための生殖の最高の時なのか、今宵一夜の命の最後の明滅なのか、セミは鳴き声でホタルは光で体現する。

 蛍の光は心に染みるような黄緑色をなびかせながら直ぐ手元まで飛んで来ては、また離れ去っていく。

 母が死んだのは私が6歳で、ホタルの飛び交う5月の今頃だった筈だが・・記憶にない。

 蛍の光・・・生と死の短い饗宴の幕もやがて下りる。

 「蛍舞う今日の光は今日限り」

 
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